訪問日 2025年10月4日
活動の形態:1級上沢登り-α / 公共交通機関 / 単独
装備:フェルト足袋(渓流) / 8.0 × 20m × 1
感動度:けっこう (夫婦)
所在地:東京都 西多摩郡 檜原村
① 秋の檜原へ
苗場の活動の後には外岩ボルダリングや、
お手軽滝の訪問は行っていたが、1週空いてこの日に至った。
北秋川方面は払沢の滝を越えて進むバスの数が少ないので、
確実に8:40 武蔵五日市発に乗る必要がある。
少し朝ぱらついていたが、下川バス停に着くと気にならなくなっていた。
歩道を辿って南秋川本流に降り立つと、ちょうど湯久保沢の出合が見える。

近くにはイエズス会の神冥窟あり。
② 渋すぎる湯久保下流部

緑のもこもこ岩 (凝灰質砂岩)

倒木を越えたら平坦な流れ (393m)
今回からフェルト足袋として初めてキャラバンの渓流を履いてみたが、保温力がカモシカより高いようで、足がほてって少し困る。

赤茶混じりのもこもこ岩 (砂岩系)

意図せぬスローがブレないことがある

一番の倒木帯 (418m)

マンネンタケの仲間か?
倒木帯の中には謎きのこ、マンネンタケの仲間っぽい様子。漢方にもなりうるようだ。
そしてここは左岸にかなり高くから崩落が見られ、そこの木がまとまってこの地に集積していた。

隠れ小滝 1m (伏流 & 右に隠れる)

ユキノシタの群生と思われる
隠れ小滝は正面に水流が確認できず、伏流&右側の埋まった場所から流れているようで、少し特殊な形状の小滝だ。このように渋すぎる風景が連続する、篤志家好みの渓相が味わえる。
③ 小滝始まる

整った1.5m斜瀑

上のスライダー滝近くの泥岩・シルト岩系

赤みが強い泥岩系

ワルい顔をした湯久保ブン太
この辺り魚影も確認した。

滝的な流れ

倒木が味わいを出していた2条1m滝

横から近づいていく

ブレブレの3条2m (470m)

斜瀑を上から振り返る

ボルダーができそうな岩に接近
④ 湯久保の赤ゴルジュ

赤茶けたゴルジュ CS50cm

view

屈曲部にかかる2段3m滝

振り返ると顕著な赤ゴルジュが見える
小規模だがなかなか特徴的な景観と色を見せる湯久保谷。
5mCSに至る。

ここは淵奥で目の前の岩盤は両サイドともに発達しており、なかなかの風景。

確実にかなり濡れるところなので右から巻いたが、斜面が崩れるので慎重に動いた。

横から

上から
その後しばらく進むと名瀑に至る。
⑤ 夫婦の滝からの移動

夫婦滝は撮影した写真を振り返るとそう大きくないように感じるが、12~3mほどの大きさで荘厳さも感じた。檜原村の一般的な滝めぐりの中では、上級コースに当たる。

ちょうどこの上で沢が2つに分かれており、流れが違う夫婦滝となっている。
少しゆっくりと時を過ごして、トラバース道経由で湯久保沢を後にした。(この上も滝は続いていく)

集落の道路

この後コンクリが強く出る
道路に至った後は、地形図を頼りに南の北秋川沿いの道に降りれる道を探したが、民家に導かれて少し迷う。バイクが通れそうなコンクリ舗装された道を発見し、これで高速下山して一気に北秋川沿いに。12時前に降りることができた。
その後、シンナソー出合まで道を歩くことになるが、愛犬をたくさん連れてる方々と通り過ぎ、また不思議な藤倉ドームも目にした。(屋内運動施設で、普段はゲートボールや消防訓練等に活用されているとのこと:リンク)

藤倉ドーム

シンナソー出合
⑥ シンナソーをゆく
入渓からしばらくは水道ホースが滝沿いにあったりして、またやや荒れていて、渓相は微妙だが連瀑としてあって、変化が多いところ。入渓早々、今日の道中でボールナッツを紛失したことに気づく…

8m級の滝

7m級の滝
これらは比較的大きめの2本。
このあたりで至近距離でカワガラスを視認できた。

スケッチ

7m滝にて

珪長質の脈
7m滝は少し場が良かったので、撮影したりして時間を使った。ここも水線を越えられる。

黒い砂岩の5m滝は左から

ホールドはしっかりある

2連の滝の4mパート

ちょろ滝
⑦ 3段滝を経て、南へ

3段15m滝に臨む

ノーロープで突破 (III- ~III)
快適に登れた。
この後いくつかの滝をこなしていく。途中に支流は少なく、水量も大きくは減っていない水路のような沢だと感じる。
まだ通常の遡行記録だと先に進むが、右岸から強引に50mほど標高を上げて脱渓を図った。ある程度足の力があるものにとっては、直線距離で一気に標高を上げたほうが早く移動できることは科学的にも論文になっているようだ。

大きな大きなカラカサタケ

浅間尾根の猿岩
南秋川方面に下山をする理由は、バスの数が全然違うのと、数馬の湯があるため。
そして、道中のナイスなお茶屋に立ち寄って食事をとることにする。

浅間坂 木庵

雰囲気の良い店内だ
おすすめのご飯セットを選択。

地域のお野菜の天ぷらや、こんにゃくやとろろなど大変美味で、体に良いお食事だった。
実はここにもお風呂はあるのだが、今回はなんとなく数馬の湯まで行って、前回の扁盃と繋げたかったので、お食事のみで後にする。すぐに南秋川沿いの道に出て、龍神の滝には寄らずに湯へ。
17:22 発まで時間にゆとりもあったので、のんびりと過ごして体の疲れを大いにとった。


武蔵五日市からのんびりと戻った。
⑧ まとめ
湯久保沢はもう少し上までいけるかなとも考えていたが、意外と時間がかかった。ただ、ルート的には今回の夫婦の滝の前からの移動が効率的だったように思う。難所はほとんどなく数馬の湯へのバリエーションルートとしておすすめ。
何気ない風景の中でもアンテナがあれば発見や癒しが得られる。
滝を通じた自然体験、アクティブレストにおいて、改めて檜原村は非常に素晴らしいフィールドだと思う。