奥美濃 川浦谷の滝
川浦谷の滝【岐阜県 関市 板取】
コメント
弓を射た。
そして、外れた。
それが今回の物語の始まり。
滝の記録
訪問日 2019年8月10日
活動の形態:ゴルジュ突破 / 車
装備:8mm×30m(計2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:けっこう~かなり (70m縁)
①平湯へ
北アルプス
小倉谷の代替案として始まった、
2019年 お盆の滝めぐり。
初日より2日前、朝の、
集合予定地が決まった段階で、
小倉谷の決行を確信して、
バスタ発、
平湯大滝がある「平湯」行きの便を抑えた。
(残席1)
そしたら、
その後天気予報が悪化。
情報共有を怠っていて、大いに反省。
②KAOREヘ
代替地は『奥美濃』
川浦(KAORE)谷流域へと変更。
既に「滝屋」は卒業し、
ゴルジュフォトグラファーを基本とした、
既存の型にはまらない存在へ転身された、
「山と溪の国」の滝ペーさんに、
平湯でピックアップをいただく。
(写真が大変美しく、
アツい活動が多いサイトなので、
まだ知らない方は是非見てみて欲しい)
「紀伊半島の滝」のパンダさんと、
滝ペーさんの両名がちょうど前週、
この地の驚異を体感。
今回の初日は、
かおれ谷のゴルジュ部分を対象とした。
海ノ溝洞の出合付近に、
ロープをフィックスして、本流に降り立つ。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_kouka.jpg)
③穴
川に降りて、
小さいけれど豪快な、
滝を目の前に。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_1.5m_A.jpg)
くつろぐ。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_river_B.jpg)
撮影をしていると、
2人の爽やかな沢屋さんに出会う。
この滝は斜め懸垂を交えて越える。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_1.5m_B.jpg)
すると岸には、
大きな穴があって、登って入り、
ドボンで降りれる遊び場となっていた。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_Ana_A.jpg)
淵が広がって行く。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_gorge_B.jpg)
④低燃費スイミング
ここからは泳ぎのパート。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_oyogi.jpg)
今になって思うことは、
泳ぎは中途半端ではいけないのだろう。
最初バタ足で進んだが、
この時は、疲れたが、推進力はあった。
その後、顔は水面につけずに、
ザックは背負って、なんとなく泳いでいたが、
それが中途半端というもの。
危うく溺れそうになりながらも、
屈曲する川を突破。
中途半端に泳いだので、
体力ゲージがマイナスに突入。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_river_A.jpg)
ピコン、ピコン、ピコン。
もう泳げません!
と、体のタイマーが悲鳴をあげる。
そうして問題の箇所にやってきた。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_A.jpg)
目の前には長さ70mの、
水の廊下が広がっている。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_D.jpg)
瞼をつむり、
少しでも体力が回復することを願った。
⑤ゴルジャーへの道
そうして泳ぎ始めると、
やはり流れが強く、
瀞の途中で、岩棚に這い上がる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_F.jpg)
そこから少し進んで、
水流にドボン。
しかし、とりあえず、
ドボンしてしまった感じで、
そのあまりの水圧に、
びっくりして、ただ押し流されてしまう。
全く前に進めず、
5~6m流されてしまった。。。
この局面、
ゴルジャーの滝ペーさんは突破できたのだが、
その滝ペーさんがロープを持っていないという事態。。。
持ってるのは僕で、
僕が越えないか、滝ペーさんが戻ってきて、
ロープを持ってもう一回泳ぎ渡るか、
どちらかしか、パーティとして先に進む道はない。
⑥魂のロープ
小学校の時の水泳授業で、
一学年100人ぐらいの中、
水泳帽に縫い付ける級バッチのうち、
初級が赤、中級が緑、上級が黒と、
色別れしていて、
高学年に進むにつれて、
ほぼほぼ皆(90人以上)、
緑以上の級に進んでいたが、
僕は確か最終学年まで赤。
緑を1枚手にするためには、
なんでもいいから25mを泳ぎきる必要があり、
最終学年の、最後のテストで、
犬かきで25mを越えて、緑を1枚手にし、
6年間の水泳生活を終えた気がする
しかし、ここでそんな、
過去のトラウマに囚われ、
魂のロープを絶やすわけにはいかない。
⑦覚醒してグルグル
体は水中の中今度は、
上流に向かって右側の岸の、
ホールドを掴みながら進むが、
水の流れが強すぎる。
ホールドと言っても、
そんなに掴みやすいものは少なく、
手のかかりは微妙だし、濡れているし、
何度も何度も引き剥がされそうになる。
頭はいろんな方向を向くし、
指先は容赦無く磨耗する。
足は片方、
そして、もう片方と、
つってしまったし、
時折水を飲んでしまうと、
苦しみでしばらくむせが止まらない。
2~3mぐらい
まったくホールドがない区間があって、
足を中に突っ込んだらいいと、
滝ペーさんからアドバイスが届くが、
足がなかなかその地点を捉えられない。
ついに両手の握力が尽きかける。
「しんどい!!!」
と吠えたことは数回。
水流の中、
10分近く耐え続けたが、
この辺で、逆にメンタルが覚醒してきて、
「いや、行けよ。ここ踏ん張れよ。」
みたいな感覚が降りてきて、前進。
一回近づいて、
連結スリング2~3mを掴もうとするも、
一度は流されてしまった。
それでも2回目には掴めて、
這い上がることができた。
もう、頭が痛くて、
グルグルで、ボロボロだったが、
何とかロープをつなぐことができた。
振り返った感じ。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_C.jpg)
⑧ハチミツシステム
ハーケンで支点構築して、
パンダさんにはロープを拾ってもらいたい。
しかし、ロープは、
先端がうまく浮いてくれず、
パンダさんにうまく届かない。
ここで僕が今回導入した、
コンデジの水を吸い取る布を入れて、
パンパンに膨らませて、リュックの胸につけていた、
通称
「ハチミツ」(黄色い防水パック)
に滝ペーさんが目を付ける。
そう、ハチミツの中に、
空気をパンパンに入れ、
ロープの先端に付けて流せば、
浮いて流れるので、
パンダさんにお届けすることができる。
そこからは、少し泳ぎ進んだ先から、
上流に向かって右側の、岩棚を這い上がって、
滝ペーさんがその先で支点構築。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_2m_A.jpg)
中間支点がなかったので、
そのあたりの処理に時間を要したが、
全員が岩棚のエリアを突破。
泳ぐパンダさん。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_G.jpg)
岩棚を降りてトラバース。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_70m_B.jpg)
それにしても、
滝ペーさんの泳力は凄まじくて、
水量の違いはあるかもしれないが、
沢屋でさえも、敗退や、
泳がずにトラバースを選択した70mトロを、
ザックあり、
ライフジャケットありで
その7~8割を突破してしまった。
⑨流される
この後は、
左岸の岩肌を通じてゴルジュ内で巻いて、
4m滝にさっと接近。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_4m_A.jpg)
擬態したカエル
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_kaeru.jpg)
ゴルジュの上。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_gorge_ue.jpg)
本谷のゴルジュより上は、
目立った滝はなくなる、
河原が主体、たまにトロ場となるが、
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_gekiryu.jpg)
一箇所あえて、
水流に近づき、そのど真ん中を経て、
渡渉しようとしたところ・・
足を取られてしまった!!
3~4秒は本当に、
そのままどんどん下流部に流されて、
あかん!!という感じだったが、
幸いすぐ下流部が少し浅くなっていたので、
そこで這い上がることができた。
見た目ではギリギリいけそうな水深の川で、
本当に流されることがあるのかと、
今までにない水圧で勉強できた。
⑩落ち着いていく
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_river_D.jpg)
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_river_E.jpg)
美しいトロに癒される。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_toro_A.jpg)
緑を横に。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_toro_B.jpg)
えぐれていい感じのところ
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_U.jpg)
吊り橋が見えたらそこで終了。
車道を歩いてさっきのゴルジュが見える、
橋の上に。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_gorge_A.jpg)
完!!!
![](../wp-content/uploads/2023/10/Kaore_GPS.png)
⑪まとめ
川浦谷のゴルジュは、
今までの常識が全く通用せず、
苦しい状態でしたが、
滝ペーさんの泳力で突破。
今回の水量は平水か、
もしくはちょっと少なめの模様。
今後スイミングスクールに
通う日は来るのであろうか?
⑫その後
この後、郡上市の
市街地の方に向かう。
宝泉という温泉は、
ほぼ隣に、オススメの中華屋が
あるというのだ。
その中華屋は、
「四季紅」と言い、
ハイボリュームなセットを
リーズナブルバリューで提供する、
謎の台湾系チェーングループだ。
四季紅ネットワーク・
互助組織の展開と出自、
そして今後について、
とても気になる所だが、
とりあえずこの日は、
海老マヨのセットを頼み、
その美味を堪能した。
コインランドリーによって、
今朝と同じ、運動公園へと向かった。 (松谷洞)