鷹ノ巣谷の滝
鷹ノ巣谷大滝—【東京都 西多摩郡 奥多摩町 日原】—
コメント
『公共交通機関アプローチの常識を塗り替える』
というのが、今回の活動の目的でした。
滝の記録
訪問日 2015年8月9日
活動の形態:沢登り(単独)
装備:沢タビ, 8mm20m×1
感動度(大滝):けっこう
①歌う
公共交通機関アプローチは車に比べて、
2つの致命的な欠陥を抱えています。
1つ目が日帰りで行けるエリアが
圧倒的に限られてしまうという点
しかし、これはそういう
場所を選べばなんとかなります。
2つ目の問題は、
始発に乗っても現地について活動を
開始する時間が大幅に遅れてしまうという点。
前泊を組み合わせることで、
今回はこの2点目を崩しにかかりました。
前日に青梅線の始発に乗れる
立川駅まで行き、駅周辺での
カラオケオールからの、滝
という形でした。
やってから気づいたのは、
「疲れる・・・」ということ(苦笑)
漫喫やビジネスホテルに、
泊まったほうがいいなということでした。
しかしたしかに、
始発に乗れて青梅乗り換えで奥多摩へ。
②入渓点へ
電車で奥多摩に行くのは、
4年前の川乗谷の百尋滝以来です。
先月もやってきた、奥多摩に、
日原川流域に本日はバスにのって。
東日原で降りたら
先の中日原バス停まで歩きます。
なかなかかっこよい稲村岩↓↓↓
すぐ側に鷹ノ巣山を目指す案内があり、
降りていきます。
轟々とした川を越える
橋の名前が巳ノ戸橋だったので、
「え、この水量で、
日原川の支流の支流の川なのか??」
と一瞬焦りましたがやはり日原川本流。
(先月訪れた隣の巳ノ戸谷とは違って、
今回の目的地鷹ノ巣谷の支流に
巳ノ戸沢というのがあります。)
③初級の沢
鷹ノ巣谷は初級の沢とされていますが、
ごく一般的な視点に立てば、
それほど簡単ではないです。
初級の沢は
そこらへんの難関滝よりも、
ずっと難しいと思います。
全身をいっぱいに使って、
水線を進んでいきました。
ふと振り返った流れ。
壊れつつある石積み堰堤
2条の滝
堰堤と一体化した滝
ここは右から簡単に巻けますが、
あえて水線に挑戦してみました。
この先で先行パーティに
追いつきました。
④連瀑と段瀑
3mの斜滝
右からトラバース気味に越えた滝
ちょっと渋かったです。
そして連瀑へ。
この辺りは先行されていた小田原の山岳会
のお二人とほとんど同じペースでした。
僕は右の壁を登りました。
次は3段の段瀑。
ここは結果的に右から。
そして最後の上段は右に
残置ハーケン&スリングがありますが、
僕は左から巻きました。
しばし、難所は消えて、
7分ほどで大滝に至ります。
⑤鷹ノ巣谷大滝
この谷の大滝は
東京でも指折りの名瀑と言えます。
そもそも最近8日連続の猛暑日とかで、
全く雨が降っていないのに、
この谷の水量は少しも少なくない。
それでもって、
この大滝の水量もばっちりで、
寒さすら感じる飛沫満載の空間。
滝壺空間はそれなりに確保されていて、
狭すぎず、それでいて広すぎず。
地形図に「大滝」との記載がありますが、
基本アプローチが沢沿いなので
秘瀑となっています。
基本的にこの大滝は直登するのが、
この沢の常識になっています笑
もちろん小田原のお二人も直登。
大きな滝なので待っていると時間もかかるし、
フリーで越えるのはやや危険。
かと言ってロープを出していただくのを
ちょっとでも期待してしまうのは
そもそも1人で沢に来た者としての
根本的な気持ちとして間違っている
と思ったので、巻くことにしました。
⑥越えて、テクニカルに
右から巻き始めましたが、
最初があまり足場がよくなく核心でした。
集中してその核心を超えたら滝の上まで
あっさりと道はつながり、
2分ちょっとで巻けました笑。
ここでお二人とはお別れして、
先へ進みます。
沢は2俣で分かれ、右の水ノ戸沢に突入。
大きな滝はないですが、
疲れたのか、ところどころ、
テクニカルな動きを要求されて
鍛えられました。
⑦襲撃にあう
しかしこの先、
【ブヨ】に襲撃を受けます。
ブヨが視界を遮るほどにやって来ながら、
これから待っているのは、沢の詰め。。。。
止まったら終わりだな思って、
死ぬ気で登り続けました。
というわけで、
この時期の鷹ノ巣谷は
全くオススメできません!
それにしてもハッカ油が
あんまり聞かなったどころか、
むしろしばらくしたら、
耐性ができたかのように、
大量に集まって来たのは今後の不安要素です。
登山道に出れても
ブヨを含めた虫の襲撃は終わらず、
せっかく鷹ノ巣山に登頂したのに
気分は不快でした。。
⑧帰路へ
稲村岩尾根を下って、
日原川に降り立って靴を洗ってバス停へ。
狙っていた時刻に間に合い、
ホリデー快速に乗って帰路につけました。
しかし、、、
ブヨの強襲のせいで体中あちこちに、
しばらくの間傷跡ができて苦しかったです。
人類の敵だなと思いました。
⑨まとめ
テーマの公共交通機関アプローチですが、
奥多摩だったら、立川、
表丹沢・西丹沢だったら本厚木とかが
前入りとしては使えるのではないでしょうか。
というか、こんなことは
誰かしらやっていたのではないだろうか
と今更ながら思います。
滝として見どころと言えるのは大滝のみ。
しかし滝の数は多く、
総合してじわっと来ます。
沢登りとしては水線を攻めることで、
大いに成長の余地があるフィールド
と感じました。
しばらく奥多摩は遠慮しときます。
アクセス 〜バスの場合~
Step1 奥多摩駅へ
Step2 東日原行きのバスで東日原まで
Step3 中日原まで歩き登山道へ
Step4 日原川の橋を渡った後川に降りる
Step5 沢装備をして入渓