中津川の滝
神楽滝 熊落滝 朱滝 【福島県 耶麻郡 北塩原村 桧原】
コメント
今回のこの沢での活動について、
どういう角度から書き始めたら良いのか、
どのようなバランス配分にしたらいいのか、
まったく纏まらないまま、筆は進み始めた。
中津川には
素晴らしい滝々が流れ落ちていて、
それらを1泊2日で駆け抜けた活動といえば活動。
ただそれは生半可なものではなく、
気力・体力・腕力・脚力・技術・知恵・・・
それら持てる力の150%を出し尽くしてもなお、
中津川は僕に牙を向け続けた。
日本百名谷の1本、
3級上、中津川渓谷への挑戦。
滝の記録
訪問日 2016年7月1~2日
活動の形態:上級滝巡り&沢登り(単独)/レンタ
装備:沢タビ, 8mm30m×1, 泊装備
感動度(神楽&朱):かなり~限りなく
①中津川レストハウス
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_rest.jpg)
高速道路は意外と近くまで伸びています。
降りてからしばらく休憩をとって、
中津川レストハウスに到着。
ここで準備を開始しますが、
泊まりということもあって
やはりとんでもない分量。
次までに軽量化を図ります。
ずしっと背負って渓谷へと向かう。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_gotsu.jpg)
すぐにこのようなごつごつした
河原にたどり着き、さっそく遡行開始します。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_A.jpg)
とても綺麗で美しい滑床が続き、
南東北の沢にやって来たんだな
と嬉しい気分に。
しかし、序盤には難関箇所が待っています。
果たして自分に突破できるんだろうか、
徐々に緊張感が高まっていきました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_B.jpg)
②U字の谷 白滑八丁
沢の中央の釜が深くなり、
左からのへつりが必要になりました。
先に見えるのが白滑八丁の入口です。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_mae.jpg)
ここは泳げば突破できると思います。
けれど、明らかに足がつかない水深で、
どうしても落ちたくありません。
それでもって足の置き場が足りない右岸。
途中足は攣りそうになり、
「落ちる!!!!!!」と
何度も心で叫びながらも、
ほぼないスタンスをつないで、
ぎりぎり突破できました。
振り返った核心部↓↓
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_back.jpg)
白滑八丁は入口にたどり着くことすら、
一筋縄ではいきませんでした。
ここで一安心。
30分以上もかかりました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_mitsugama_A.jpg)
三ツ釜の滝(仮称)
ここは微妙な傾斜を右から直上しますが、
先ほどが悪すぎたため、精神状態が
異常に突入していて問題なく突破しました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_naka_A.jpg)
一度残置ロープ頼りに
5~10mほど左岸を巻き気味に突破しますが、
その後は少し落ち着いてきました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_naka_B.jpg)
U字谷を闊歩しながら、
先ほどの悪場を思い出し、
いやあよく超えたもんだとか思ってました。
しかしこの後徐々に中央の釜は水深を増し、
両岸の傾斜は増し、
かなりえげつないトラバースが始まります。
左岸沿いを進んでいきましたが、
難所を切り抜けて行き、行き着いたのが
1.5m程度の滝でした。
下の写真の右手側に
真ん中につっぱりでた箇所がありますが、
右からこの傾斜を越えるのはあり得ないので、
あそこで対岸にジャンプしようとしました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_1.5m_A.jpg)
いや、ジャンプしました。
そしたら、あれえという感じで、
跳べると思った距離が跳べず、
まず左足が水中に落ち、
左の頬が対岸にぶつかり強打しました。
痛い!!そして溺れる!!死ぬ!!
ジャンプしたスタート地点でなんとか上がれて
一旦左岸を引き返し。
泊まりの時はジャンプの飛距離は
30cmは落ちると見たほうがよいと知りました。
ここにくるまでも
相当無茶してやって来たので、
前に戻るのも相当大変。
というかこのU字谷を高巻くのは不可能だ。
そしてもう一度ジャンプ場に戻って今度は、
ジャンプせずに普通に降りて
対岸にしがみつこうと決意。
そしてやってみたら、
右岸の該当の箇所が外傾していて全くつかめず、
溺れそうになって、命からがら再度浮上。
もうダメだ。
かなり戻ってからの高巻きしかない。
けれど、戻るための左岸移動も高度感を伴い、
心が折れそうになります。
ここはハンマー投げか???
いや、ハンマーが滝を越えて
ザイルで繋がっても、
水線状に激流を越えなければならず、
明らかに不可能。
しかし手前でふと右岸を見ると、
胸までつかって渡渉すれば
対岸に渡れることに気が付きます。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_1.5m_B.jpg)
なるほど、距離は長いが、
右岸から12~3mを越えれば良いのだ。
早速開始。
最初は軽快に進みますが、
途中から平行線で辿れず、
上へ上へ押し上げられます。
と、同時にスタンスがもろになくなって、
絶望的な様相を呈してきました。
まだ、滝の手前だ。
絶対に落ちれない。
微妙なスタンスは続き、
行き止まった場所で足は痙攣を開始。
押し上げられてもほんの少しでも、
上流側に進むしかない。
落ち口に差し掛かったその時、
あああああああ。。。
ついに落ちる自分。
わずかな意志は体を動かす。
落ちた場所は、
ほんのわずか落ち口の上でした。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shiraname8_1.5m_ue.jpg)
たった1.5mの滝
たった数mの距離、それでも天国と地獄の境目。
抜けられたこと・生きていること
ありったけの声でこのU字谷で吠えました。
③魚止丿滝とゴルジュ帯
こうして始まった中津川渓谷の遡行。
初っ端から異次元な難易度で、
メンタルが磨耗し、
足が崩壊しそうでしたが、
それでもなんでも
難所の白滑八丁を超えたわけであります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_C.jpg)
よくよく調べてみたら、
この後出てくる取水堰堤の上までは
道があるらしく、上流の滝群だけなら、
白滑八丁スルーできたっぽいです笑
笑えるけど笑えない。。。
【魚止めの滝 15m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Uodome_A.jpg)
魚止めの滝は普通に名瀑。
落ち口がクロス状になっているのが特徴で
滝壺の広さ、雰囲気の良さなど、
一級のものがありました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_gorge_A.jpg)
左岸高巻きで越えた先には
魅力的なゴルジュ帯がありました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_K.jpg)
下の4m滝はたしか
結構スリリングな登攀が必要でした。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_4m_A.jpg)
左からバンドにのっかり、
ホールドを掴んで滝壺の側壁をトラバース。
たぶんこの滝のはずですが
写真的には全くわかりません。。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_shusui.jpg)
取水堰堤があるのでこれを越えていきます。
④銚子口から第二ゴルジュへ
取水堰堤の先で少し休みました。
穏やかな河原帯が広がる場所です。
しかしこの先、僕を待ち受けるは、
中津川渓谷、第二ゴルジュ。
どこまでが第二ゴルジュかは
よくわからなかったですが、
そのスタートは下の、銚子口になります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_choushiguchi_A.jpg)
落差は1mの可愛い感じの滝ですが、
滝壺は広大で、色も美しく、
泳げるような場所です。
右からへつっていき、落ち口を越えました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_choushiguchi_B.jpg)
この銚子口のすぐ上は
これまた微妙な登攀を要求され、
懸垂下降をした記憶があります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_D.jpg)
こういう綺麗なところもありつつ、
下の連瀑に突入します。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_renbaku_A.jpg)
基本右からへつる感じで突破します。
見た目ほどは難しくなかったです。
振り返った流れ↓↓
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_renbaku_back.jpg)
この大釜を持つ5m滝は
右から普通に登った気がします。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Ogama5m_A.jpg)
この後谷は狭まり、
腰上・胸までの渡渉で抜けていきます。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_L.jpg)
観音滝の手前ですが、
対岸に行くためには泳ぐしかありません。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Kannon_mae.jpg)
岸を思いっきり蹴ったら、
いい感じで泳げました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Kannon_oyogi.jpg)
【観音滝 20m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_kannon_C.jpg)
ようやく見れた、2本目の立派な滝!
この滝も広い滝壺を従え、
実に良い滝空間を備えていました。
⑤早めに休息
観音滝も左岸を高巻きます
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_2j2m_A.jpg)
2条の美瀑がかかっていたり・・・
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_2dan5m_A.jpg)
2段の小滝も良い雰囲気で落ちています。
ここは泳いだほうがよいと思います。
泳ぎを嫌って、
左の壁を見たら残置ロープがありました。
しかし、残置ロープにたどり着くまでには、
足場のかなりないクライミングが必要で、
下にはかなり深い釜が待ち受けています。
たぶんIII+くらいはあった、
神経をすり減らすようなクライミングの末、
残置ロープの手繰りよせに成功!
ごぼうで登って越えました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_2jOgama_kotaki.jpg)
この滝は左から小さく越えます。
所々、支流も落ちています。
白滑八丁の異常な空間、
身をすり減らす微妙な登攀、
胸までの渡渉や泳ぎ等、
過去の限界を1日で
十何回突き破ったんだ?という疲労の中、
もはやこれ以上進む気になれず、
広めの河原を宿としました。
ウインナーとおでんを食しました。
二度目の沢泊ですが、
寝袋とマットが濡れてなくて快適でした。
ただ、衝撃は大きく、
生きて帰りたいということ
予定より大幅に遅れていて、
とにかく朝の出発時間と
全体的なペース配分が命ということ、
翌日の核心部のイメトレを
何度も何度も繰り返しながら、
眠りに落ちていきました。
【1日目 タイム 行動時間 9時間20分】
7:18 駐車場発
7:27 入渓
7:55 白滑八丁入口近く
8:28 白滑八丁入口到達
9:10 白滑八丁核心部着
9:57 最後のアプローチ開始
10:03 核心部突破
11:09 魚止めの滝
12:40 取水堰堤
13:22 銚子口
13:51 連瀑
14:36 観音滝
15:10 2段5m滝
16:40頃 幕営地着 行動終了
⑥二日目、始動 滝々との出合
早めに寝たので睡眠は十分。
けれど夜明けの沢はちょっと怖く、
4時20分頃ツェルトを出て起床。
朝ごはんはちょっと少なめに食べました。
ツェルトなどの片付けも有り
行動開始は5時10分になりました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_2ndday.jpg)
しばらくはゴーロ帯。
といっても単調ではなく、
いくつもの色を見せるゴーロ帯でした。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_E.jpg)
緑の色付きも映えるあたり
恐竜はここにいたんだろうか・・・
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_G.jpg)
しばらく行くと、
左岸から権現沢が豊富な水量で合流。
見えるは、権現滝です。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_gongen_A.jpg)
こんな過酷な沢登りをしていないければ、
普通に近づいて、
しっかり観賞するであろう滝です。
ここはさっとおわかれして、神楽滝へ。
【神楽滝 40m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kagura_B.jpg)
珍しく、かっこ良い滝名に恥じない、
勇ましさと秘境感を漂わせている神楽滝。
アクセスが悪すぎるのが玉にキズです。
友達の誰にも紹介できません。。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kagura_C.jpg)
大好きな濁河川の
根尾の滝にも似てるなと感じました。
今回のコース中の、
3大大高巻きの1本がこの滝です。
左岸からですが、
歩きやすいほうにいき続けると
権現沢のほうに近づいてしまい途中で方向転換。
そんなに難しくないはずが、
40分近い高巻きになってしまいました。
かっこ良い、神楽滝の落ち口↓↓
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kagura_ochiguchi_A.jpg)
すぐに夫婦滝が現れます。
規模は7~8mでそこそこ雰囲気があります。
滝の左も登れそうでしたが、
より左に残置ロープがあったので
無理せず利用しました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Meoto_A.jpg)
そしてその直後にこの滝が。
【静滝 12m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Shizuka_A.jpg)
静滝は流れがまずもって美しく、
さらさらで滝名通り静かな空間です。
どちらかといえば、萎縮しがちな中津川の滝々の中で、
本当に癒やされたのはこの滝でした。
直登する人が多いようですが、
実力的に無理なので右から高巻きします。
小ルンゼを登って尾根に移りますが、
けっこう疲れるルートでした。
高巻き途中に支流から水を汲みました。
そして・・・
【熊落滝 15m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kumaochi_A.jpg)
今回楽しみにしていた1本、熊落滝です。
側壁の高さは滝の3倍くらい。
とんでもない地形に滝が落ちています。
呆然と滝を眺めて休憩した後、
高巻きに入ります。
⑦熊落滝大高巻きからの朱滝
左岸からですが、
岩壁が高くまで伸びるので、
けっこう戻ってから岩壁の上まで
つきあげることになります。
尾根を登った後、
途中から小沢を登って行きました。
上流側にトラバースを繰り返します。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kumaochi_maki_A.jpg)
ここからは出来る限り小さく
ルート取りしながらも、
けして滑落はしない箇所を攻めました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kumaochi_maki_B.jpg)
熊落滝は超えたと判断できた後、
下降地点か??と思う箇所はありましたが、
下まで降りきれるか確信がもてずさらに高巻きました。
するとなんと、熊落滝の上の謎の大滝の上に、
懸垂下降もなしに降りることができました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kumaochi_ue_ochiguchi_A.jpg)
記録では誰もが懸垂で降りているようなので、
拍子抜けでしたが、逆に熊落滝の
上に懸垂で降りたら、
この落ち口の下の
謎の大滝を越えなければいけないわけで、
それこそあり得ない、
危険な選択肢だと思うので、
今回のルートどりは良かったと思います。
(80分近くかかりましたが・・・)
後日調べてみたところ、
この謎の大滝は「不忘滝」と言い、
落差40mを誇るそうです。
さらに今までの遡行者も基本、
不忘滝はセットで巻いており、
さらに高めに巻いたために、
懸垂が必要だったようで、
僕のルートは結果的に最高だったようです。
次の5m滝は右から直上しました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_5m_A.jpg)
魅力的な支流の先の筋滝
(滝壺で2本の支流がさらに合流)は
これまた多くのパーティが直登する箇所でした。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Suji_siryu_A.jpg)
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Suji_A.jpg)
僕も一旦はとりついてみましたが、
核心部は難しく、高巻くことにしました。
多くの人が高まかない分、
ルートは悪く、大変でしたが、
次の泳ぎが必要な滝も合わせてセットで巻きました。
次の滝は空身で越えた後、
カラビナで連結したザックを
お助け紐で荷揚げしました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_2j3m_A.jpg)
ひっかかってかなり大変な釣り上げで、
お助け紐も切れそうだったので、
次回からはやり方を変えようと思います。
右腕は半分終わってしまい、
徐々に赤茶けてくる河原を進んでいきます。
【朱滝 60m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Aka_B.jpg)
ついに朱滝です!!
その落差、雰囲気、沢の中の位置から
中津川の盟主として君臨しています。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Aka_D.jpg)
この時の僕には
滝を十分に楽しむ余力もなければ、
朱滝の魅力を感じ取る感覚の鋭敏さも
ありませんでした。
ただ、満身創痍の状態で大きく、
カラフルな滝と対峙している。
滝見の質をあげるために、
あちこち動きまわったりして
などのエネルギー消費は、
この後の行程を考えたらできないことです。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Aka_A.jpg)
制限のある滝見でしたが
自分の生きたいんだという気持ちを
再確認させてくれるものにはなりました。
朱滝が素晴らしかったことは、
間違いありません。
⑧巻いて詰める
朱滝高巻きは、
けっこう戻ってから
キツめの傾斜にとりつきました。
足場が悪く体力が奪われます。
しばらくのぼったら右手に
もっと登りやすそうな尾根がありました。。
ここからさらに高度を上げながら
上流へ道を切り開いていきます。
所々、道か??
と思うような箇所がありますが、
けっきょくどれも道ではなく、
歩きやすいところを選びながら進みます。
無事、懸垂無しで越えられましたが、
55分ぐらいかかりました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_Aka_ochiguchi.jpg)
小滝はたまに出てきますが、
もう難所はなくなります。
赤茶けた河原、ヤケ丿ママは
どこだかわかりづらかったです。
それらしきところで休憩し、
詰めに向かいますが、時間的に
かなり切羽詰まってきていました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_H.jpg)
面白い斜面
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_I.jpg)
支流との合流。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_river_J.jpg)
決定的な二俣で、
北に伸びる右を最初選択しましたが、
よくよく考えたら本流は西へ伸びるほうで、
ぎりぎりのところで引き返して、西へ。
ここからもかなり長く、
重すぎる荷物で肩が痛過ぎでしたが、
「進むしかない」と言い聞かせて前へ。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_genryu.jpg)
ついに稜線が開けてきて、
嬉しい気分になりますが、
過去最悪の藪漕ぎが待っていて、
ヤブを越えるのは心折れそうでした。
そしてついに・・・
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nakatsugawa_end.jpg)
登山道発見!!!!!!
この時時刻は15時30分になっていました。
⑨下山
沢靴の履き替えなどで出発は15分後。
この後南へ道を進み、
⇒梵天岩⇒西大巓⇒グランデスキー場上
へと向かいます。
【梵天岩 2004m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Bonteniwa_A.jpg)
【西大巓 1982m】
![](../wp-content/uploads/2023/10/Nishidaiten_A.jpg)
この辺りはブヨっぽい虫が多く、
けっこう襲撃を受けました。
西大巓で電波が開通。
スキー場上から下に降りる、
ゴンドラ時間を調べた所、
16時までで既に終了していることを知ります。
西大巓と梵天岩途中の
西吾妻小屋で泊まるべきか迷いましたが、
今夜からの予報は雨。
明日の早朝のゴンドラも
運行中止の可能性もあると考え、
下山を続けます。
この日の行動時間も13時間を過ぎたころ、
18時過ぎにスキー場上の
ゴンドラ周辺に着きました。
しかし、ゴンドラなしで
下まで降りる道が不明でした。
スキー場に電話して教えてもらいましたが、
そのやり取りの中で、
車で来ていただけることに。
(林道には熊が頻繁に出るとのことで)
しかも、下までだけでなく、
中津川レストハウスまで送って頂きました。
ご迷惑をおかけしましたが、
本当に有りがたかったです。
時刻は20時を過ぎていました。
その車での移動中、
雨は激しさを増し、豪雨となります。
最低限着替えて、眠りにつきました。
⑩まとめ
「その向こうへ行こう」
というのがテーマではありましたが、
美渓として名高い中津川を楽しめる余裕はなく、
白滑八丁に時間がかかりすぎたこと、
一日目早く切り上げすぎたこと、
そもそも1泊2日は苦しいことから、
かなり体力的に厳しい行程になりました。
中津川の水量はおそらく平水で、
グレード的には通常だったと思いますが、
観音滝手前などは泳ぎはマストで、
4~5mの滝はIII級レベルの登攀ができないと、
行き詰まる可能性が大です。
三大大高巻きは、
滝屋でも突破は可能ですが、
沢屋の方々が「ルーファイの力が問われる」
と言うぐらいなので、
易しくはなく、経験は必要です。
本流の滝はどれも豪快で見応えが十分。
どの滝にも異様な緊張感の中、対峙しました。
吾妻連峰、中津川一番の秘瀑は、
朱滝でも、白滑八丁と取水場の間の
魚止めの滝でもなく、
熊落滝上の不忘滝でした。
無事に帰還できたことが全てです。
【追記】
中津川は主に二つの地層からなり、
静滝あたりより上流は比較的新しい、
中期更新世(15万年~70万年前)の地層。
中流部までは
前期白亜紀(1~1.46億年前)の
阿武隈花崗岩帯となるため、
そこまでは恐竜がいた時代に
形成された岩盤でした。
【2日目 タイム 行動時間13時間】
4:25 起床
5:10 遡行開始
5:56 権現滝
6:06 神楽滝着
6:15 神楽滝発
6:53 神楽滝落口
6:58 夫婦滝
7:06 静滝
7:32 熊落滝
7:42 高巻き開始
8:58 高巻き終了
9:29 筋滝
10:30 朱滝着
10:48頃 朱滝発
11:45 朱滝落口
12:33頃 ヤケ丿ママ(もしくは少し先)
<<二俣を左(西)本流へ進む>>
15:30 登山道発見
15:45 出発
16:23 梵天岩
17:21 西大巓
18:26頃 スキー場上着
<<お助けいただく>>
20:00 中津川レストハウス
アクセス
Step1 中津川レストハウスへ
Step2 遊歩道を進む
Step3 入渓して北へ
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