滝いろ|尾瀬 根羽沢大薙沢の滝

活動記録



大薙沢の滝

根羽沢大薙沢の滝―【群馬県 利根郡 片品村 戸倉】―

コメント

テーマとしては、
福島との県境地域、尾瀬に、
始発電車で向かって滝活動をしてしまう
という1つの限界突破でした。

滝の記録

訪問日 2015年8月15日
活動の形態:沢登り(単独)/電車+バス
装備:沢タビ, 7mm30m×1
感動度(3段18n):まあまあ~けっこう

①始発と平穏と滝と

毎週のように電車利用が続きます。
この日は終戦記念日。

日々の滝めぐりも
平穏に支えられていること、
滝活動の平和的な側面などを考えました。
(水を知ることによって無意識のレベルで
争いの無意味さを感じられる可能性)

高崎で上越線に乗り換えて、
8:33 AMに沼田駅着。

7分後には大清水へのバスが出発。
途中「吹割の滝」を通り過ぎ、
丸沼高原や鳩待峠に向かう人を分けて、
バスは尾瀬への玄関口の1つ、
大清水に到着します。この時10:10 AM。

尾瀬地域へは三条の滝以来ですが、
三条では真逆の檜枝岐村の御池からでした。

②遡行地域

今回のエリア選定ですが、
尾瀬地域、片品川上流という未知の地域性、
沼田からのバス利用でアタック可能、
ナメ床が美しいとの事前情報、
適度な遡行グレードなどを基準としました。

バスの停留所から少し戻って、
根羽沢沿いに伸びる林道へ。

歩行時間は約30分。

先週奥多摩で痛い目を見たので、
出発前日に薬局で一番強そうな虫除けを購入。

この根羽沢という沢には
鉱山の跡地があります。
そういった点でも興味深い地域です。

鉱山の跡地には立入禁止ですが、
根羽沢が二俣に分かれた後の右側、
大薙沢からは軌道跡が見えます。

③最初の滝

橋があるところで沢が分岐し、
そこが入渓地点です。
軌道後は入渓後に見えます。
(この橋の下は向かって左の湯沢)

そうして始まった大薙沢遡行ですが、
すぐに落差5mの印象的な滝へ。

カラフルで釜があって、
悪くない雰囲気です。

トポではへつって、
細かいホールドを拾って、
そのまま登るいうことでしたが、
できませんでした。

少し手前から右を登りましたが、
そこからのトラバースがしょっぱいです。

岩に乗り上がることで初めて、
上の頼りない枝に届くか届かないかでした。
立ち上がったらなんとか枝に届いて、
そのまま緊張の2・3歩。

安全を期すなら
右岸から巻いたほうがよいです。

④眩しさと右俣のプラン

そこからは途端に難所はなくなり、
ところどころ美しい滑床が現れます。

二俣まで滝は少ないです。
最初の滝を越えてから32分で二俣に到達です。

今回の大薙沢は途中で左俣と右俣に分かれ、
左俣:滝が多い→遡行向き
右俣:滝は少ないがナメ床が美しい→下降向き

とされていますが、
公共交通機関アプローチの場合、
右俣の下降ではなく
丸沼高原側に抜けるほうが時間が短く、
丸沼も見れるので抜けたいなと思いました。

そして、地形図をじっくり見ていたら、

左俣の滝群を越えたあたりで
真ん中の尾根に乗って、尾根を下っていき、
途中傾斜が緩いところで
右俣に降りて、右俣を詰める

というコースが可能そう
なことに気づきました。

⑤左俣の滝群が始まる

左俣に入ってしばらくは退屈な感じで、
河原は荒れています。

途中で3段の滝が
支流で加わった後から滝が増えます。
↓ 左俣本流の2段の滝。

そしてぶつかるのが7mのスダレ状の滝です。

ここは右から小さく巻きます。
次はなんとなくかわいい5mのナメ滝。

⑥大滝

そして現れるのがこの沢の大滝です。

この滝は
①3段18m(15~20m)滝
②2段15m滝
③2条10m滝
の、3つの滝に分けられることが多いです。
(写真では①と②だけ見えています)

しかし滝的な視点で見れば、
滑床は平坦に成りきらず、続いていて、
1つの大滝と見ることはできると思います。
(大薙沢左俣の大滝)

水量は少ないですが、
岩の形がなかなかに美しいです。
そして突破という中で関係性も良いです。

さて①の下段は左を上った後、
少しアクロバティックな動きで
右側に抜けてそのまま上部へ登ります。

これが②の2段15m滝で、
右側から登っていきます。すると、

この③の滝に到達します。

出会い方を含めて美しい滝でした。

右から越えますが、
最後が滑りそうで少し渋くなっています。

⑦詰めと下山

丸沼高原からのバスの時間は17:00だったので、
尾根を降りて右俣遡行のプランは断念しました。

地形図と高度計で詰めていきましたが、
最後でルートミスしてガレ場に出てしまいます。

明らかに高度がおかしく、
燕巣山に突き上げる所でした。
右側に藪こぎを繰り返していけば徐々に
詰めの終わりが見えてきます。

四郎峠の案内があるところで
装備解除して下山へ。

下山路は途中で四郎沢にぶつかり、
沢歩きでの下山みたいな形になります。

途中下側に滝が見えたので、
あえて遡行して接近。

大薙沢の水量が少なく、
遡行もどこか物足りなかったので、
下山時に見れた思わぬ小滝が
嬉しかったです。

上部のナメは美しいですが、
下流部は堰堤が連続し、
護岸工事までされている沢でした。

⑧沼とバス

途中寄り道もしての下山だったのに、
50分もかからずに下山できてしまいました。

そして見えた丸沼

まさかの観光地百選、湖沼の部1位でした。
(選ばれている滝を参照)

湖で、感動していると気づきます。

あ、ここは丸沼であって、
丸沼高原ではないな・・・

というわけでその後、
頑張って丸沼高原まで車道を歩き続けて
(45~50分程度)
鎌田までのバスに間に合いました。

⑨高崎とまとめ

尾瀬地域の一端を知ることができ、
ところどころの美瀑や眩しい滑床、
渋めの箇所も丸沼も良かったです。

ただ滝としては水量が少なく、
アウトドア要素もそれほど高くなく、
思っていたよりは不完全燃焼。

活動できる時間が
実質7時間を切っていたのがちょっと
条件を難しくしました。

今回の活動の最大のポイントはここからで、
丸沼高原→鎌田→沼田駅→高崎と移動した後、

あえて高崎のホテルで泊まりました。

たまにはのんびりと贅沢に滝、
今までの活動が全てきつきつだったので、
簡素な宿でしたが、1つ1つに感動。

夕食は居酒屋、羅生門を利用。

美味しい玉子焼き。

活動の振り幅は
今後も大切にしていきたいです。

アクセス

Step1 片品村の大清水へ
Step2 根羽沢林道を徒歩30分
Step3 右の沢が大薙沢

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