訪問日 2025年9月13日
活動の形態:1級沢登り+α / 公共交通機関 / 2名
装備:ラバー足袋 / 8.0 × 30m × 2
感動度:けっこう (龍神淵, 有間川15m滝, 桂谷3段6m滝)
所在地:埼玉県 飯能市 下名栗 → 東京都 西多摩郡 奥多摩町 氷川
① 名栗湖へ
都合につき、もぐがしばらく登山頻度が減ることとなり、
単独の公共交通機関アプローチにて名栗湖から日原に抜けるルートを考えた。
Kにも声をかけてみたところ、都合がつき2名にて早朝飯能駅に集合。
霧雨のような雨が降っていて、なんとも言えない天気だ。
さわらびの湯行きのバスに乗る。以前は白谷沢に行った時にこの場所に来たこともある。

湖の北側を伸びる道を進むと、左岸の法面から印象的な滝が見えた。

左岸から名前のついた大ヨケの滝を見る。

この後、有間川の釣り場を通り過ぎると、天気があいにくにもかかわらず、すでに多くの車が集まり、釣り場のスタッフも準備を進めておられた。
この日何かイベントがあったのかな?とも思うも、特にイベントは見つけられず。ただ、同じ日の飯能市街地寄りでは大河原で「秋の花火2025」が、宮沢のメッツァビレッジではクラフトビールフェスが開催されており、朝から遊び尽くそうとする人々が動いていたのかもしれない。
② 龍神淵
道を進んでいくと、時折有間川本流に支流が滝として加わっている。
龍神淵の案内から川に降りていって淵前に出る。

滝としては2mほど。
非常に小ぶりであるが、右岸のスラブが立派。
前日からの雨で濡れ切っており、スラブ登りは非常に難易度が上がっていたがラバー足袋で挑戦。

写真の左足に乗り込んで立ち上がるところまではできたが、その上には踏み込めなかった。
このスラブはチャートであるが、淵の前にも特徴的なチャートの小石も散見され、ジオ的にも興味深い場所だ。
③ 有間川の大滝
一旦道に戻りしばらくは林道沿いに進む。
601m地点では入渓せず林道を進むが、蒸してきてあまりにも暑く息苦しくなる。
677m地点からは入渓を決定。
この場所で出会った釣り人の方に、この奥に滝があることを教えていただく。
しばらく進むと地形図がやや狭まったところに滝が形成されていた。

ぱっと見12~13m級に見えるが、奥も含めて考えると15m弱は見込める感じ。
右岸の張り出しと岩はなかなかいい感じで、登攀もIII+~IV程度で可能に見えた。

一方で本日はハッピーバースデーボーイだったKの意向も含め、左岸からの巻きとする。
ここの巻きは雨後だった事もあり非常にグズグズで、Kとの位置関係や信頼関係もあり大丈夫な感じはあったが、相当でかい落石も起こしてしまった。大滝の上の奥で堰堤も見えたので、林道まで上がる。
④ 吸着と堰堤
標高813m地点から再び入渓するが、その付近の一瞬で2人とも大量のひっつき虫を受けてしまう。

これはキンミズヒキという種のようで、あまりにも吸着力が高く剥がれないので辟易。
2つ目の堰堤の左巻きが少し悪く、僕は岩場を繋げて悪いパートを越えた。
すぐに二俣となるが、本流の左に進む。(入渓付近に看板があったが源流部は白岩沢というよう)
⑤ 霧の白岩沢

沢の中は常にうっすらと白い霧がかかっているようで、人が歩くことも少なく苔むしていて幻想的な感じ。


この幻想的な感じは複数の構成要因があり、一番は霧雨が水滴の粒径が細かく、空気中で光を乱反射させて、柔らかなトーンを演出している点にありそうだ。

幻想的な森は続く

有間川源流の主 黒ぶんた
また、苔が生えていたことそのもの、それが雨で鮮やかな緑を増し、しっとりと光を反射。
ここから3段11m、2段9mと合計20mの5段滝が現れる。


中を入って登れる

登ってきたところ

上の2段の形

ラスト:左から落ち口トラバース気味に越える
上部にいた時点で、上で爆発音が聞こえて、鉄砲か??と焦るも、上にいったら倒木が散乱。
大きめの木が力尽きて根本から崩れる際に一気に斜面下まで落ちて、粉砕し文字通り、木っ端微塵となっていた。

水が少なくなってきて、日向沢ノ峰へのルートはヤマレコの踏み跡もみながらも、実際のところ明瞭は踏み跡はなく、ざっくりとルートを描いた。
⑥ 川苔の上部へ

登頂!

霧がかっとる!
日向沢の峰(峰と書いてウラと読むらしい)は、登山道だと奥深くあまり多くの登山者を迎えていないようだ。
ここから計画的には直接沢に向かっての下降も考えていたが、時間的な観点と疲れからなるべく登山道と林道を使う方向性に決定。

雰囲気の良い道だ

踊平に出る
川苔方面に進むと、まさかの車道に飛び出した。

くねくねと曲がりながら桂谷の出合い付近までどんどんと高度を下げる。
合流手前の塩地谷にて2m岩間の滝を確認。
いい感じの滝だったが、撮影に失敗していた。
⑦ 桂谷と12m滝
桂谷は入渓直後からいい感じの雰囲気。
ただ、この付近でTGの調子が最悪であり、写真はブレブレのため割愛。
淵の奥に滝とゴルジュを感じる。

ここは思ってるより浅く、腰程度で越えられて、屈曲点に。

そこは非常に美しい2段滝となっており、さらに奥で両岸の岩が真ん中に迫り出しているのがgood。
ここは奥に進んでしまうと戻るのに時間がかかりそうだったので、この場を楽しんで桂谷は引き返した。
もう一本地形図に記載のある滝も下から見たいなと思っていたが、普通に林道から見下ろす形で見れる。

一方で下に行くにはロープが必要で、シングルで垂らして下に。

なかなかレアリティが高く、川苔本谷を構成する1本としてまた一つポイントとなる滝が見れた。

この後は林道をひたすら降って、
林道途中で装備解除&着替えてフレッシュな感じでバスに間に合う。

⑧ その後、まとめ
奥多摩から青梅に移動中、線路内に鹿が現れるアクシデントがあった。
「お食事処・酒処ぜん」にて誕生日祝福の宴を開催。

特に、焼きうどんと山芋の磯辺揚げがめちゃうまだったのと、リーズナブルな価格設定だったのでまた訪れたい。
今回は計画していたプランのうち65%くらいの実行になったが、コンパクトに無理なく行けるバリエーションを描けたと思う。21kmを越えているが林道歩きの距離が長い。またyamarecoは比較的多くの人が訪れている地域においては、過去の人の動きが可視化されて便利だと感じた。龍神淵スラブはまた機会があればトライします。