黒桂河内 ニノ右俣大滝

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黒桂河内 ニノ右俣大滝
—【山梨県 南巨摩郡 早川町 黒桂】—

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南ア早川流域に隠れた秘瀑。
日帰りの遡下降ルートになります。

滝の記録

訪問日 2017年5月31日
活動の形態:上級滝巡り(2人) / 車
装備:8mm20m×1+8mm30m×1(BALさん), 沢タビ
感動度:かなり~限りなく

①早川右岸の深淵に...

今回の冒険の物語は、
山梨県 南アルプスの早川村。

黒い桂と書いてつづら。
合わせて「つづらごうち」と読みます。

昨秋からあっためていたプランで、
BALさんにご提案したら話がまとまって実現。

滝の位置がスタートから相当遠く、
日帰りで往復できるのかがポイント
です。
(百四丈の日帰り沢ルート同等、
もしくはそれ以上の距離)

深夜のうちに早川村に到達しました。

②林道と巡視道

3:00まで2時間弱仮眠し、
そこから準備。歩き始めます。

この林道は終点まで5km近くあり、
決して短い距離ではないです。

途中深刻な崩落地帯がありました。

残置のロープがありますが、
滑って手を離したら助かりません。。

終点に着く頃には明るくなっていました。

ここで沢に降りると、
今回の目的が達成不能になるので、
そのまま巡視道を辿ります。

巡視路は20分ぐらいでした。

たどり着いた取水堰堤

ここから地形図では北に破線が伸びており、
これは地下の水の導線を表しています。

しばらく休憩して入渓しました。

③大渓流 黒桂河内

この沢は完全に沢登りのフィールドで、
本流遡行・ニノ右俣遡行の
2つが主なルートです。
(目指す大滝はニノ右俣にあります。)

そのため、参考タイムは、
超人的な沢屋の方々が中心であり、
スピードを意識して進んで行きました。

10m滝が見えますが、
時間がないので滝前までは行かず、
高巻き中に全景を把握。

なかなか良い滝です。

ゴルジュを一緒に巻きましたが、
一番の上の滝は上から見ても良い雰囲気です。

渓谷は並みの規模感ではありません。

中津川に近い規模感だと感じました。

BALさんが切り開いて行きます。

左岸 20m滝


右岸 12m滝

大きく足をあげて
大岩を登る箇所もありました。

④足の硬直

ちょっとした違和感と
ヤバさは途中から感じていました。

それでも大丈夫だろうと、
なんとかなるだろうとそう思っていて
飛び込んだ小滝登攀の水流中...

右足が完全につりました...

水流は乗り越えたが、
右足が動かせず四つん這いになって進む。

BALさんに手伝っていただき、
左岸側の休憩スペースへ移動。

飴をいただき塩分を補給

ストレッチ・正座など対応策を行い、
だいぶよくなるも、
逆に反対の左側にも違和感が...

ペース大幅ダウンで
再び遡行を開始しました。

ペースが落ちたなか、
沢中の写真撮影を行うことは、
申し訳なくてほとんどできなくなります。

しばらくして、
奥に落ちた滝を越える壁を登っている最中...

今度は左足が完全につってしまいます...
(両方ともふくらはぎ)

角度を変えてもその度に、
再発する激痛に悶え、まだ半分にも
達していない行程が絶望的な雰囲気に。

足が使い物にならなくなったら、
この位置から戻ることすら危うい状況。

1年前、川苔谷逆川にて足をつったときは、
そのあとなんとか歩けるようになって
遡行を完遂した。

果たして戻るのか?そして今回の原因とは?

確かに最近はストレッチを怠っていて、
それがおそらく一つの原因。

多少の寝不足や、
長いルートでの疲労も考えられるが、
その2点はこないだのヌク沢でも同じで、
また、ソルティライチも飲んでたので、
塩分不足もそんなに考えられない。

BALさんの顔も当然ながら
険しくなっていく...

もはや辿りつけるかではなくて、
生きて帰れるか?
遭難になるかならないかの問題

そんな中、両膝の膝当てをとり、
スパッツを下げてふくらはぎへの圧を解放。

そうしたら自然と気持ちが落ち着き、
しばらくしたら足が動くようになりました。
少しだけ進んでみます。

岩の急斜面を突破して、
滝の連続体を右側から超えていく。

このあたりは
三ツ釜と呼ばれているようです。

⑤五ツ釜

足の張りは消えませんが、
動けるようになってきて
こういう釜が出てきます。

あっさりと巻いて、
至るはこんな滝。

これも手前は巻けます。

ついに五ツ釜に到着!
と思いきや、実はこれが3つ目で
前の2つの写真がそれぞれ1と2だったのは
終わってから知りました。

この3つ目の釜は左壁が登れる気がして
接近したらトラロープがありました。

そして4本目。ここが核心でした。

左からへつっていくのは、
途中で切れておりアウト。
釜を泳いで滝の右側に取り付くルートは
見えましたが、どうしても勇気が出ない。

行きたいけども取り付けずに
だらだらと時間が流れます。

水が冷たすぎるし、
足がつかない水深で泳ぎの練習もしてません。

スタートから
すでに4時間近くが経とうとしてました。

右岸高巻きの決行に至ります。

この巻きはグズグズでかなり悪く、
特に僕は両足に張りを感じていて、
足に力をかけられない状況です。

時にお助け紐を出してもらいながら上へ。

切れていてダメだったので、
さらに上へ行ったら、
絶妙なトラバースルートがあり高巻き成功。

大した踏み跡もなかったですが、
BALさんの的確なルーファイのおかげで
五ツ釜の突破に成功します。

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⑥足は戻り、谷を駆ける

ようやく足が機能し始めました。

2条4m滝

かなり時間を食ってしまったので、
ここからは頑張って歩いていきます。

右岸支流 布のような滝

ちょっとした釜

小滝(未カウント)

2条3m滝

8m滝

これは右から落ち口トラバースしたり、
左から直登したりと
デンジャラスな先駆者がいますが、
左から容易に巻くことができます。

3m 岩間

2連の美瀑

一ノ右俣

ようやく一ノ右俣に到着しました。

ここで小休憩に入ります。

⑦長き渓谷の先に

半円状3m滝

2段で良い形の滝

この区間は目立った滝はこの2本で
途中で右岸支流が1本眺められます。

ペースを上げていき、
なんとか二ノ右俣にたどり着きます。

水量は少なめ...

そして連瀑帯に突入します。

まずは2条の4m滝。

次は3m滝で、
これは右側から越えられます。
上には次の滝が見えます。

6m滝とその上の4m程度のナメ。
合わせて2段10m程度。

この滝は右側から
水流の下のバンドを伝って
左側へ移動しますが、
BALさんに先導していただきました。

ザックを分けて、
空身で突撃・ザックは荷揚げになりましたが、
水流の直撃は思っていたよりきつく
一気に服の中に水が入ってきたので大変でした。

その先にそびえる堂々とした20m滝

左岸高巻きとなります。

難しくはないですが、
疲れた体に鞭を打って最後の一踏ん張りです。

⑧秘瀑にて

駐車スペースより
6時間11分かけての大滝到達です。

左岸の崖にカモシカがいて、
お出迎えしてくれました。

しばらくして去っていきました。

遠望地点からは倒木がかなり邪魔でしたが、
接近して正面にきたらそれほど気になりません。

黒桂河内 ニノ右俣大滝 40m】

流れが凄く綺麗な1本で、
見てるだけで癒されました。

人物比...

なかなかの大きさなのがわかると思います。

今回はガス系を持ってきてたので、
沸かしてカップ焼きそばを食しました。

先ほどの直撃で冷えた体には美味しく、
疲弊した体に栄養を供給します。

BALさんが接近しながら撮影を試みる中、
僕は睡眠に入り、頭の回復もぼちぼち...

前回の小足沢と同じくらいの
滝前滞在を考えてましたが、
BALさんの体が冷え過ぎてしまい、
低体温症の危険が出てきて
滝をあとにすることになりました。

真ん前まで行っていなかったので、
ダッシュで行って、滝下を堪能。

ここもいい世界です。

90分程度の滞在でしたが、
思い出に残る良い場所でした。

⑨帰路

ポイントになったのは、
2段10m滝下部の6m滝の懸垂下降です。

支点が4mナメに高く横たわっている
倒木にしか取れず、
そこにロープスリングを残置。

僕の20mとBALさんの30mを連結して、
ダブルでの懸垂下降

上に伸びるザイルの角度が低めで、
違和感もありましたが、
バックアップも決めれて練習になりました。

ここの懸垂の作業で
体を動かしたことでBALさんの
体も温まり、危機を脱出。

あとは、ひたすら戻るだけ。

五ツ釜の高巻きは
より下流側に進路を取り、最後に
懸垂ではない木にかけるザイル下降で沢床へ。

ところどころ休憩を挟みながらも
15:22には取水堰堤まで、
無事帰ってくることができ、
そこで大休憩。

あとは林道での大崩落だけが問題。

改めて見ても過去最悪の林道崩落です。

17:22すぎに車に到達しました。

三郷町のみたまの湯
→釈迦堂PAで夜ご飯を食べ、
府中周辺で解散。

素晴らしい活動に感謝です。

⑩まとめ

黒桂河内は大渓流であり、
下部ゴルジュの険悪さに比べれば、
取水堰堤上は極端な難所はありませんが、
大滝までの道のりはかなり遠く、
1泊2日のプランが無難です。
(往復19.3km)

足のトラブルがなければ
5時間30~40分前後だったかもしれませんが、
遠いことに変わりないです。

五ツ釜に関しては、
泳げなければ右岸高巻きになります。
結構厳しい巻きなので注意です。

正直甘く見ていた部分があり、
企画したのは僕ですが、

足をつってご迷惑をかけ、
ルーファイやザイル出しなど
BALさんにお世話になりっぱなしでした。

戦力としては
あまり力になれませんでしたが、
協力して成し遂げられた今回の活動は、
とても価値のあるもの
でした。

足に関してですが、
両足の膝当てを強くつけすぎていたのが、
可能性だと思われます。

特に林道歩きなど
膝を痛める可能性がほぼない場所では外し、
沢沿いでも圧迫しすぎないよう
工夫してみます。

あとは日々のストレッチ不足と
ズボンがスキニーだったのも
圧に関係あるかもしれません。

ピンチでも温かくサポートいただいた
BALさんには改めて感謝申し上げます。


コースタイム
行き:6時間11分 帰り:6時間7分
(どちらも休憩含む)

3:42 林道歩き開始
4:40 林道終点
5:00 取水堰堤着(5:13発)
5:22 10m滝
5:46 右岸支流12m
6:00頃 右足こむら返り悶絶
~20 小滝にて休憩
6:30頃 崖にて左足こむら返り悶絶
6:44 五ツ釜 最初の滝
7:01 五ツ釜 4本目
7:47 右岸高巻き終了
8:15 8m滝
8:39 一ノ右俣(休憩)
9:12 ニノ右俣
9:27 2段10m滝
9:39 20m滝
9:53 黒桂河内ニノ右俣大滝+接近へ
〜カップ焼きそば&睡眠〜
11:15 滝を後に...
~2段10m滝の懸垂下降~
12:09 ニノ右俣出合
13:33頃 高巻き開始
14:00 五ツ釜手前
15:22 取水堰堤着&休憩開始
16:15 林道終点
17:22 林道入口

アクセス

Step1 早川町へ
Step2 黒桂河内沿のゲートまで
Step3 林道歩き 1時間強
Step4 巡視道 20分+沢登り5時間弱

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