天満沢川の滝
天満沢川の滝【長野県 安曇野市 穂高牧】
滝の記録
訪問日 2022年8月14日
活動の形態:2級上(+α)沢登り (2名)/ 公共交通機関+Taxi
装備:8mm×30(2本), ミラーレス一眼(広角), 三脚, フェルト足袋
感動度:かなり~限りなく
① 安曇野へ
夏の活動・・・
5日連続などがかつては定番だったお盆の活動だが、今年はK氏と1.5日で実行。
とはいえ、前日の午後に特急あずさに乗って、安曇野市の穂高駅に移動し、駅の近くで宿泊。
地域のお食事とスーパーでの買い物を済ませて、畳の部屋で寝た。
今回の狙いは天満沢川という場所で、記録が途中までで不確定要素が高かった。
② 早朝
早朝予約済みのタクシーに駅に迎えにきていただき、天満沢川の入渓点を目指す。
松尾寺の山門を右に見ながら、車をすすめていただくと、別荘地のエリアに近づく。
少し荒れそうなところで、通行止めとの表記があり、おろしていただいた。4000円強。(実際には車はもっと進める)
来年の山菜採集活動に誘いたいと仰っていただき、お別れした。
ヘッドライトを元に進んでいき、林道の広めの箇所で入渓準備。
着替えたら多少明るさが出てきて、さらに進んでいく。
途中、「天満沢の岩場」というボルトありのリードの練習岩があった。
③ 森と連瀑帯
林道の終了地点から入渓。
堰堤を一箇所左から越える。
しばらくしたら深い森が現れた。
その深い森で時に青い水を見たり、緩やかな渓相に癒されながら進む。
その後11年前の記録で、連瀑帯と記載されるエリアに突入。
最初の滝は右からこえて、がれた岩場を登っていくと奥に1本の滝が見えた。
5m級の連瀑帯(?)の最後の滝で、なかなか迫力がある。
近づけば選択肢が見える。
K氏は左から取りつこうとしたが、右に見出せたのでそこからノーロープ突破。(ガバ豊富だが、滑りそうで一部外傾、III+)
ロープを出してKを確保する。
④ 森と美瀑
その後再び森となって美しく、ナメ滝が見えるところで沢の左手に立派な階段があった。
ここまではよくわからないが道が伸びている模様。
ナメ滝はすぐ上にもあり2連の滝と認識した。
しばらく深い森を堪能し、屈曲点に滝がある。(過去の記録で引き返されていた滝)
6m級だろうか?
K氏はアブに狙われていた。。。
右壁を簡単に登れる (III-)
そうすると、しばらくして滝感が出てきて、次の屈曲点から仰ぐ。。。
美しい美瀑・・・
接近して・・・
左の隅から直登できる
アトラクション風景の振り返り
⑤ 大滝の時間
しばらく進んでいくと、地形図上の水線が切れたあたりで奥に大きな滝が見えた。
そして手前には素晴らしい前衛滝が存在している。
もっさりとした美しい風景に感動。
前衛滝は、カメラを手持ちのまま登るのには難儀した…
大滝の空間
落差は25mくらいだろうか。
左岸のゴツゴツとした岩壁。右岸も抉られて容易には取りつけない地形。
人知れずひっそりと大滝は落ちていた。
近づいてみる。
この滝で引き返す分にはそこまで難易度は高くなく、非常におすすめな一本である。
⑥ 右岸巻き
この滝を直登するためには空四のS4クラスの実力が必要 (予想)
ということで、右岸巻きに入る。
斜面はなかなか悪くて落石に気をつけながら、二人とも最悪のパートは通過。
一定以上押し上げられ、既に大滝の落口よりも高い。
ルート談義を行う。
思っていたより、大滝の右岸にある岩壁が高くまで突き上がっており、大高巻きはあり得ないと判断。
ここは勇気を出して小さく巻くためにロープを出して若干降りながら、落口に近づいていく。
落口の前にはルンゼが横たわっており、ルンゼの向こうも向こう側の様相が見えない、かなり微妙な地形が形成されていた。
しかしながら、わずかにルートは見えて、ここは攻めるしかないと判断。
ロープ確保で僕が取りついていく。
慎重にルンゼを越えた後に、ハーケン支点を1つ確保。
さらに木を捕まえてピッチを切った。
その後、水平ルートを選択し、攻め切ったところ、なんとも絶妙なルートで、滑らかな落口にダイレクトに出ることができた。
※ ここの落口は危険なので、慎重な行動が必要。
⑦ 大滝の上の世界
すぐに滝が見えるが、
ここが4~5段のナメ美瀑になっていて、
特に下から2段目以降が絶品。
ここはカメラを出しそびれたのが悔やまれる
振り返って
直後に7m滝となっていたのでここで撮影。
上部が抉れているのが特徴。
クロス状の紋様滝
トイ状の7m滝
4.5m滝
長さ15mのナメ滝
二俣に到着した。
右に入ったら水量が激減したので、だったら早く詰めれそうな左に方向転換。
左俣では思わぬ段瀑(下からは2段13m)に巡り合う。
1段目の直登
2段目の8m部分
直登をしていくが、2段目の最上部が思いのほか悪く、ノーロープだと踏ん切りがつかない。
ここだけロープを出した。
すぐ上に最上段というか迷うナメがあった。
⑧ 笹藪の悲劇
ここから尾根に取り付いたが大失敗。
笹藪は延々と続き、トップまでは標高差 450mもある。
フェルトだったのでKにチェンスパを借りたが、最近の悲惨な運動不足もあり、特に藪詰めの先頭で足が上がらなくなる。
安曇野の町が見えた
交代しながら上部を目指す。
止まっていると異常な量の虫が襲ってきて、一部アブもいたが、メインは小さめのブヨ(?)。
たくさん倒したが、顔周辺をやられてしまった。
⑨ 怪我と下山
上のあたりで倒木の上を移動中にKが転倒。
膝上を岩にぶつけて、負傷してしまう。。。
幸い歩けるが、結構血が流れて痛そうにしている。
僕は僕で水が尽きたので500mmを一本分けてもらい凌ぐ。
そうスーパーにライス系がなかったので、パンばかり買ってしまい、異常に喉が渇いて水分が失われた。
三角点の頂上は木にピンクの印が付けられているのみで、休憩地点は皆無。ログ沿いに尾根をかき分ける下降を行う。
そうすると突如道が現れた・・・
この後進むべき道は、Kが所持していたヤマップ?の、過去の先人が通ったと思われる足跡の集合体から判断しながら、たまに勘を多用して判断。
無事大峠方面につながり、西の冷沢方面に下山を選択。
その途中、タクシー会社に電話してピックアップを要望。K氏は電話が修行中であり、意図の伝達・認識の擦り合わせを苦慮していた。
林道は長かったが県道に出る直前で、着替えを完遂して県道へ!
出口にはいらっしゃらなかったので、可能性のある中房温泉側に荷物をおいて一人走ったところ、途中で合流できた・・・
⑩ その後
無事、穂高駅に搬送していただく。
空腹で死にそうだったため、280円でポテトフライを購入し、18時代の電車に乗れて松本に向かった。
松本であずさのチケットを購入して、各目的地まで、移動。
完!!!
ログ
↑ 青い塊の位置が大滝
POINT
① ちょこっと気になった天満沢川は大満足
・普段とは違う森の中の茶色っぽい風景
・大体直登もできてアトラクション要素も○
② 滝的にコスパが良いのは大滝引き返し (1級上)
・大滝の上にも美瀑はあるが詰めが面倒
③ 大滝の巻きは難しく今回のルート初見は (2級上+α)
④ クライマーは大滝直登を