滝いろ|下総地域の滝めぐり

活動記録

訪問日 2024年12月15日

活動の形態:お手軽滝 ~ ハイキング+α / 公共交通機関+カーシェア / 単独

装備:トレランシューズ

感動度:かなり(屏風ヶ浦)

所在地:千葉県 旭市 → 銚子市 → 東庄町

① 下総国へ

長崎の滝めぐりを実施したことで、滝を訪問したことがない都道府県は無くなったのだが、江戸時代の旧国で考えるといくつもの国を訪れていないことがわかってきた。

例えば近場の千葉県でも実はほとんどが上総国であり、安房国がわずかに訪問済みの状況。

下総はゼロ。関東平野の一部として広大で緩やかな地形のため、高低差を必要とする滝が形成されにくい環境にある。また、河川の多くが比較的穏やかな流れを保つことや、地層の特性上、岩盤が露出する場所が限られていることも、滝の少なさに繋がっているのだろう。

滝を訪れていないということは、エリア的な土地勘もなく現地に対する想像力も限定的になる。

のんびりスタートで自宅出発が9時ごろとなったが、東へ向かって進んだ。

② 龍福寺

京成成田駅へ到達し、移動途中で予約したカーシェアを活用。

下総国の滝らしきものは全てかなり東部の海に近いエリアに集中している。

旭市海上町に位置する真言宗智山派の寺院、龍福寺。九十九里の漁師や近隣の人々にとって不動信仰の中心地として厚い信仰を集めてきた寺院であり、修行の場としての滝を擁している。ここでは、2つの滝が形成されており、それぞれが独特の特徴を持つ。

大滝(左俣 7m)

左側に位置する。高さはそれほど大きくないものの、地形的に断層の影響を強く感じられる。

金剛の滝(右俣 5m)

右側に位置する。左俣とは少し距離があり、こちらも修行に適した形で整備されている。

駐車場から滝までは短い距離で到達可能だが、奥の院へ進む道は一気に森のような景観へと変わっていく。この森にはスダジイ、タブ、ヤブツバキなど多種多様な植生が広がり、湧水が豊富なことから、寒地性植物と暖地性植物が混在する貴重な自然環境を形成している。

滝そのものは地形の良さを感じさせるが、滝前には大量の小銭が散乱しており、それが人工的な印象を強め、生理的に受け付けない感覚も覚えた。修行の場として整えられた背景を考えると仕方ない部分もあるが、滝そのものを楽しむ視点ではやや残念な印象が残る。

③ 屏風ヶ浦の滝

銚子市小浜町に位置する「屏風ヶ浦の滝」(7m)は、屏風ヶ浦の断崖から湧き出す滝で、BALさんのページでその存在を知っていた。この滝を訪れるには干潮のタイミングを狙う必要があり、当日の訪問も午後の干潮時間を選んだ。

屏風ヶ浦へ向かう道は、周囲からの湧水により沢化しており、慎重な進行が求められる。

屏風ヶ浦の絶景をブロック沿いに進む

滝までのルートには一部水に濡れた箇所があり、岩のブロックも斜度がついているため、全く油断ならない。

部分的には、2級下の沢登りと近しい緊張感を感じるシーンも。

滝そのものは、屏風ヶ浦の壮大な地形と調和しており、絶景の一部としてなかなかな存在感を放っていた。日当たりを考えると午前中がベストのようではあるが、午後の干潮に合わせた今回の訪問でも十分に印象深い時間を過ごすことができた。

屏風ヶ浦全体の風景もまた、圧倒的なスケール感で訪問者を魅了する。

屏風ヶ浦の滝からは、銚子小浜風力発電所のプロペラが回っている様子を確認することができた。

この地域は海に面しており、年間を通して安定した強風が吹くことから、風力発電に適した地形となっている。エネルギー政策全般においては、海外製の太陽光パネルを大量導入することで逆に自然破壊を招いたり、資金が海外に流出してしまうような事例もあると言う。この銚子エリアの小浜風力発電所が自然環境を損なわず、よくよく運用されているならば、持続可能なエネルギー利用の好例と言えるだろう。

④ 双峰飛泉

双峰飛泉は香取郡東庄町東今泉に位置する利根川の小支沢に形成された滝。しかし、滝へのアクセスは分かりづらく、誤って少し北側のキャベツ畑の農道に入り込んでしまった。最終的には緯度経度をナビに入力し直して目的地にたどり着いた。

歩き始めると途中でハンターの方とも遭遇し、緊張感を伴う。

森や川の状態は非常に荒れており、整備されていない。

滝そのものも落差が2.5m程度と予想よりも控えめな姿だった。

さらに、森の手前から川はドブ沼状態になっており、足元の整えは必須。今回は沢靴を履いて進んだ。

さらに接近して…

めちゃめちゃ写真映えする。

滝から戻り、車で装備を解除していると、この地域で生まれ育ったという60代の地元の方に話しかけられた。その方によると、ここは地元ではちょっとした秘境とされており、僕のように外から訪れる人は過去に5人しか見たことがないという。

子供の頃はよく訪れていた場所だそうだが、過去には滝周辺に産業廃棄物を投棄されそうになったことがあり、それを阻止した経験もあるとのこと。また、この地域の川は生活排水が流れているため、滝の水は飲めないことも教えてもらった。

荒れた滝前の状況や、地元の方の話を聞く中で、この場所が持つ課題と、それでも守り続けられてきた小さな秘境としての価値を感じた。

⑤ その後、まとめ

京成成田駅周辺で渋滞が発生しており、返却時間を15分延長する形で終了。

活動を終え、京成成田駅近くの大阪王将に立ち寄る。

下総地域への理解を少し深めることができたように思う。

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