篠沢大滝

篠沢大滝 (四丈丿滝)
—【山梨県 北杜市 白州町 横手】—

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コメント

不思議に思うことがあった。

篠沢大滝はもう6年ほど前から
山梨県を代表するような名瀑として、
主要な滝サイトにはほぼ取り上げられていて、

知らない滝好きはいない、
そんな一本となっていた。

しかしこの大滝の直下、
滝壺の部分を目指した記録を
見かけたことはなかった。

滝の記録

訪問日 2016年10月30日
活動の形態:上級滝巡り(単独) / レンタ
装備:アプローチS・8mm30m×1・6mm10m×2
感動度:限りなく

①黒戸噴水滝

当日は黒戸噴水滝にまず訪瀑。

滝男さんが上段に行ったと聞いたので、
偵察したるか、と右岸の溝を登ってみたが、
全く道をみつけることはできず、
見下ろすような写真を何枚かとって帰路へ。

(後日、本人に確認した所、
黒戸噴水滝は左岸から上段に
かなり近い位置まではいけるものの、
上段の真下はムリとのことでした。)

黒戸噴水滝を戻り、再び林道を先へ。

上り坂、後半少し下った後、
篠沢大滝まで20〜30分を示す
看板に到達(分岐から16分)。
山に入っていきます。

②少し外れて

2条のかわいい形をした滝を越えた少し先で、
なぜか道を見失って、
篠沢の右岸沿いを直進。

すると本当に道がないので、
急な崖をモンキークライム20mぐらいで
なんとか尾根に・・・

そこは緩い尾根で
すぐに大滝が見えてきました。

③篠沢大滝

存在感が違う一本
近づくには少しトラバースで嫌な所がありました。ほんのりと秋色の山々。

ひょんぐり滝の部分を、
奥の50m大滝と合わせて篠沢大滝とするのか、
前衛滝とわけるのかは
意見が分かれる所だと思います。

ヒョングリ滝と・大滝は
それほど距離が離れてはいないので、
上段と下段と見ることも十分可能ですが、
ひょんぐり滝が越える難易度として、
事実上前衛滝になっていること、

そして今回見ることができた景色から、
僕は分けて考えたいです。

④近くへ

まだ時間があったので、
前衛滝の向こう側。
未知の世界への調査をしてみます。

唯一あったのが、
前衛滝を突破しての沢遡行。

わらじの仲間やブナの会などの
山岳会の記録でも篠沢大滝本体の
滝下には到達していない。

前衛滝の突破は危険極まりなく、
単独ではまず不可能なので、
右岸からの下降を狙ってみた。

この下降ルートであるが、
記録がないということは、

①誰も挑戦したことがないか、
②挑戦してみたが、記録を残さなかった
(もしくは僕が見つけられなかった)か、
③挑戦したが、生きて帰ってこれなかったか
の上記①〜③いずれかである。

たしかに、
篠沢大滝の右岸には樹林帯があり、
そこから急ではあるが、
懸垂などでぎりぎり滝壺へいけそうな気もする。

問題はその樹林帯に
どうやってたどり着くか。

⑤樹林帯へ

大滝を正面に見る遠望地点から
左側へ尾根を登っていく。

上段の滝壺も見える地点を
越えぐいぐい高度をあげていった。

篠沢大滝の落ち口を越えてしまってから、
これは超大高巻きになって
到達不可能なことに気づく。

尾根を下りながら左のルンゼを眺めてみると、
下の方に、けっこう傾斜が緩い
平和的な場所があることに気がついた。

このルンゼは水量が少ないながら
水が流れていて、10mほどの滝をかけている。

尾根を戻ってから急斜面で
一回10mのお助け紐を伸ばして下降し、
平和的な場所に辿り着いた。

降りて左に進むとルンゼに乗れる。
その反対側が篠沢大滝右岸の樹林帯だ。

少しルンゼを登って見出したルートは
10m滝の落ち口をトラバースして、
樹林帯手前の尾根にのっかる
こと。

かなり怖い斜面ではあったが、
勢いでトラバースをかけて突破。
大きな木をまたいで樹林帯に突入した。

⑥下降

そして、滝側を覗いてみて唖然。
想像よりもずっと、
傾斜がきつかったのだ。

登り返しでフリーで登れそうなところは
少しフリーで降りて、今度は
30mザイルをシングルで。

途中、80度傾斜の2~3mスラブ(苔&泥付き)が
一面に広がり、登り返しがヤバそうな箇所でしたが、
そこも下降して、30mザイルを伸ばしきったところで、
もう大滝の半分より下に到達。

その先は草付きだが、
傾斜は緩くはなくけっこう怖い。

30mに残りの10m,6mmを連結して
思い切って、草付きに突入して
切れる手前まで行ってみた。

⑦焼き付ける

滝が十分に見渡せた。素晴らしい場所。

見てみたかった篠沢大滝の核心部が、
上から下まで、近くから一望できる

滝壺は一部白くなっていて、
汚れていたが、他は緑で美しい。
通常の滝見スペースが見える。

記録がないルートから、
近づいても小さく感じない、
圧巻の大滝と素晴らしい位置で対峙
でき、
言いようの知れぬぞくぞく感を、
味わうことができた。

⑧滝壺への模索

しかし、ここから先の崖は、
最後緩くぬめりながら、
約12mの距離を残している。
お助け紐は途中できれる。

その空の下で」の弘田さんが、
6年前に前衛滝を直登した後、
右岸の大高巻きを行ったらしい。

滝壺から、ぬめった斜面を直上して
草付きにとりつき、この場所へと登り付き、
さらに上へと上がって行った
ということになる。しかしだ。。。

下から見たら案外登れるって
思うかもしれないが、それは
行ってみないとわからず、
この場所から下を見た分には、
どうしても、すべって
とりつけるようには思えない

しかも足元は街山兼用の
アプローチシューズ(サイズも大きめ)だ。

8mm以上のダブルで滝壺まで
垂らせればまだ話は違ったと思うが、
現状、6mmのお助け紐のシングルが
残り4〜5mで切れるという状況。

ザイルがかかっていない状況で
右岸に取り付いた事例があるんだから、
あるだけでもましだろうとは思われるが、

弘田さんとは実力が違いすぎるので、
お助け紐まで登り返しできない可能性は
十分に考えられる。

お助け紐に届いても、
6mmのシングルなので
足場がずるずるで登れない可能性もまたある。

その場合、滝壺のどっかに
ハーケンなど打って、
懸垂で前衛滝を下るしか無いが、
下降でザイルを残置しているので、
それもかなわない。

篠沢大滝の正面に人が来るまで待って、
助けを呼んでもらうしかない状況もありえる。
何日かかるかもわからない。。。

引くことにした。

ザイルは足りず、傾斜のきつさも、
その苔×泥の悪絶さも、
想像の上を行くものだった。

⑨登り返し

登り返しは結果的に帰れたものの、
上述した2~3mのスラブは悪魔的で、
スラブの上に生えた苔の上に
小〜中の木が根を伸ばしているが、

そのスラブ周辺の木は
根を伸ばした苔ごとぐわんぐわん動き
こんなものに体重をかけたら
いつ滑落するかわからない。

30m, 8mmシングルに
タイブロックをセットしていたが、
リアルに空中で宙吊りになる恐怖に襲われる。

自己脱出の方法は、忘れてしまっていた。。。

タイブロックのセットを外し、
左右ともに不安定な苔に根を張った
頼りなさすぎる左右の木々に2秒ほど賭けて、
その後ザイルを掴み直してなんとか突破。

後は樹林帯を登りきって、
ルンゼの落ち口を戻って帰路へ。
手はぼろぼろ傷だらけになりました。

⑩まとめ

下降ルートで篠沢大滝直下を目指すなら、
今回のルートは一番可能性が高いと思います。

ただどうしても、
登り返しが異様に厳しい箇所があるので、
8mm以上のザイルを計80mは揃えた上、
念のため登高器も用意したいところ
です。

早速8mm以上のザイルで使える、
ペツルの登高器を購入。

しかし、
よくよく考えてみたら、
登高器がなかったことが問題ではなく、

プルージック登攀の基本を理解してなく、
フットループを作ろうとしなかった
ことが、
最大の問題でした。

あの滝壺には降りれませんでしたが、
スパイシーな篠沢の右岸の中で、
次に繋がる課題が見つかりました。

次に行く猛者の方々には是非とも、
下からの写真をとってもらいたいです。

アクセス

Step1 篠沢大滝キャンプ場へ
Step2 林道を進む
Step3 道をたどる
Step4 右岸滝見スペースへは危険を伴う


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