赤岩沢大滝
赤岩沢大滝—【群馬県 多野郡 上野村 野栗沢】—
コメント
こんなルートを
切り開いた滝の先人・先輩方は
本当に凄いなと、そう思いました。
滝の記録
訪問日 2015年6月14日
活動の形態:中~上級滝巡り(単独) / レンタカー
装備:サワートレッカー, 7mm30m
感動度:限りなく
①群馬へ
この日は群馬の滝めぐりをして、
麻苧の滝などを見てきた後午前中に、
赤岩沢大滝のアプローチ拠点に到着。
赤岩峠への看板があるところです。
時々、ここまで車で
行けない時もあるようなので、
その時は徒歩が増えます。
②ルート
沢沿いに赤岩峠への道があり、
ほとんど水にぬれることなく
進んで行けます。
大きな支流の合流はないので、
水の流れを見失わずに歩んでいくと、
やがてロープがかけられた小滝に着きます。
③小滝の突破
この小滝は実際ロープ
なくても大丈夫な感じでした。
お次は狭い流れの中の滝。
ここらへんは沢靴をはいてる必要ありです。
水量が多くなかったので
すぐに突破出来ました。
④現れた前衛滝
そしてすぐに現れたのが前衛滝と、
その上部に双瀑の赤岩沢大滝。
歩き始めから50分たらずだったので、
すこしあっけなかったですが、少し休憩。
道中の川の水量から予想してましたが、
右側の滝はほぼ枯れていて
ちょっとショックでした。
しかし滝壺にいけばきっと違うはずです。
そしてここからが赤岩沢大滝滝壺を目指す
唯一かつ最大の難所となります。
滝の左から登っていくという事前情報の元、
ルートを見てみます。
残置ロープは3mほど上のバンドまでのみで
そこからは自力で登っていく必要があります。
(時期によっては、
残置ロープがあったようです)
⑤生と死の
ぱっと見、安全なルートは皆無でした。
落ち口を直接目指す落ち口トラバースは、
足がすくむ傾斜と高さで絶対無理だと判断。
したがって、
落ち口トラバースではなくて、
左側の溝に逃げていくルートを選択します。
ほぼ岩にへばりついた形で、
直上していくルートですが、
「この一歩を進んで滑ったら死ぬ!」
という死の恐怖が何度も襲ってきて、
一進一退しながら
時間ばかりが過ぎていきました。
残置ハーケンにお助け紐をつけて
ハーネスに連結し、形的に確保されているような
お守りもやってみましたが、
実際にすべったら
終わりなのはわかってました。
おまけに左足の足場が徐々に崩れ始めて、
ザックも上の岩に引っかかったりします。
そうこうもがいていくうちに、
突破するなら、この足場に右足をおいて、
ここに左足で、一気にあそこまで
いくしかないみたいな
ゴールへの唯一の道
みたいなのが見えてきて、
ボロボロのなか、
最後のかけにでました。
2~3歩、生と死の狭間の
異常な緊張感の中、岩場を直上します。
そしてついに
倒木を掴みました。
この倒木が結果的に安定していて、
ここでお助け紐の長さがちょうどつきたので、
解除して左の溝へ登っていけました。
究極の安堵感でした。
⑥そこは秘境
一見絶望的に見える道を
クリアしたパーティのみが居れる滝直下は
秘境感がほとばしっていました。
水量は少ない。しかし、
こんなに素晴らしい空間だったとは。。。
左側の大滝を真下から↓↓
プロセス的なところも大きいですが、
隔絶された滝直下とそこにかかる
50M級の大滝の組み合わせには、
かつてないほどの感動
を味あわせてもらえました。
ここで水量が豊富だったら
MAX評価は間違いないところなので、
綺麗な双瀑状態を狙って、
また訪れたいなと思っています。
帰りはザイルを出して降りました。
アクセス
Step1 上野村の野栗沢地区へ
Step2 林道は進める所まで
Step3 沢沿いに進む
Step4 小滝を突破して直下へ
前衛滝の登攀は普通に死ぬ可能性あり。
自己責任となります。