滝いろ|2024滝鍋@秩父

徒然草

活動日:2024年12月29日

活動の形態:滝鍋 (3名)

装備:軽登山靴、8mm×30m×1本

奥秩父での忘年会企画。同僚のFKSMさんと空四のKKCさんが参加してくれた。朝の秩父市は-4度。厳しい寒さが身に染みる中、滝と鍋を組みわせて1年を振り返る1日がスタートした。


① ラビューで秩父へ

池袋から初めてラビューに乗車。

快適すぎて驚く。車内は広々としていて静か、さらに料金も良心的。秩父がもっと身近に感じられる列車。

秩父駅で降り立つとキリッと冷えた空気で身が震えた。

レンタ屋でスタッドレス装備のルーミーを借り、「ラコマート」で地元感あふれる食材を調達。最初の目的地、三峰神社近くの竜門の滝に向かう。


② 竜門の滝での朝

荒川本流を渡る橋は、テンションが上がる。

その後のハイキングは、途中から川のせせらぎを聞きながら徐々に滝へと近づく流れ。

竜門の滝は、冬の朝の静寂の中でひときわ美しい。

全員が思わず立ち止まって眺めていた。

滝の下から荒川に流れ込むまでの整った水流が印象的で、1日のウォーミングアップには最適だった。

道の駅ではファミリーマートが併設されているのに気づき、どんどん便利になる秩父に驚く。(実際にはファミリーマート道の駅大滝温泉店は2020年の2月末に完成してたいたようで、見逃していた模様…)


③ 蛹沢の不動滝

次に向かったのは中津川側の蛹沢不動滝。初めて訪れるエリアだが、最初にアプローチポイントを誤り微修正した。滝へ接近してみる。

仰ぎ見る視点では両側の橋が視界に入り、滝単体での美しさを感じるには工夫が必要だった。ただ、橋の上から青空を背景に滝を眺めると、また違った趣がある。


④ 滝鍋へのトライ

大除沢の不動滝の前は冬場結構寒く、現場でやるかは迷っていたが、二人のやる気も高くトライを決行。

橋を渡ってしばらくしたエリアでは、足元に広がるのは巨人族の島にありそうな大きな葉っぱ。

これはホオノキと判定。日本国内でも最大級の葉を持つ広葉樹で、長さ30~40cm、幅20cmを超えるものもある。和名倉山の標高や気候条件に適しており、この地域では普通に見られる樹木のようだ。

3度目となるハイキングルートは、長さもアップダウンも適度で、絶妙なバランスが魅力。

短すぎず、適度な達成感で到達する。


⑤ 鍋の準備

不動滝の中段前の平らなスペースを拠点に、鍋の準備を開始。菜箸とトングが活躍する中、7年目のJet Boil ZIPの老朽化も目についた。(熱伝導効率の低下やバーナーの性能の劣化もあるかもしれない)

Jet Boilとは別のガス缶の火力も不安定で鍋がなかなか進まず、スペアリブや野菜をフライパンで調理してつなぐ。

ようやく完成した鍋は体を芯から温めてくれる一品で、寒さの中でのご褒美だった。

反省材料として、ライターが1本しかなかったことや、α6500の電池減少トラブル(不具合)を予見できず、モバイルバッテリーを車内に置き忘れたことも挙げられる。寒さが厳しい環境では、バックアップをより丁寧に行いたい。

※ αのバッテリー NP-FW50は交換せずに約7年使用していたが、リチウムイオンバッテリーは通常、3~5年程度で劣化が目立つとのこと。7年は設計寿命を超えており、性能低下のリスクが高い時期のようだ。NP-FW50は初期容量(1020mAh)を持つが、経年により大幅に低下していた可能性もある。


⑥ 下段の観察

2段目の鍋の準備途中、左岸から30mロープを垂らし、下段の滝を観察。

13~15mのスラブ滝は美しく、斜めの位置からその姿を撮影 (Go-Pro 7 静止画)

30mシングル+トラバースが必要。(滝の真ん前に行くには濡れる必要があり、この場所で捉えた)

寒さと水のリスクを感じながらも、優美さに心を奪われた。


⑦ 上段の滝と冬の静寂

鍋を片付けた後は上段の滝へ。こちらは直瀑で勢いがあり、一部氷柱を形成している。

太陽がほとんど差し込まない北東向きの地形が、冬特有の静寂を生み出していた。自然の力を肌で感じるこの場所は、訪れる者にエネルギーを与えてくれる。


⑧ 不動滝の懐

不動滝の魅力は、緩やかな傾斜の中に連続する3段の構成。技量や装備次第で楽しみ方が広がる場所。ただ、冬至に近いこの時期、滝前に光が届くのは早朝のみ。光が差さない分、滝全体が冬の冷たさと静けさを強調する風景となっているが、それがまた良いと個人的には思う。

仲間と滝と鍋を囲むことで、滝の流れとともに1年を振り返る特別な場が持てたことが何よりの成果だと感じる。


⑨ その後・まとめ

道の駅でラビュー用のお酒を購入し、帰路へ。今回の滝鍋は1年を振り返りながら充実した時間を過ごせた。仲間と楽しむ場の大切さを改めて実感した1日だったと思う。

下記は仕事と滝の振り返りです。

仕事面

仕事面では、最善を尽くして成果を出し続けたとは思っている。アップデートされていくプロダクトを背景に、いくつもの仕掛けを作り、より強い価値を効率的に提供できる形に近づいている。一方で、同僚との別れが続き、仲間が減っていくことへの虚しさやジレンマを感じた年でもあった。

それでも、人が行動し組織が変容していくプロセスに対する理解を深め、来年は「誰でも勝てる形」を一本の筋としてチームに浸透させたいと思う。技術的な進化もいくつか深めることができ、着実に前進している感覚を得られたことは大きな収穫だった。

滝的には

今年は滝活動において、唐谷川、小室川谷、初河谷で流れを掴んだ後、6~8月は多忙、さらには猛暑の影響で活動が停滞してしまった。9月には怪我をしてシーズンが終了してしまったが、11月後半からペースを取り戻し、体調を整え直している。

バリエーションとしては、多摩川本流の境橋ゴルジュ、出野沢や払沢の右岸支流、大グラミ沢、琴平沢など、よくわからないところの探索ができた。その他手薄エリアであった長崎や福井(越前)、千葉(下総)への理解を少し深められた。

特に心に残る滝として、下記の滝を今年の9本と選定。一回一回の活動を丁寧に行えたことは、何よりだと思う。

滑川渓谷 龍の腹

千綿渓谷 龍頭泉

初河谷 20m滝 (仮称:初河滝)

千綿渓谷 玉簾の滝

小室川谷 4段25m滝

初河谷 八反滝

唐谷川 二の滝

小室川谷 7m滝

初河谷 簾状 10m滝

個別ページを残していないが訪れた滝

浜松 仙巌の滝

川場村 兜滝

岐阜 岩舟川 萩の滝

実働は18日間 訪れた滝の本数は194本にとどまる。あまり奥深いところには行けず、量的には限られた時間の中で思うように進まなかった部分もあった。

しかし滝では、目には見えづらい部分にこそ価値があったりする。今年の活動では、滝に向き合う中で以下のような質的な価値を実感することができた。

  1. 日常への還元
    滝活動を通じて、日常生活に活力を与え、自然との触れ合いが日々のモチベーション向上に繋がった。一方で、過度な疲労や無理が日常に影響することも少なく、活動が健全な範囲でバランスを保てていた。(女鳥羽川を除く)
  2. 思考の整理
    滝では非日常的な環境の中で思考を整理したり、集中力を高めたりする場面が多くあった。滝前の静けさや、自然の中での身体の動きに集中する過程で、普段の慌ただしい日常では気づけないことに目を向ける時間が生まれる。こうした機会が、活動全体の価値をさらに高める要素となった。
  3. 身体的な鍛錬と健康
    滝へのアプローチや岩場でのムーブは、体力やバランス感覚の維持・復活に寄与した。怪我や体調不良を経験しつつも、それを乗り越えて活動を続けたことで、心身の回復力を感じることができたように思う。

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