水無川本谷の滝
水無川本谷の滝―【神奈川県 秦野市 戸川】―
コメント
登攀的な沢です。
滑落が許されない高さと微妙なスタンス。
普段の滝めぐりでは要求されない
「登攀能力」が試され、
ロープワークも学習した
スリリングな沢体験でした。
林道歩きで途中通った作治小屋↓↓
滝の記録
訪問日 2014年11月15日
活動の形態:沢登り(3名) / 電車+バス
装備:サワートレッカー, 8mm20m×1, 8mm30m×1
感動度(F8):まあまあ~けっこう
①表丹沢へ
沢仲間と秋の沢登りを企画しました。
沢のグレードは1級上であり、
9月に2級上の豆焼沢に行っていたことから、
なんとかなるだろうと思っていました。
(滝めぐりの基礎がある人の沢登りでは、
この総合グレードよりも、
登攀グレードのほうがはるかに重要です。)
②電車とバスで入渓点へ
早朝7時に渋沢駅に集合。
バスで大倉に行って準備した後、
渡るは風の吊り橋です。
その後左に
ひたすら林道を登っていきます。
入渓点まではおよそ90分。
途中には新茅ノ沢が横切り、
一番手前の滝は見えました。
入渓点そばの
戸沢キャンプ場までは車で行けます。
キャンプ場を無視して進むと、
それっぽい沢に出ますが、これは支流の、
源次郎沢になります。
堰堤にもちゃんと書いてあるので、
大丈夫だと思いますが、
間違えずにもう少し進むと、
ちゃんと水無川本谷にぶつかります。
③F1で講習
最初の堰堤を左から越えて、
特に問題なくF1にたどり着きます。
左の鎖を伝えば容易に越えれます。
今回は沢登り初めての青年と
ロープワークがわからない僕のために、
沢ガールのあーちゃんにここで、
ロープワーク講習をしてもらいました。
・リードフォロークライミングの基本
・スリングの巻き付け方と自己確保
・支点の取り方と回収の仕方
・中間者のプルージック移動
学びが深まりました。
④F2とF3
F1の上ですぐに
セドノ沢との分岐があります。
左の本谷に進むとすぐにF2。
右から取り付いてみるも、
最後の一歩でびびり、動けずダメでした。
一人左から越えました。
なんとも情けないので、
次の重大事故多発と言われるF3は
右から取り付いていき、
残置ハーケンにところどころで
一時的な自己確保を取りながら登り、
ロープ無しで突破しました。
が、しかし、
かなり危険なルートであったため、
二人には右岸から、
鎖沿いに巻いてもらいます。
こちらのルートも
かなり高度感があり危険なので、
F3は1つの核心だと思います。
⑤F5
もう一つの核心がF5です。
滝自体には虹も出ていました。
一見頑丈な鎖がついているので、
簡単そうにも見えますが、
実際取り付いてみると、
意外と足の置き場がありません。
ここはリードに挑戦し、
途中で支点を取りながら
3〜4分で突破しました。
自己確保をして
笛を鳴らし後続を待ちます。
もう目の前には、
すぐ書策新道が横切ってます。
⑥頂上へ
時間的にはちょっと遅めであり、
登頂を目指すと帰りのヘッドライトは
確定しそうですが、
山頂に行きたい!
ということで
エスケープせずに先へ登ります。
間違えずに進むと次はCSのF6。
ルートがわからなかったですが、
滝右のスリングに
手を伸ばしたらギリギリで届き、
足で踏ん張ってモンキー的に突破します。
スリングを補助してみんなF6を越えます。
F7は崩壊したため今はありません。
⑦F8とその先
三段落差30mの大きな滝で、
この沢の主瀑と言えます。
巻いている最中での、
左岸からの全景が一番綺麗で、
丸い滝壺と合わせ、秀逸な姿だと思いました。
この高巻きに関しては、
傾斜とか石の感じとかで
落ちる気がしなかったです。
(ただ、落ちたらダメです)
F9も高巻きになります。
⑧厳しい詰め
石積みの堰堤を超えたら
左の尾根に上がるとの記述で、
早めに左側に逃げましたが、
これが結果的にルートミスでした。
本当の石積み堰堤はもっと大きく、
僕らがみたのは、
人の背丈ほどの小さなものでした。
この間違った尾根道は、
急で終わる気配を見せず、
25分以上はかかったような気がします。
やがて登山道に合流して、登頂できました。
最高の達成感に包まれます。
⑨下山とまとめ
下山は大倉尾根で
一気に大倉バス停までのルートです。
歩きやすいですが7kmもあるので長く、
やはり途中で日没を迎えます。
F3とF5の登攀は
普通の滝めぐりの範疇を超えているので、
ロープワークの準備と技術を持って
臨むべき場所になっています。
この日は温泉によらず、
帰路につきました。
アクセス
Step1 小田急渋沢駅へ
Step2 バスで大倉まで行く
Step3 風の吊り橋を渡り左へ進む
Step4 源次郎沢を通りすぎて本谷に入渓