滝いろ|長崎県 千綿渓谷・諫早周辺の滝めぐり

活動記録

訪問日 2024年12月8日

活動の形態:お手軽滝 ~ ハイキング / 公共交通機関+カーシェア / 単独

装備:スニーカー

感動度:かなり~ 限りなく (龍頭泉 & 玉簾)

所在地:長崎県 長崎市 → 東彼杵町 → 大村市 →諫早市

① Last

滝めぐりを始めて16年目・・・

長崎県には縁がなく、訪問ゼロで現在に至っていた。

100選の滝がないこと、九州を一周する中でエリア的に外れていたこともあるかもしれない。

今回出張に合わせて、諫早周辺にて滝を見て回った。

江北から諫早駅間を繋いだキハ47系 (「Choo Choo 西九州 TRAIN」プロジェクト)

なお、前回で完全に故障してしまったα6500の超広角レンズを新調できている。

② 滝の観音

夜のうちに車は押さえておいて宿で宿泊。

まずは長崎市 滝の観音に向かう。

清国の商人 許登授が本堂を建立し、魚藍観音像を本尊として祀った場所とのこと。

少し引いた方が印象的な風景に見えた。

この地には中国文化が直接的に持ち込まれた影響が強いように感じます。

③ 千綿渓谷 玉簾の滝

ここからは時間もないので高速道路を活用して、東彼杵町へ。

途中潜流瀑が見えたので、崖を少し降りて撮影

まあ、確かに滝だな!というところで、川に降りずにまた車を進めていくと、いきなりでかい潜流瀑が現れて、こっちが本体であることに気づく。

緩いところから川に降りていった。

そこは絵に描いたような清流であり、滝との雰囲気のマッチングも最高に良い。

様々な色合いを見せていて、それでいて終始穏やか

少し上流には橋がかかっているが、

この風景でさえも調和していて、圧倒的な空間となっていた。

千綿に来ることがあれば、ぜひここは訪れてほしい。

④ 蓮華淵と白木淵

少しだけひらけたところから滝と淵が遠謀できたが、ここは接近を試みる。

そうすると、最初だけ急斜面だが途中で緩くなり、ゴルジュ滝の横に奇跡的なバンドがあって、通過していける。

ゴルジュ滝を上から

これは後から知ったが「蓮華淵」であり、かなりのゴルジュ感が堪能できる。

目の前には…

比較的小さな滝だが、滝壺広く美しい。白木淵である。

あまり蓮華の上と白木の前は訪れる人がいないようである。

ここは斜面のおりどこがややわかりづらく、少し一般向きではない場所だが滝屋にはおすすめできる。(岬のように少し突き出した箇所から下流側に降りていくとよい)

⑤ 霧降遊歩道と淵

霧降の滝遊歩道を進んで行ったが、全く滝が見えないまま、再び車道に上がることになり絶句する。そしたら、遠謀できたが水量が大変少なく、どうやら遊歩道途中から強引に川を渡っていくと接近もできたようである。

このタイミングでは車が通行止めとなっていたので、この辺りから龍頭泉まで徒歩で繋いでいく。

呑空淵

木葉不浮淵

⑥ 龍頭泉と中国的自然観

ここに至る岩畳がめちゃくちゃ格好いい。

他にもパッと浮かんできたのは、下ノ滝沢と万太郎の岩畳がある。

接近して

僕は12-13年前北京の滝を訪問しているが、現地にて滝横の岩盤に赤文字で滝名を記載しているのを何度も確認している。

黒竜潭

桃源仙谷と滝

滝前にある「龍頭泉」の名が金色で刻まれた岩の存在は、中国で見られる観光地としての自然の仕立て方に類似している。これは上海の闘コウロギに関する菅豊さんの論文にあるように、中国的な価値観として「自然は人間が美しく仕立てあげることでより美しくなる」というものがあると僕自身も思っている。

長崎は先に訪れた滝の観音の例のように、中国文化の影響を受けた歴史を持つため、龍頭泉もその延長線上で影響を受けたという見方もできる。一方で観光整備を行った担当者やチームの価値観、あるいはデザイン選定の過程での偶然の産物である可能性も否定はできないと思う。

⑦ 湧き水カフェ 風水庵

次の滝への足を進めるか否かで迷ったがお腹を空かせて「湧き水カフェ 風水庵」へ入る。

最初に出迎えてくれたのは、店の外でまったりしている一匹の猫だった。

小さな体を丸め、どこか人懐っこいその姿に、思わず足を止めて癒される。

店内に入ると、レトロな雰囲気が広がり、暖かみのある空間が出迎えてくれる。そこに佇む店主のおばあちゃんと少し話をすると、驚きの話を伺うことができた。


東京・北千住で飲食店を営んでいたが、7-8年前にこの東彼杵の地に移住してきたという。そしてその飲食店は、今や息子さんが引き継ぎ、店舗も増えて発展中だとか。

移住してここで穏やかに暮らしながら、遠く離れた東京で自分の仕事が広がっていく様子を見守る。それはなんだか、一本の滝が生まれる源流を静かに眺めているような、不思議な気分にさせられる話だった。

店内では、長崎市から訪れていた夫婦と自然な流れで同席することになり、4人で和やかな時間を過ごした。こうした偶然の交流もまた、この場所が持つ引力の一つなのかもしれない。

外を見れば、窓越しに蓮華淵が美しく広がる。

家庭的なお味噌汁が体をほっこり癒してくれる感覚も心地よかった。

またサービスでいただいた過去最大級に濃厚なジンジャーエールが衝撃的だった。口に含んだ瞬間、そのスパイス感と濃厚さに思わず唸ってしまう。

普段の滝めぐりでは、訪問数を重視して慌ただしく動き回ることもあるだろう。しかし、成果を追い求めるだけではなく、その道中の過ごし方そのものに価値があるように思う。

訪問数を増やしても、道中が忙しなく、何かに追われているようでは本末転倒。そんな気づきを与えてくれたこの時間は、ただの休憩ではなく、「気付きの滝」だったのかもしれない。

株式会社明珠:café わかば堂 北千住、café わかば堂 柏の葉、あさり食堂、古民家酒場 萌蔵 など

⑧ 東彼杵 河川公園やすらぎの里

その後、東彼杵町 河川公園やすらぎの里へ向かう。

公園に足を踏み入れると、地元の家族たちが遊具で遊ぶ姿が目に映った。

遊具のあるエリアを抜けて少し進むと、滝が姿を現す。

思っていた以上に立派な滝で、その迫力には思わず足を止めて見入ってしまう。

水しぶきがほんの少し風に乗って届くのも心地よい。

滝前の岩場を渡って行き、対岸からも眺めた後、対岸の芝生に寝転がることにした。

これがまた、ここならではの稀有な体験。滝の姿を遠くに感じながら、広い空を仰ぐ。

この瞬間のなんと安定感のあること。滝の力強さと空の広がりを見て、ただ寝転がるだけで全身がリラックスしていくのを感じた。普段の忙しさを忘れ、ただそこにいるだけで満たされる感覚。

⑨ 裏見の滝

大村市まで南下して、裏見の滝への接近を試みる。

駐車場から滝前までの道のりは、想像以上に高低差があり、それなりのハイキングになる。

滝に辿り着くと、水量は控えめで物寂しい佇まい。

しかし、滝に釣り下がるように見える岩なのか、それとも何か別の物体なのか、正体がわからない謎が気になり、もやもやが残った。

⑩ 山田の滝

山田の滝は、河原に降り立った瞬間からその魅力が始まる。

美しい岩主体のルート

自然の岩が絶妙な配置で並び、滝前まで一続きのルートを繋いでいる。

その構成は、自然が作り上げた奇跡のように感じた。

初心者でも、特に運動神経に自信がない人でも、アドベンチャー気分を楽しみながら滝に近づくことができるんじゃないかと思う。

滝本体は迫力があり、見応え十分。

※ 雰囲気としては和歌山の八草の滝周辺や古座川源流に近しいものを感じた

⑪ 日岳公園

この後、諫早に戻るにあたって、日岳公園に立ち寄りあたりを見渡した。

なお公園に至る道中異常に狭い道を選択してしまい、大変な思いをした。

まとめ

今回は、初の長崎での滝めぐりを計画し、諫早を拠点に多彩な滝を見て回った。

千綿渓谷の澄んだ流れや、山田の滝の岩の配置、風水庵での出来事など、訪れる場所ごとの魅力、また中国的な自然観が長崎に与えている影響から自然と文化が交差する奥深さを感じることができた。滝めぐりの中ではその過程を楽しむことを継続して行きたい。帰りは武雄温泉経由で博多まで繋いで行った。

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