扇ノ山 小又川の滝
【兵庫県 美方郡 新温泉町 海上】
滝の記録
訪問日 2019年6月9日
活動の形態:キャニオニング/ 車
装備:7.9mm×40m (2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:かなり~限りなく(シワガラ)
①合流
大阪での用事に合わせて、
パンダさんに御声がけをしてみたら、
快諾のご返答をいただく。
日曜日の滝計画。
台高 セビ谷を第一目的地と設定するが、
天候の悪化によって、日本海側方面に変更。
待ち合わせの駅に向かうため、
とある駅からJR線に乗り換えたところ、
驚きの光景に、目はパチクリを繰り返す。
その電車に乗っている男性も女性も、
パンダさんの髪型に酷似していたのであった。
これは、いわゆる
「カラーバス」効果なのか。
(赤を意識すると、
赤いものばかりが目に入ってくるというもの)
カラーバスを越えた、地域性なのか。
新しい発見と仮説を胸に、
駅に降り立つ。
お久しぶりのご挨拶。
僕も少し空気学びをしてきたが、
パンダさんの周りでは、
強いオーラが放たれていると言ったらいいのか、
少し空間が歪んでいるような気がする。
コンデジ写真でさえありえない美しさとなるように、
理解が難しい不思議なことが起こっていき、
普通の人とでは違う時間が刻まれていく。
②小又川渓谷へ
新温泉町方面へ移動し、
近くの道の駅で夜を過ごすが、
寝袋やマットを忘れていたところ、
貸していただいて、
快適に過ごすことができた。
朝、ひこさんと合流。
ひこさんもこの地は何度か訪れていらっしゃり、
今回の中央部分に、関心を持たれていたご様子。
「シワガラも桂も、サンダルで行ったよ♩」
と仰っていましたが、
サンダルではなかなか険しいです笑
僕の場合、
シワガラは1度あり、
桂は初めて。
カツラを訪れて、
そこからキャニオニングで、
シワガラを目指します。
③まずは桂へ
「カツラ」は現実世界を代表し、
「アオイ」がその反対で精神世界を意味する。
とは前日に聞いたお話。
桂の滝という現実世界から、
非現実の異世界「アオイ」ゴルジュに、
向かうわけであります。
桂の木と滝!
接近すると、ゴルジュ感が増す。
しばらく滞在して、降溪に入る。
④大きな滝の上まで
しばらくは、乱れた沢筋。
時に、虫が多くて困る。
そして、一気に視界が開ける。
20m級の高さだ。
落ち口に取れる木の支点はなく、
残置支点もない。
僕はハーケンを2枚打ったが、
うち、純粋にまっすぐハーケンは、
回収のために、叩ける場所がなく、
回収不可能に。
⑤大きな滝を降りる
少し奥まったところの木から、
スリングを伸ばして、
それ+αの支点で僕から下降。
滝の真横を一歩ずつ降りていくが、
徐々にこの滝の真実を知る。
この滝は2~3段になっていて、
最後の直瀑部分は
前に大きな壁が張り出して、
内側に滝壺というか、淵を形成。
淵ぽちゃがマスト!
着水時に、ビレイデバイスと、
確保用のスリングを解除しなければならないが、
危うく、水に沈めるところであった。。。
(後ほど撮影)
降り立った、3段目の前からの景色が、
あまりにも良かったため、撮影のため、
皆さんこの場所に留まるかなと思ったが、
ぽちゃ!で全身が濡れ、
日も当たらず、鬼寒。
ひこさんは早急に下へ。
続けて僕も下へ。
そこでロープを引っ張ったが、
回収不能な状況が発覚。
新たにハーケンを2~3枚用い、
最初の支点は回収して、
パンダさんも下へ。
少しの間、滝を撮る。
真正面からだと奥の凄さは全くわからない
⑥小又川ゴルジュ
この下は泳がざるを得ない淵があるが、
僕は右岸の微妙なところに突撃し、
なんとか、泳ぎを避けることができた。
そうしたら、両岸狭まって、滝。
わずか5mほどの滝でも、
容易に支点が取れないのに加えて、
飛び込みができるようなほどは深くない。
ここは石をうまく活用して降りたように思う。
6m滝
工夫して支点を取ることも多く。
だけれども、そんな異世界は楽しい。
水は大変濁っているが、、、
生活排水ではないだろう。
3連瀑
6m斜瀑
このようにロープを使うことは多数。
⑦緑の世界と冷える体
狭まったところ
2段3.5m滝
淵
苔の美しいところ(3m滝)
ここも完全水没の憂き目を見たが、
泳ぎ地帯の連続に、
冷えた体が悲鳴をあげ、
もういやだと口ずさむ、笑。
そんなに簡単に終わってはくれないが、
大きな連瀑の上に到着。
⑧大きな連瀑の下降
右岸上には圧倒的な岩盤が見える。
この下が、シワガラの滝なのか。。。
40m2本を用いて、
木の支点にスリング残置でセット。
パンダさんの絶妙な見極めで、
1回で4段に分かれた滝を下降するルートが開かれた。
下から4段目 (4.5m)
下から2~3段目 (5.5m+3m)
下から1段目 (9m)
そして、これはシワガラの滝ではなかった笑
滝壺の長さがあるので、
ロープ長は35m、高さで言えば22mぐらい
なのかと思ったが、もっとあるかもしれない。
途中の脱出できない感は、
かなり、素晴らしいものがあった。
⑨シワガラの上
そこからさらに下ると、
いよいよ、シワガラの滝かというところで、
水路の上に立つ。
ここからは、屈曲していて、先が見えず、
安易に支点にロープセットして進むと、
回収ができなくなる恐れがあるし、
かといって、
ロープなしでは、途中で止まれずに、
シワガラの滝を
放出される可能性が考えられた。
しかし近くに固定ロープがあったので、
途中までそれを利用
小滝を降りて、対岸に立つ。
なんとシワガラの滝は実は2段となっていて、
さらにその上に水路+1.5m滝といったところだ。
⑩アオイの終焉
ついにシワガラの滝に来たが、
ここから見下ろす滝下は、
まるで地に空いた洞窟のようで、圧巻。
豊富な水が今も岩盤を磨き続けている。
残置支点に、少し足したりして、
ロープをセット。
思い思いに、
シワガラの滝を感じながら、
滝を下降。
着地して、ロープ回収すれば、
そこは今回の旅においては、
日常世界を意味する。
緩やかな時間に感謝し、ロープを回収。
撮影。
改めて見ても素晴らしさに震える。
車へ。
それなりに時間はかかる。
完
この後は温泉(薬師湯)に寄って、
中華屋へ。
車にて僕は大半、意識を失ってしまった。
パンダさんは
一度も休まずに運転を続けられた。
カシュカシュで宿を取り、
翌日ゆっくりと帰京。
ありがとうございました。
⑪まとめ
残置支点も皆無だったので、
下降は今までほとんどなかったのかもしれません。
今回いくつか下降支点を残しましたが、
当然ながら、それをあてにしてはなりません。
滝としてはシワガラの滝がやっぱり圧巻。
だけれども、その上流の造形美、
水流が辿る物語の変遷。
それらを知ってみても悪くはないでしょう。
様々なテクニックを取得しましたが、
備忘録ティップスを1つ。
ロープまとめの時に、
ロープ長を均一にしないと、
長い部分のワッカが
他のものの中などに入って、
絡まり率がどんどん上がってしまう。
ということ。
なんとなく、漠然と
ロープを持たないということ。
大雑把なところがある人には、
苦手なロープワークですが、
様々なフィールドを経験し、
丁寧さを取り入れていくことが、
大切かなと思っています。