明王谷の滝
明王谷の滝—【滋賀県 大津市 葛川坊村町】—
滝の記録 ~3つの滝と遊ぶ~
訪問日 2018年4月28日
活動の形態:1級上沢登り (単独) / レンタ
装備:8mm×30mm, 沢タビ
感動度:かなり~限りなく三ノ滝)
①2018年のゴールデンウィーク遠征
今年は早い時期から紀伊半島へ向かう。
先輩方との合流日程は翌日からで、
初日は単独で滋賀県の比良山地へ向かった。
京都東インターで降りて、
そのまま琵琶湖西縦貫道路に入る。
降りてからコンビニで食料調達し、
葛川坊村町へ向かっていく。
②下流部に入る
明王谷に向かっていき、
すでに車が止まっている広場の隣で駐車。
今回の目標は、
口ノ深谷遡行、奥ノ深谷下降ルートでした。
だったんですが、
林道を歩き始めてくの字のところで、
明王谷の様子が気になってしまい遡行開始。
徐々に谷が狭まり、
ぶっとい排水管のホースも伸びるも、
雰囲気が良くなっていく。
③一ノ滝?と堰堤
1.5m程度の大きな釜を持つ滝が現れ、
ここで少し撮影タイム。
左側から滝を登る。
(これを一ノ滝と記載する記録もあります)
小ゴルジュは終わり、堰堤が現れる。
それなりに大きく、壺もあって、
堰堤できる前にはどんな状況だったのだろうか。
堰堤の横は左右どちらも急傾斜で、
僕は右岸に取り付く。
結構上まで上げられ、
堰堤の落ち口を狙うが、
渋目の斜面が続く悪い箇所。
ロープ出しをめんどくさがって、
長めのスリング2本をカラビナで連結した、
即席お助け紐も駆使して、
落ち口への悪いトラバースを終える。
しばらく谷は穏やかな流れに。
④二ノ滝
谷が角度を変え、
滝の雰囲気が出てきた中、
2段7mの滝が深い滝壺の向こうに出現。
地形図に「三ノ滝」の記載は見ていた、
かつ、一般滝巡りの記録をあまり、
見ていなかったことから、
これが「三ノ滝」かと思い浸る。
この滝ぐらい、滝と距離があると、
広角レンズでは全く滝の迫力が出ません。
なので、切り取ってます。
さて、両岸がかなり立っていて、
高巻きに至ったら、
30~40分は確定しそうな雰囲気。
下からよくよく観察すると、
左岸に、落ち口付近へつながる、
バンドらしきものが目についた。
問題はそこまで登れるか?
スタートの登りはかなり悪く、
まともな足の置き場がない上、
ホールドの位置が上に遠い。。
ここは騙し騙しで、
直上し、抜けることができた。
(III+以上)
すると、読み通り、
明瞭なバンドが続いていて落ち口へ。
上からの景色。
目の前にはトロが広がる。
⑤ヘツリ
特徴的な岩 1
ニノ滝の先はまた穏やかになって、
てくてく歩いていると、
また怪しい雰囲気になってくる。
滝だ。
規模感からいって、
明らかにさっきよりデカそうで、
そうか、そもそも「三ノ滝」なんだから、
下流に「一」と「二」があるのは、
必然ではないかと、納得。
激流で深いので、
左岸からのヘツリルートになるけれど、
これは結構怖い。(残置ハーケン発見)
一段階水に近づくべく下がってから、
微妙なバランスで、奥側に抜け、
さらに、やや浅いことを確認した水流に
突っ込んで横断。
三ノ滝の目の前に至る。
⑥深く広い壺
目の前には深すぎる滝壺が広がり、
三の滝は下部の流れしか見えない。
正面からの対峙のためには、
底が見えない滝壺を対岸まで
泳がなければならないが、
そもそもこの位置だと、たどり着いても、
這い上がれるかは読めなかった。
厳しい…
滝を目指す気力が少し及ばなかったのか、
泳ぎの練習不足か、水温か。
恐怖心に負けて、ここは行きませんでした。
さて、先に進めそうな唯一のルートは、
少し戻った右岸からの高巻き。
少し傾斜が緩む斜面に這い上がるまで
1.5~2mほど登攀が難し目な岩場があった。
これを越えると、残置ロープがあり、
引っ張ったら、結構大きめの岩が
セットで落ちてきて、
左足太もも周辺を強打。
残置ロープの引っ張りは、
細心の注意を払う必要があることを
身を以て認識します。
⑦上で
巻き終えたら、
今度は落ち口から滝下の様子を観察。
25~30m程度を感じる規模感で、
かなり爽快な景色。
自己確保しながら撮影を楽しめました。
すぐ上にかかる三ノ滝の最上部
このあとは本谷に難所はなく、
適当なところで一旦林道へ上がり、
次の行動計画を考えることに。
特徴的な岩 2
奥ノ深谷へ
⑧まとめ
明王谷はなんとなく、
下流部を遡行してしまいましたが、
水量がちょっと多かったこともあり、
三の滝前のヘツリは恐怖でした。
堰堤の右岸巻きや、
ニノ滝の巻き始めの登りなど、
微妙な難所が複数あり、
時にシビアな面白い沢でした。
この区間、目立った滝は、
3本しかありません。
帰りに三ノ滝は、
林道から遠望できました。
遠望地点から長めロープで、
下降できそうですが、
大木が神社の神聖な木である可能性もあり、
慎重さが求められます。