奥多摩 唐松谷の滝
唐松谷の滝【東京都 西多摩郡 奥多摩町 日原】
SUMMARY
6年前の春、豪雪に阻まれた唐松谷。その日は出会いがあり、今に繋がっている。
そして今回、ご連絡を頂いた中村さんと増水の唐松に挑んだ。奥多摩では見たことのないほど赤い谷。滝いろ運営体制への誤解とは?ご縁が紡がれる唐松谷の物語。
滝の記録
訪問日 2020年7月5日
活動の形態:2級+α (2人) / 車
装備:8mm×30m(2本), 沢タビ
感動度:けっこう~かなり (大滝)
①流れ
価値観であったり、現時点での状況。そして、タイミング。
いろいろなことが噛み合わさって活動に至った。
天気から、奥秩父ではなく奥多摩を選択。
調べてみると、日原の街道は復活している。
4年前の巳ノ戸谷以降向かえていなかった、八丁橋より奥の世界へ再び足を踏み入れる。
中村さんとは調布で落ち合い、奥多摩へ向かう。
②キセキレイと準備
日原林道では黄色い鳥を目撃。
スマホではぶれてしまった。(帰宅後 キセキレイ オスだと判明)
八丁橋では装備をしている時に、大量のスリングカラビナ類を拝見。
その40%程度を選定して、歩き始める。
中村さんは遅咲きだが、去年から情熱が溢れてきて、継続的な活動で体を鍛えてこられた。
林道は所々、以前は絶対に認識していない、滝が右岸も左岸も落ちてきている。
左岸林道沿い 20m段瀑
かなり歩いて登山道に入ってしばらくで、日原川本流へ向かう。
③日原川本流にて
ここでバックアップ懸垂の練習。
何回かロープを出して、降り立つと、
物凄い水量の日原川が牙をむく。
一箇所どうしようもなくて、左岸巻きに入る。
10段階中8の悪さの泥付き斜面を問題なく登っていかれていた。。。
その後、トラバースで、登山道に合流。
唐松谷出会いへと進む。
④増水の唐松
やはり、増水しており、緊張の幕開け。
最初の3m滝
ミソサザイがいたが、撮影には失敗。
僕のTG-5はズームすると、赤い円が出てきておかしくなってしまう。
右岸より小さく巻く。
3mナメ滝
流れをゆく
赤色チャートが目立つ。
2条4mナメ滝
ちょっとした小滝、渓流でも、難易度が倍化していて、トレーニングになる。
両岸が狭まった素晴らしい場所。
ここを越えると、野陣の滝。
⑤野陣 下段
野陣の滝は、段瀑で奥に深い。
右岸の岩棚が印象的。
水量が多いとスローシャッターは水のマシュマロと化してしまう。
中遠望が捉える。
たぶん登れないとは思ったが、いちよう、確認のため接近すると、、、
下段上部がありえない水圧で叩きつけてきて、とても突破不能。
段を下って左岸巻きに入る。
⑤野陣 2~3段目
ここは小さく巻くと、雨で泥壁と化した箇所が異様に悪い。
バイルを駆使して突破。
ロープ+スリングを17m弱フィックスして野陣の滝の2段目に到達した。
ここは滝の真ん中に挟まれて、多少広さもある。
登り返して高巻き。
⑥野陣 最上段
短く辿ると、
下からは見えなかった野陣の滝-最上段と呼べるような箇所があった。しかし、昇るために右岸に行くには、激流の渡渉が必要。
いや、渡渉は実際は無理でジャンプが必要。ここは、戻れば巻くこともできる。
今回は左岸に支点をとって、確保してもらい、ジャンプ一発!
着地時に軽く右膝を打ってしまう。
こちらでも支点を作って、物をロープを通してやり取り。
躊躇される距離と激流。
中村さんには確保の上、空身でジャンプしてもらった。
結果、2人とも難所を越えることに成功。
⑦奥多摩の深さ
赤色チャートが目立つ滝。
ゴーロの中の良かった滝。
奥多摩というのは、まだ日本の大地が大陸にくっついていた2億年近く前に遠洋の海溝で形成された大地。
このチャート類は混じり気の少ない放散虫が堆積されたことで、特別堅い岩石となっているとのこと。
だから、例えば1700万年前に南の海で誕生した丹沢山地とは、単純に大地としての歴史が10倍は長い。
それだけ太古の地球に、触れられる土地と言えるだろう。
⑧一瞬の光線
大滝に着いてから40秒程度光線が差し込んでいて、その光線が滝の飛沫と重なり合い、究極の美を描いていた。
カメラを出した瞬間に光線は消失。
ここもチャートあり。
滝壺は凄く深い。
中村さんは、地球の鼓動を感じられていた。
この場でゆっくりとした時間を過ごす。
⑨女性管理人の疑い
左岸から登山道に突き上げて下山に舵を切る。
距離も短かったのですぐに橋へ。
橋を渡って、林道へ。
江戸切子という人物は、ホームページの管理人を任されている女性で、活動している人物と別人なのではないか。
中村さんは、そう勘違いをされていたようです。
そんな誤解があり得るのか?衝撃的でしたが、そんなことはないのでよろしくお願いします。
車へと帰還。
完!!
⑩ソフトシェルの補修
今回、取り組みとして、ジャケットを補修して臨みました。
物はマーモットのコモドジャケット。
ボロボロに穴が空き、国内代理店のデサント社からも、間接的に修理不可との回答を頂いている。
これをナイロン補修テープ(ベージュ)を用いて、20箇所近く止めて、活動後洗濯までしたところ、1つも剥がれていなかった。
2個所ほど周辺が糸状に少しほつれていたが、全然使えます。
金額も安いので、オススメです。
⑪まとめ
POINT
① 普段から水量が多いようで鍛えらえれる。様々なロープトレが行える。
② 景観の良い谷。大滝はとりわけ良い滝前。無理しない分にはおすすめ。
③ 何故かご縁が紡がれる唐松谷。
距離:13.7km / 累計標高差:2356m
豪雨の被害がこれ以上増さないことを願っています。