滝いろ|鶴川支流 扁盃川の滝

活動記録

訪問日 2025年1月18日

活動の形態:1級上沢登り+α / 公共交通機関 / 2名

装備:沢靴(フェルト) / 8.0mm × 30m +お助け

感動度:まあまあ~けっこう

所在地:山梨県 上野原市 西原

Project Hehai

年が明けて初めての滝活動。寒さで家にこもりがちになるこの季節だが、動けるうちに体を動かしておきたい。今回は相棒となったKKCに付き合ってもらい、向かった先は不思議な名前を持つ「扁盃川(Hehai)」。

山梨県鶴川の支流であり、遡行記録が見当たらない河川。扁盃川を詰めて笹尾根に至り、そこから檜原村の秋川流域へ下降し、数馬の湯に向かうというプランを組み立てた。


① 阿寺沢川の不動滝

早朝、新宿から京王線で高尾経由で上野原駅へ。駅前の観光案内所で「あんドーナツ」を購入し、バスに乗り込む。あんドーナツはピンチになった際に食べるお守りとした。

48分間という長めのバス移動を経て、最初の目的地・阿寺沢入口バス停に到着。ここからウォーミングアップを兼ねて、阿寺沢川の不動滝を目指す。

車道を進み、阿寺沢川沿いの階段を発見して降る。

民家の隣を通る細い路地を抜け、不動滝に到着。

滝周辺は荒れることなく良い雰囲気を保っていた。

しばし滝の静かな流れに癒され、来た道を戻る。


② 扁盃川へ入渓

不動滝を後にし、次はいよいよ扁盃川へ。

NTT東日本の電話交換センター付近から集落を抜けていく。

扁盃川へ入渓準備を行う。ここは結局堰堤があるので、手前の車道を先まで進んでいた方が良い。進んでいくと巨大な要塞のような砂防堰堤(14.5m)が出現。右岸の階段から巻いた場所。

谷の雰囲気が少しずつ現れてきた。

そして最初の滝を遠目に視認。この時点でテンションが上がる!

近づくと、滝前の倒木が凍りつき、静寂の中でひっそりと佇む姿が印象的。

凍てつきパート

この滝は上部2mがスラブ状で登攀は困難と判断し、右岸を巻いて進む。(ピンクテープあり)


③ 本流の右俣を進む

予定では左俣を詰める計画だったが、水量がほぼないため右俣(本流)を選択。

滝上に出ると、さらに2mほどの上段を含めて9mの滝と判明。

進んでいくと泥岩層の地形を確認できた。

やがて谷は開け、2条の滝が姿を現す。(ケーブル確認)

右側から登れると判断し、ロープを出して取りつく。

途中で中間のハーケンを打ったが、落ち口に乗り上がってつなぐところが非常に悪い。ムーブ的な悪さというより、滑りそうなのと単純に乗り上がった後で確かなホールドがなく、成功率は70%程度と見た。KKCに指示してもらって無事クライムダウン、右岸巻きに入ります。

その後も右岸巻きを選択しつつ、KKCはトラバースの訓練を重ねる。


④ 連瀑帯と核心部

進む先に連瀑帯が出現。最初の2つは難なく通過。

明るい場所の3つ目では休憩を挟んだ。

右から越えられる

最後の滝(4.5m+2.5mナメ)が核心部となる。

巻きがEasyではない地形で、可能であれば登ってしまいたい。実際登れそうだったため、右の隅から登り(スタンスは落ち葉で埋まり時に細かいがホールドは豊富)、4.5m滝の落ち口に乗り上がる。しかし、ここが滑っていて、安定したホールドまでも少し距離があり、微妙な感じ。クライムダウンもかなり微妙なため、冷静に見極めて覚悟を決めて登り切った。(本日の核心)

高所の木を支点に確保をとり、KKCをビレイ。

もう難所はないことを祈りながら進み、休憩にてあんドーナツを食べて大幅に回復。

予定より滝が多く、時間を要してしまったが、下山は沢下降ではなく、登山道で降ることに変更。バリエーションは途中で柔軟にルートを変えられる余地があり、その準備イメージも重要だ。

中を通過していく5mトイナメ滝。 割と綺麗な滝であったが倒木の堆積でやや場が乱れていた。

順調に水量を減らしていき、脱渓ルートを選定。

⑤ 詰め

KKCより左岸の尾根沿いのルート希望があったため、それを選択したが、一番ましな脱出路だったと思う。

(ゆるいパートに出たところ)

高低差200m程度の詰めの行程であり、普段山をやっていないとかなり足にくる斜面でもあった。

KKCは途中足の力を失い、ハイハイモード(ヘハイハイ)にて、踏ん張ってもらう。

無事、田和峠に到達した!


⑥ 数馬の湯へ!

ここは平坦で気持ちの良い場所で、KKCはここでアプローチシューズに履き替えた。下山は順調そのもので、温泉の裏手に到着。

数馬の湯には16:40に入ることができ、17:22の温泉センター発のバスにひとっぷろは間に合わせられる。湯船にも6-7分ほどつかれて最高。

帰路のバスでは52分間、心地よい眠りについた。

GPS


まとめ

印象的な名前の扁盃川は、滝が4本あり、うち3本がクライミング要素を含む地形だった。

特に核心部の滝は注意を要する場面も多く、スムーズなルート変更の柔軟性が求められる場所。阿寺沢の滝や温泉と組み合わせたプランは効率的で満足度が高い。(webに記録はなかったが人工物は2点確認できた)

左俣は伏流してた可能性もあるも、水が戻るかは不明です。下山が容易で温泉もあるので、終盤は快適でした。難易度は1級上、今回は情報がない中でのトライであったため、わずかにグレードは上がります。何が出てくるかわからないという感覚は新鮮であったようで、ならではの良さも楽しんでもらえたようです。

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