雪山登山から得られる視野と滝戦略
滝を見なくてもいいのか
2017年は滝仲間の先輩に同行させて頂き、
雪山登山を経験できました。
僕も滝を始めてから8年間。
滝を見ないアウトドア活動なんて、
時間の無駄だと考えていました。
ありえへんと考えていました。
ふとしたきっかけから体験した雪山登山でしたが、
得られるものが大きかったので、
シェアしたいと思います。
①山屋の視座
これは雪山だけに限らないんですが、
2回の雪山経験で、開けた場所から
遠くのアルプスや関東の山々を見渡す
という経験をしました。
今までも、中津川のあとや、
井戸沢の後に稜線を楽しみましたが、
視界の開け方が違ったものでした。
ようはこうした景色というのは、
直接的には、滝が見えていなくても、
あの部分は御嶽山だから、あの辺に、○○滝が…
と妄想を広げることができ、
この妄想も捉え方によっては、
滝の超遠望と考えることもできます。
遠望と直下、両方を体験した滝は、
その滝を思い起こすと、どちらの魅力も浮かんできて、
より魅力的な度合いが高く感じられることがあります。
仮に滝に行かなくても、
山域全般を見通す経験そのものが、
今まで訪れた&今後訪れる滝々に対して、
新しい価値を付加してくれます。
②極寒体験からのウェア選択意識
雪山は想像を絶する寒さでした。
もちろんそれなりに、備えて、
過去にも氷瀑にも多少は行っていたんですが、
特に山頂で停止時の寒さには、
あまりの苦しさに吐き気を催しました。
通常の滝巡りなら
ある程度は適当に、最低限気をつければ、
(汗冷・ヒルなど)問題ないんですが、
ウェア選択のミスが、
居心地を極めて強く左右し、
時に命にも影響する雪山登山を経験すると、
「ちゃんとウェアを選ぼうとする意識」
が生まれます。
具体的には、
A:体に直に触れる
ベースレイヤーをこだわること。
B:行動時と、停止時で
ダブルシステムにすること。
(賛否両論あるもダウンも停止時の選択としてはあり)
C:風を防ぐレインウェアを活用すること。
モンベルのサンダーパス(パンツ)は、
抜群の効果を発揮し、雨天時の滝巡りでも活躍。
そのほかのシステム面では、
・極寒用の手袋を用意しておくこと
・コンロ系であったかな麺を食えるようにすること
・雪場に座って休憩する時のために断熱マットを用意
モンベル マット(空気で膨らませるタイプ)
などのことを学ばせていただきました。
③影と光の物語
雪山登山ではサングラスが必需品です。
ウィンタースポーツの人たちには、
常識中の常識ではありますが、
白い世界なので、太陽光が反射しまくり、
ないと目の火傷を起こしてしまいます。
もちろん、樹林の中を進むシーンもありますが、
天気が悪い日の雪山は危険すぎるので、
必然的に晴れて、白い光の世界が中心となります。
一方、滝屋のフィールド「氷瀑」は、
光が当たって照らされ続けられると、
溶けてしまうこともあるので
もともと日が当たりにくい滝が多かったり、
氷瀑の前も、稜線と比べたら断然、
開けていない状況となっています。
冬の影の世界も楽しいのですが、
冬の光の世界もまた楽しい。
それが氷瀑ではなく、
雪山登山で味わえるもう1つの冬の物語です。
(この視点はパンダさんに教わりました)
④壁を超えるためのエッセンス
2回の雪山登山は、
それほど難コースではなかったので、
体力的には十分対応できました。
また、勢いで6万近くする
AKUのモンターニャGTXを買ってしまったので、
それを回収する意味でも突っ込んだ側面はあります。
冒頭の問いかけですが、
滝を見たいか見たくないかと言ったら、
やはり「見たい」わけです
ただしかし、
たとえ滝を見れなかったとしても、
雪山登山と滝の関連性は高く、
体験できる世界も上質で、得られるものも多い。
つまり、アウトドアなのに、
滝が見れないというデメリットを
メリット側が上回ってくるという心理状態となります。
滝巡りは情熱が大切なんですが、
ある一定の水準を超えると、情熱だけでは
越えられないいくつもの壁が訪れます。
体力・技術・道具選択を中心にしながらも、
それだけではない、
広い世界を見渡す視野だったり、
それら多くのエッセンスが、
雪山登山には詰まっていました。
⑤ちなみに
デビュー戦のフィールドは、
北八ヶ岳の北横岳でした。
2戦目は瑞牆山でした。
それぞれの個別レポに関してはまた、
どこかのページで書くか、追記したいと思います。