滝いろ|安倍川 関ノ沢ガリ沢の滝

活動記録



安倍川 関ノ沢ガリ沢の滝

安倍川 関ノ沢ガリ沢の滝【静岡県 静岡市 葵区 梅ヶ島】

滝の記録

訪問日 2019年6月16日
活動の形態:2級 (2人) / 車
装備:7.7mm×40m (2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:けっこう(三連瀑)

①土地勘

今週は安倍奥。

天気さえ良ければ、泊計画なんかも、
できればと考えていたが、

梅雨時期にそれを望むのは、
少し難しかったかもしれない。

滝ペーさんも、僕もこの流域には、
今年3回目の訪問。

土地勘が身についてきた頃だ。

②増水のガリへ

安倍川は上流部からの土砂の流出が、
半端ではないらしく、

その堆積物が谷を埋めて、
一見して水量が少ない、
超幅広の河川を形成しているようだが、

この日は見るからに本流の水量も多い。

雨上がりだがヒルはいかに??

歩き始めた。

関ノ沢の支流である、
南沢とガリ沢の流域。

どちらが本流であるかとうのは、
あまりはっきりとはわからない。

個人的には、長さと流域面積から、
わずかにガリ沢が本流だと考える。
(本流などないのであれば、合流部分の別名称が欲しい)

3m滝

③序盤の渓相

ロードバイクのタイヤが残った滝に到着。
(二俣は左に進む)

7mひょんぐり滝

ひょんぐりの滝もすごい勢いで、
直登はしない。

巻き方の記憶はなくなってしまった。

12m滝は中規模の滝感。

ガリ沢のおくつろぎスポットの1つ。

右から高巻きに入るが、
上の10m滝には接近はしなかった。。

しっかりと攻めたルーファイで、
最短で沢に復帰。

この辺り、昨年秋の世附川トレの時には、
足元がおぼついていなかったような滝ペーさんも、
随分と安定してきたように感じる。

④CS滝と緑

4mCS滝

滝ペーさんがトライ

被っていて難しいらしいが、
左から簡単に巻ける。

2段3m滝

この先、3連瀑が待っている。

⑤連瀑の美

この滝は3連の構成が絶妙。

光線は紫色を帯び、とても美しい。

僕らは撮影を行う。

オールラウンダーとして、
谷を楽しみ、その世界の魅力をより、
伝えていきたいと考えている。

⑥さて、2段目

3連瀑は2段目が核心。

本来なら、右の水流沿いから上がれそうだが、
瀑水がすごすぎて、トライすら躊躇。

気づけば右壁に滝ペーさんが取り付いていた。

5m弱は85度傾斜の岩場。
そこから上は緩くなるが、
小石と草付きの不安定な斜面。

滝ペーさんは、
ハーケンを打ってくれて、
ここは僕に交代。

ハーケンまで登り、支点にロープをかけた後、
少し外にせり出したやや外傾したスタンスを活用。

右側でルートは繋がっていて、上に(III~III+)

この後、小石状のザレ場がとても悪く、
どんどん登りながらも支点が取れないので、
実質フリー状態になった悪い登攀(IV-)

一番上に行っても、
上に支点が取れないので、
少し降りた木を支点に選択。

体は宙にせり出して、
アンカードビレイを行なったが、
全体的なハーネスシステムが整ってきたなと実感。

それを実践ができる仲間がいることは、
素晴らしいことだと思う。

木から斜め懸垂で3段目の前に

3段目は右壁を直登できる。

⑦15m滝

8mの急傾瀑

15m滝

15m滝はこの沢一番の落差。
(と言われている)

飛沫がすごくて、
時折光が差して、
キラキラ。

右側から簡単に落ち口付近まで登れる。

そこから落ち口の渡渉は、
ホールド十分で足もつくが、
水の勢いは強い。

しっかりと三点支持ができなければ、
15m分放出されるので、注意が必要である。

7m滝

この上も割と水線突破ができて、楽しい。

⑧荒れ模様の後半

その後、谷は両岸がやたら堆積物に満ちてきて、
樹林帯が終わり、ガレガレして、
まさに「ガリ」沢の様相となってきた。

僕は沢を物語で見ているが、
盛り上がり、心に残る物語や映画というのは、
常に主人公がハッピーで幸せで、
満たされているということはない。

「ガリ」があるからこそ、
「グリーン」が活きる。

そうした沢の持つ舞台装置に対して、
僕らがどうやった関わり方を持てるか。

左俣と右俣の大げさに言えば、両門の滝。

この辺りは少し、緑が戻っていて、
水量も多くて、マイナスイオン感はあった。

⑨巻いて終了

右俣から回り込むように、
左俣の滝上を狙っていくが、

焦らずに、緩くなるところを待って、
そこから丁寧に行くルーファイが正解。

最後の方は、時に滝が混じりながら、
高度を上げていく。

3.5m滝

ロープが張られた登山道を見つけて行動終了。

せっかく導入した膝当てがずれていて、
打った膝が少し傷んでいた。

十枚山は登頂せずに下山開始。

ひたすら歩きやすい登山道を進み、

車道にいきつく。

車道はくねくねしてある程度長いが、
途中犬やら、猿やらがいて愉快。

ヒルには左足に潜り込まれていたが、
非常に軽い噛み状況であった。

すき家で多めにほうばって帰路へ。

ありがとうございました。

⑩良い場を記憶する

滝巡りをやっていると、

「今非常に、濃い空気だ。」

「野生の、ど真ん中にいる」

「まるで、時が止まっているようだ」

という状況下を体感できる。

ある意味、
世の中の先が少し見通せるような、

重要なことと重要でないことが、
見極められるような、

良い状態になっていることが多い。

いわば、ステージの高い人の、
仏教で悟った人のような、
視野とも言える。

その空気は長続きはしないのだが、

しかし、
空気やその時の感情を記録し、
思い返すことはできる。

低く、感情に振り回されている時には、
その空間の感情を思い返してみる。

「あー、いかんいかん。
もっと、良い状態の自分があった」と。

そして、定期的にその高い、
濃い空気(滝)を取り入れ直して、
感覚を高めること。

それは、
とても大切なルーチンだと思う。

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