風折滝
宮の谷渓谷の滝―【三重県 松阪市 飯高町 蓮】―
滝の記録
訪問日 2014年11月1日
活動の形態:中級滝巡り+α / レンタカー
感動度:異次元
①宮の谷渓谷へ
白滝の続きです。
櫛田川水系の名渓は
支流である蓮(はちす)川流域に集中しており
宮の谷はアクセスが簡単な部類です。
というのも、
途中までは遊歩道が整備されているからです。
駐車場までは狭い道が続きます。
②分岐へ
見るべき滝は2本。
Y字型のコースで、それぞれの滝は
Y字の分岐した先に位置しています。
【犬飛峡】
眺める形ですが、
いつか下からもみてみたいなと思いました。
途中のステップ。
一部のルートは崩壊しているので、
沢歩きが必要になります。
分岐まで48分でした(序盤の道迷いを含む)。
③高滝
分岐から14分で滝が見えました。
予想以上の落差で落下スピードが高速です。
スケールや水量は素晴らしい滝でしたが、
どこか冷たい雰囲気が漂い、
空間的には居心地が今ひとつでした。
④風折谷の試練
風折れ谷には即入渓。
沢登りだとわりきって
がんがん登っていきます。
左岸にロープが張られた地帯
にたどり着きました。
見つかったルートは3つ。
①かなり危険なロープ沿いでの急斜面トラバース
②沢に降りてロープ沿いの大岩を登る
③大岩の隣の蜘蛛の巣が張ってある大穴からロープ登る
一番簡単そうなのは③でしたが、
蜘蛛の巣が大きく張っていたのと、
①のルートに普通にロープが張ってあったので、
これが正規ルートではないかと思い、①を選択。
しかしこれが大失敗でした。
その先の足場は悪絶を極めており、
進んでも滑落は必至。
決死のトラバースも実らず。
戻るのも危険すぎたため、
木にまたがってハーネス・
エイト環・カラビナを緊急装備。
既存ロープもつかみながらも
後退して事なきを得ました。
結局正解は③。
蜘蛛の巣を払って大穴経由で突破しました。
⑤風折谷の試練 その2
大きく時間をロスしてしまい急ぎますが、
またも難所が姿を現しました。
3m強の角度がある滝の、
残置ロープを使っての突破です。
雨で全体的に濡れている岩。
そして滝壺というか、水たまりには
切れたロープがひたひた浮かんでいます。
察するにこの場所は
今まで複数のロープがかかってたんですが、
それが傷んで今にも切れそうな
1本だけになってしまったのです。
そのロープに、
全体重を預けて登ることの恐怖、
濡れた岩と滑るフェルト底。。
これが正規ルートかわからないこともあり、
断念しかけるも、一か八か突っ込んでみたら、
なんとか突破成功。
しばらくしてようやく滝に到達です。
⑥美しきミスト
真正面から対峙すると、
滝の線自体は細いですが、
かろやかな水の舞いが美しいです。
斜面を草を掴みながら登ると
滝直下に行くことができますが、
ここはもう異次元でした。
さらに間近へ…
体が訛っていたなかで、
到達までには苦戦を強いられました。
限界ギリギリで滝壺に辿り着いたことで、
半ば放心状態であったため、
綺麗な写真は撮ることはできませんでした。
ただ、もうしぶきの一粒一粒が輝きながら
時に風に押され、時に直で落下するさまは
本当に極上の体験価値の世界でした。
ざぶーん、
ぶっしゃーんと降り注ぐミストは
歴代最高かもしれません。
しかし、11月という日が短い時期に、
16時27分まで滝前にいてしまったので、
帰路の途中で完全に日没を迎え、
ヘッドライトでの下山になりました。
アクセス
Step1 蓮川流域へ
Step2 駐車場にたどり着く
Step3 高滝までは遊歩道・分岐から風折までは沢登り