滝のきほん 〜基礎知識〜

目次
その1 滝の定義と分類
その2 訪れ方
その3 滝の魅力
その4 滝と自然観
その5 滝100選
その6 開発と環境問題
その7 スピってる

別ページ:滝というジャンル

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その1 滝の定義と分類

滝とは何か??

A 滝の一般的定義

滝とは何かという問題がありますが、
何を滝として捉えるかというのは、
人それぞれの所があります。

その捉え方の感性は
滝に関わり続けることで磨かれていきますが、
一般的な滝を満たす要素としては、
以下の3つが挙げられます。

①段差で水が落ちている
3M以上
1年中水が流れている

B ハンノキ滝について

○○滝と呼ばれるものの中にも、
1年中は水が流れていないものは
わりとあります。

別にそれでも
滝といって全然問題ないのですが、
落差500Mの【ハンノキ滝】だけは、
日本一の落差
という称号がかかっているだけに

「1年中」という点を他の滝より
厳しい目で見られてしまう
という特徴があります。

8月のハンノキ滝(右の細い流れ!)

(左は称名滝です。)

たしかに大きいけど、
季節限定という点でちょっと
滝としてはなー、みたいな感じです。

滝の分類

既存の5〜6種類の滝の基本的な分類を
ベースとしつつ、より整理してみました。

【分類方法】

以下A〜Jまでの当てはまる要素の中で、
一番強烈に印象を与えるものをその滝のタイプとする。

同程度の印象が複数ある場合は併記する。

A 渓流系要素

A-1 渓流瀑

滝の傾斜角度が45度以下で幅広の、
いわゆる「滝」という雰囲気が薄く、渓流的な滝
(例):平滑の滝・乙字ヶ滝・吹割の滝)

A-2 ナメ滝

渓流瀑よりも小規模か水量が著しく少ないもの

(例):滑床渓谷 出合い滑・東沢 西の滑

A-3 超大瀑布

海外の世界三大瀑布などで、
滝の範疇を越えているもの。
(例)ナイアガラ・イグアス・ビクトリア


B 海岸・別河川直入要素

B-1 海岸瀑

海に直接落ちる滝。
(例)湯の花の滝

B-2 別河川直入滝

別の河川に直接落ちる滝。
(例)井倉の滝


C 潜流要素

C 潜流瀑

地下水がわき出て滝になっているもの
(例)吐竜の滝・元滝


D 段瀑要素

D 段瀑

数段に分かれて落ちる滝
(例)七ツ釜五段の滝・三階の滝・轟の滝・不動七重の滝


E 特殊岩・浸食要素

E-1 岩隠れ

大きな岩盤によって滝の一部が隠れている
(例)早戸大滝・黒山天狗滝

E-2 樽(穴)滝

滝の水が空洞状の個所から落ちている
(例)潜り滝・長沢の滝

穴に近い形状になっているものもある。
(例)醤油樽の滝

E-3 ドーム状

滝壺がドーム状になっている。
(例)大柄の滝

E-4 裏見滝

裏に回りこんで見える滝。
E2やE3とかぶることもある
(例)竜頭ヶ滝・鍋ヶ滝・棚下不動滝・月待の滝

E-5 岩間 ~チムニー~

岩の間の細い空間を流れる滝
(例)双門の滝・雨棚

小さいものはチムニー滝ということが多い。

(例)九蔵川の3mチムニー滝

岩の間を流れ且つ角度が緩やかな場合、
トイ状ということが多い。

E-6 後退顕著

水の浸食による滝の後退が顕著にわかる滝
(例)轟九十九滝(本滝)・加治木町 龍門滝

E-7 顔

岩盤が特徴的で人の顔に見えもする
(例)嫗仙の滝・弥勒の滝・社台の滝・龍門滝


F はね・噴水要素

F はね滝

水が途中で噴水のようにはねている滝
(例)月谷出合滝・七人滝・ボンクラ沢水神滝・大岳沢大滝


G 複数をまとめる視点

G-1 連瀑

複数の滝をまとめて1つとして扱っているもの
(例)赤目四十八滝・八ツ淵の滝

G-2 二本滝・夫婦(めおと)滝・両門滝

二本の流れが同じ場所で合流
傾斜が緩いと両門滝と呼ばれる。

夫婦に例えて夫婦滝と呼ばれることもあるが、
夫婦滝の場合、同じ川が滝の部分で、
2条に分かれたものを指すこともある。

(例)雨乞いの滝・乙原の滝・釜の沢両門滝・豆焼沢両門滝・中津川 夫婦滝

G-3 三本滝

三本の流れが同じ場所で合流
(例)三本滝

H 関係性での規定

滝そのものの形状ではなく、
関係性による規定のパターン。

H-1 F◯◯

沢登りでよく使われる表現。
その沢で何番目の滝の滝なのかのナンバー

H-2 出合滝

支流が本流に出合う際に滝になっているもの。

(例)鳥屋待沢右俣出合滝・竜喰谷出合滝

H-3 大滝

固有名詞ではなく、
沢の中での他の滝と比べた際に一番大きな滝。
それがそのまま固有名詞化することも多い。

(例)巳ノ戸大滝・モロクボ沢大滝

H-4 前衛滝

メインとなる大きな滝の前に立ち塞がる滝。

(例)赤岩沢10m前衛滝・蓮川 15m布引滝前衛滝


I 特殊水要素

I-1 氷瀑(季節限定)

季節限定ではあるが、
凍結した状態の滝。
氷瀑としての姿が有名な滝もある。
(例)雲竜瀑・中止の滝・扁妙の滝・霧ヶ滝

I-2 温泉滝

湧き出した温泉がそのまま流れ
滝となっているもの
(例)川原毛大湯滝・カムイワッカ湯の滝


J 分岐要素×急傾 or 直瀑

J-1 分岐急傾瀑

流身が分岐し、かつ急傾斜の滝
(例)霧降下段・滑川大滝・姥ヶ滝・薬師谷雪輪滝

J-2 分岐直瀑

流身は分岐するがほぼ直角におちる
(例)天滝・龍双ヶ滝

J-3 急傾直瀑

流身は分岐せず急傾斜
(例)砂川大滝

(※)分岐要素がある小滝は
スダレ状」と呼ばれることがある。

(例)豆焼沢12m滝・大薙沢左俣10m滝

J-4 直瀑

直角に落ちるため分岐しない
(例)五老ヶ滝・平湯大滝・苗名滝・賀老の滝

J-5 ミスト状の滝

やや水量の少ない落差あるミスト状の直瀑
個人的に大好きなタイプの滝。
(例)祇園の滝・米子大瀑布不動滝・風折れ滝・ボンクラ沢不動滝


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コラム① 滝とウォーターフォール

英語では、滝は"waterfall"である。
読んで字のごとく「水が落ちる場所」を表してます。

しかし、滝はさんずいに竜と書きます。
水の竜。これは、古来日本人が、
滝の中に伝説の動物「竜」を見ていた
とも考えることができます。

つまり、『滝』とは、
単に水が落ちる場所以上のものを、
言葉の原義として含んでいる
と考えることができます。

ちなみに、中国では瀑布(ぷーぶー)と呼び、
水+暴れる+布となっています。

その2 どこにあり、どうやって訪れるのか???

滝は意外と身近に存在しています。

自家用車を持ってなくても、
日本列島のあらゆる地域に滝はあるので、
地元の滝について
調べてみることをお勧めします。

例えば、東京なら立川から青梅線に乗り、
西多摩郡の奥多摩町や檜原村へ。

駅からはバスが出ており、
ついたバス停から少し歩けば
滝にたどり着くことができます。

(天狗滝など)

コラム② アプローチ方法〜車の使用

上記は、電車とバスを使う
という手法で滝に行く方法でした。

僕も昔は公共交通機関+ひたすら歩き
というスタイルで滝に行っていました。

しかし、現実的には、
公共交通機関だけを使っては行くのは、
かなり困難な滝が多数あります。

そこのバスが一日2本だったり、
一日中歩き通す必要が出てきたりするからです。

現在では車を使ったアプローチが
一般的になっています。

現代日本の滝分野で
比較的初期に貢献された永瀬嘉平氏は
ひたすら歩きとおすスタイルで滝を訪れています。

僕も小中大滝や田立の滝などでは
最寄りの駅から歩くという
古典的なスタイルで訪れており、
それはそれですごい達成感があります。

その3 滝の魅力について
〜2つの要素と4大条件〜

滝のよさは、大きく分けて2つです。

1つめは、滝自体のよさ。
良い滝の四大条件のうち、
1〜3番目にあたります。

2つめは、滝をめざすときのよさ。
良い滝の四大条件のうち、
4番目にあたります。

<<良い滝の四大条件>>

【接近性】
どれだけ近づけるかはかなり大切です。
後で遠望か直下か
というところで書きます。

【秘境感】
他の人の数、その空間の雰囲気です。
ぼーっと、水の音を聞きながら、
しぶきを浴びながら、生きていることが
実感できるような場所が
秘境感がある滝といえます。

【規模・水量】
滝の落差と水量。
小さくてもよい滝もあるので、
例外はありますが、

基本的には大きく、
水量が多い滝のほうが見応えがあり、
圧倒されます。

【最低限難易度】
簡単に行けすぎるということはつまり、
誰でもいける(努力しなくてもいける)とも言えます。

また難しすぎる滝は
命が危険なのでマイナスです。
ゲームもそうですが、難易度が大切です。

頑張った結果味わえる
達成感が滝の魅力の一つです。

その4 日本の滝と自然観

「滝」が語義的に、単なる水が
落ちる場所を指しているわけではない
と思われますが、

古来から日本人は、
滝に神を見てきたと言われています。

不動滝・阿弥陀・観音・弥勒・権現
といった滝の名前に現れています。

和歌山県の那智の滝や、
長野県の米子大瀑布などは、
近くの神社の御神体として、
あがめられています。

滝ヤと滝の経年変化
(滝の歴史と人の関わりについてのページ)

コラム③ 滝行

滝めぐりをしていると、
ただ単に見るだけでなく、
浴びてみたくなることがあります。

滝行を主体として
滝と関わっている方々もいます。

僕は宿谷の滝で滝行に遭遇しました。

滝行は、それができそうな滝で、
代えの服を持っていけばできます。

その5 日本の滝100選

1990年に日本の滝選考会によって、
選ばれた100本の滝。当時の環境庁と
林野庁が後援し、応募があった517の滝から選ばれた。

基本的には、素晴らしい滝が多いが、
けっこうな割合で、行政による開発と
観光客の増加により、
滝周辺の環境悪化が叫ばれている。

問題はいろいろあるものの、
やはり素晴らしいものが多い100選。

滝好きとしては、とりあえず100選を全て
巡るという目標を立てる人も多い。

コラム④ルートと難易度について

滝を目指すルートには以下の道があり、
その組み合わせで滝までいたります。

・車道:車が通れる道。
・林道:車△ 歩くのは簡単。
・遊歩道:整備された道で歩きやすい。
・山道:整備されていない道。
・沢ルート:沢登りのルート
・岩ルート:クライミングのルート

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その6 行政による開発と環境問題

A 2つの開発目的

行政の開発には主に
二つの目的があります。

1つ目は100選のところで述べた、
観光開発です。道を整備したり、
看板と建てたり、展望台を建設します。

必要以上の観光整備は
もともとの環境が
損なわれることが多いです。

行政が滝周辺を開発する
もう一つの理由が水力発電のダムや
取水目的です。

現在は、新規のダムの建設などは
あまり行われていませんが、
滝の上流で水の取水が行われ、
人間に人工的に水量をコントロールされる
哀しい滝も多々存在します。

B 白水の滝物語

岐阜県の名瀑でかつて、
華厳、那智とともに、
日本三名瀑とも称された、
白水の滝」という滝があります。

しかし、1963年に
隣の谷に大白川ダムが完成すると、
滝の上流で取水が行われ、
ダムに水が供給、滝への水量は
調節されるようになりました。

すべての水をダムにむけて取水する
冬季には滝が遮断されるので、
滝の姿を見ることができるのは、
観光用に放流する夏〜秋の間のみ
となってしまっているそうです。

コラム⑤ 遠望か直下か

滝にいくなら、断然、
直下がお勧めです。

直下というのは、滝が目の前、
3〜10メートル地点の場所のことで、
多くの場合、滝壺の前まで
行くということです。

日光の華厳の滝や、
群馬の小中大滝などは
いわゆる遠望の滝です。

直下まで行くことが、
極めてリスクを伴い危険なので、
ちょっと遠くから、眺めましょう
という滝です。

この「遠望」にも
距離にずいぶん程度があります。
わりと近めか、とてつもなく遠いか、
滝によって変わってきます。

その7 スピってる

スピリチュアル系

滝の魅力を説明する際に、
「マイナスイオン」やパワースポット
(ウォーター)、さらには、

「スピリチュアル」
などの概念を用いる人もいます。

実際滝に行って元気になったり、
力をもらえたりするのは、
そういう、「パワースポット」的な
側面があると言えるでしょう。

滝に関する基礎的な知識は、以上です。
今後も必要と思われることがあれば随時追加していきます。