黒川の大滝
黒川大滝【山梨県 北杜市 白州町 下教来石 / 鳥原】
滝の記録
訪問日 2018年5月20日
活動の形態:上級滝巡り,2級沢登り(3人) / 車×2
装備:8mm30m×2, 沢タビ
感動度:かなり~限りなく
①今年も南アへ!
南アの山域には山深さと綺麗な渓相において、
首都圏では味わないような良さがあり、
心惹かれるフィールドになっています。
黒川は情報が多くはない場所で、
中盤に地形図にも滝マークがある、
大滝があります。
②砂防事業
釜無川流域は、
1959年9月の伊勢湾台風の時、
酷い被害があり、同様の土砂災害を防ぐため、
いくつかの砂防事業が進められています。
(そのため、登山家が林道を歩いて通れるのは、
工事が行われない日曜日だけのようです。)
③林道と黒川下流部
林道歩きを約57分間で、
黒川出合の堰堤に行き着く。
立派なアーチ状の堰堤。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_entei1_A.jpg)
僕らの前には2名の釣り人がいて、
先に黒川へ入っていった。
堰堤は左岸から巻くが、
大部分にロープが張ってあって問題はない。
しばらくで大きな2段の堰堤が現れる。
(2013年完成 黒川第四砂防堰堤)?
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_entei4_A.jpg)
これは右岸から巻いて行くが、
大きいので少し時間がかかる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_entei4_B.jpg)
上部に行くと、堰堤の上には、
水が溜まって、湖ができていた。
大木の下部が水の下に埋まってました。
右岸をトラバースしていきましたが、
最後だけは腰上まで水につかっての渡渉となりました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_darklake.jpg)
すぐ上は砂浜があったりと美しい渓相。
進んでいくと2段4mの滝。
この後釣り人さんにお会いする。
左岸の台地を進んで欲しいとお願いを受け、
そちらへ。
④滝が連続
しばらく進めば2段の堰堤で、
これを超えていく。
(黒川第三砂防堰堤…??)
左岸枝沢の滝。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_eda10m.jpg)
2条幅広の滝
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2j2.5m_A.jpg)
続いていくナメ滝
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_3mname.jpg)
2段8m滝 (下段)
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2dan8m_A.jpg)
この滝は良かったですが、
左側の残置ロープが景観的には不要でした。
上段
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2dan8m_B.jpg)
1m滝を従えて角度を変える7m滝。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_7m_A.jpg)
真正面から
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_7m_B.jpg)
ここは右岸巻き。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_fuchi.jpg)
かなり深めの淵は、
左岸を微妙にヘツって突破。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2m.jpg)
2m滝を越えたら次の堰堤。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_entei5.jpg)
上部は魚が通れるようになっている。
大開発地帯が横切る。
⑤支流へ
その後二俣が現れる。
本流は左だが、右も少なくない水量で、
7mのナメ滝で出合っている。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_sagan7mdeai.jpg)
地形図を見ても割と近いところに、
何かありそうな予感がしたので調査へ。
小滝の後、4mナメ・5mナメを過ぎていくと、
チョックストーンの先に、
15mほどの滝が落ちていた。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_sagan15m.jpg)
巨岩を徐々に削りながら落ちているようで、
少しだけスラブが削り取られています。
それなりに良い場所でした。
なぜか、買ったばかりの、
オリンパスのコンデジが、
中央に「赤丸」が多発し、この滝前で
全く機能しませんでした。。
⑥核心部へ
しばらくは左岸から進んでいく。
廊下に落ちる2段5mの滝。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2dan5m_A.jpg)
独特の黄土色?黄緑色が強く出て、
砂浜も美しい滝前。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_2dan5m_B.jpg)
上の滝は上から見ると、
お尻のようで良い場所でした。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_oshiri.jpg)
小滝ではシャワークライムを楽しんだり。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_3m_A.jpg)
7mCS滝
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_7mcs.jpg)
⑦3段35m級の滝
砂で満たされた地面の前に、
突然巨大な滝が。
黒川 3段35m滝
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_35m_C.jpg)
これは大滝ではなく、
このクラスの滝があったことに衝撃。
逆光が強かったので、
NDフィルターを装着して見るも、
全然ちゃんと撮れないので、
お二人に相談したところ、
ISOがオートになっていて、
「12800」になっていたことが発覚。
これを100にしたら、
いい感じに撮れ始めました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_35m_A.jpg)
さらに、上部に行くと
2段目の前に行くことができて、
こちらも素晴らしい滝。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_35m_B.jpg)
鱗状の流れを高速で、
切り取れなかったのが心残りです。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_35m_E.jpg)
さらに上にも小滝が一段、
あるのを横からみれました。
⑧黒川の大滝
3段35m級を越えるとすぐ
幅が狭まった谷に、10m級の滝が落ちる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_I.jpg)
実はこれが大滝の下段で、
右岸からのトラバースを慎重にこなし、
越えていけば滝前に。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_J.jpg)
そこは上段と下段に挟まれたような場所で、
上段の真下へ向かう。
僕は右から突破して行きましたが、
危険だったのでお勧めできません。
この場所は、
下段の落ち口のちょっと上という感じで、
不安定な上、上段の流れを受ける、
お風呂みたいな穴の中で、
転倒してミラーレス水没は、
回収すらできるか不明の危険地帯。
慎重に慎重さを重ねて、
撮影体制を整えていく。
どん。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_A.jpg)
青空の中、完全な逆光。
水に足をつけ、足を開きながらの撮影も、
この場所だけはかかる飛沫が少なめ。
ゴールデンウィークで気付いたのは、
「白飛びが多いこと」と
「コントラストがない写真が多いこと」
であった。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_D.jpg)
NDで光の量を減らした上で、
測光モードをマルチからスポットに変更。
正しいのか不明ですが、
少し学習が活きた気がします。
(→後日上記は見当違いなことを学習しました。)
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_F.jpg)
緊張感を楽しめました。
右岸からBALさんが、
ロープを垂らしてくれたので、
脱出が可能となります。
最初のぼった時点では、
右岸から行けるとは思ってなかったので、
少し危険なことをしてしまったと反省です。
崖上から俯瞰。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_B.jpg)
上段は35m~40mくらいだろうか。。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_Otaki_G.jpg)
さらに上にも滝は続くようですが、
僕が見えた部分では2段45~50m程度でした。
⑨下山へ
今回は釜無川のゲートに戻るのではなく、
山の反対側、神宮川の石尊神社近くに、
車をデポしていて、反対側に降りるプラン。
上に続く大滝の続きも見て見たかったけれど、
時間があまりないので今回は断念。
35m滝隣の右岸尾根を詰めていきます。
割と登ったところで、
突然尾根の一部が岩壁となり、
狭いバンドを通っていくと、
目の前に砂状の急なザレ場がありました。
ここを登り切れば、
尾根に取り付けそうな雰囲気。
登れなければ、かなり戻って、
下山が危ぶまれる場面。
ここは僕が30mロープをつけて、
勢いをつけて一気に突破。
(フリー)
かっこよく上から、
アンカードビレイをしたかったんですが、
上部の支点の位置や場所が前回と違っていて、
全く機能しなかったので反省です。
その後ひたすら、
尾根を詰めて途中で北にトラバース。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_gezan_A.jpg)
尾根を下ったり、登ったりの繰り返し。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kurokawa_gezan_B.jpg)
水晶ナギが見えてくる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Suishou_nagi_B.jpg)
登り切って水晶ナギ。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Suishou_nagi.jpg)
素晴らしい絶景に感動。
あとはひたすら、
雨乞岳の登山道を下山していく。
一日の疲労から何度も休憩しながら、
のんびりと下山して、19時19分には
林道に降りて、行動終了。
その後釜無川の車の回収からの、
富士見町「つたの湯」で締めました。
⑩まとめ
黒川は堰堤工事用の林道が、
色々と伸びているので、
行き方によってはタイムは変わってきます。
中盤の滝群の雰囲気は良く、
穏やかな35m滝と厳しい大滝、
それぞれが良くて感動できました。
単純に大滝は今まで、
詳しくわかる写真がなかったので、
捉えられて嬉しかったです。
あとは、バリエーションルートとして、
反対側に無事、ルーファイの後、
下山できたことが大きかったです。
水晶ナギもなかなかの絶景でした。
今回のルートでの総合グレードは
2級ぐらいだと思います。
コースタイム
5:00 ゲート
5:57 出合が見える
6:43 堰堤上で腰上渡渉
7:44 2段8m 美瀑
8:17 魚が通れる堰堤
8:53 左岸支流の15m滝
9:29 2段5m廊下滝
10:03 3段35m滝
11:06 大滝上段真下で最初の写真
11:55 滝を降り始める
12:10ごろ 下段下で休憩
13:42 ザレ場を越えて確保試みる
15:52 水晶ナギ
19:19 林道着
19:45頃 車回収→つたの湯
→帰路へ…