川苔谷の滝
【東京都 西多摩郡 奥多摩町 氷川】
ひとこと
東京で最もディープな滝の世界が、
慣れ親しまれた川苔にありました。
滝の記録
訪問日 2019年6月23日
活動の形態:キャニオニング/ 車
装備:8mm×30m (2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:かなり~限りなく(聖滝・2段22m滝)
①川苔に行こう
百尋の滝は3回目。
2011年、震災の直後に友人と。
2度目は2016年の5月に逆川の下山時に。
梅雨時で、週末も雨が多くなってきた。
今回は奥多摩の川苔谷のキャニオニングを計画。
川苔谷は百尋の滝が有名で、
そこに至るまでのハイキング途中に、
様々な滝を少し遠い場所から、
眺めることができるコースだ。
滝巡りでは下流部の聖滝も有名。
一方沢登りでは、
本谷を通して遡行されることはまずなく、
逆川の遡行が全体の9割以上を占めている。
②アプローチ手段
今回はバスではなく、
滝ペーさんの車にて訪問。
川乗橋よりも下流部の、
TOKYO トラウトカントリーさんの、
駐車スペースに、1日1000円を払い、
停めさせていただく。
(ここは7:00~17:00 までのようなので注意)
川乗橋までは車道、
そこからは3度目となる、
林道歩きへと入った。
その途中にて滝ペーさんから、
僕がずっとマムートだと思ってきていたジャケットが、
マムートではなくて、
マーモットであると、
驚きの事実を指摘される。
去年の夏から、大冒険を共にし、
窮地を切り抜けてきた戦友(ジャケット)の、
メーカーが違っていたのである。
言われてみたらロゴが違うなと、
感じてはいたが、
(マムートは象さん、モーマットは稲妻)
些細な違和感に気づくことができないでいた。
③3度目
とりあえず、
百尋の滝は見ないとあかんね!
ということで、歩行を進めるが、
予想以上に多い、滝の数々。
川苔谷の長大さに気づいてしまう。
一度も休まずに百尋の滝に到達したが、
全谷を撮影しながら、
下降するのは不可能であると判断。
初めてα(ミラーレス一眼)を持って、
向き合った。
④長滝の衝撃
長滝までは登山道を戻っていく。
長滝は、明らかに今までも、
近づければ良い滝に違いないと確信していたが、
そういう機会がなかった。
実はロープが張られていて、
気をつければ、滝の前に行くことができる。
右岸から広がる層の積み重なりが見事。
左岸に形成された洞穴も見事。
落差9mほどだが、
名瀑と言っても過言ではない。
⑤直滝の壺
この下を直接降りようと試みたが、
ちょうど下流部から、釣り人さんが接近して来られ、
釣りを始められた。
そのため、ここは一旦巻き上がって、
再び登山道が、川に接近するポイントで再入渓。
しばらく降りると、
通常は、導水管が邪魔になる、直滝の上に。
左岸の木から懸垂下降で滝前に。
なかなかの雰囲気!
落差はそうでもないが、
下からだと導水管は気にならないし、
滝壺も広くて良い感じである。
⑥スライダーともち麦
そこからさらに降れば、
突如吸い込まれるような水流の場所へ。
ここはスライダーで降りる。
↑↑このように、
滝を豪快に流れているのが、
滝ペーさんだ。
その下の7m滝はロープを出して降りるが、
ここは滝壺が深くてロープの解除には注意が必要だ。
滝ペーさんがここの下降の途中で、
ハーネスが緩んでしまい、
危ない目にあう。
どうやら、CAMP(カンプ)社
特有の締め方をしていないとダメなようであった。
バシャバシャと濡れてしまったので、
少し冷えてしまい、最近はまっている、
セブンイレブンの
『もち麦もっちり 焼肉ビビンバ』
等で、エネルギーを補給。
先日街中のセブンに行ったが、
別のもち麦シリーズが発売されていて、
焼肉ビビンバをまた食べることはできるのだろうか?
⑦どっぷりと
この後普通の川原をさらに降りてゆけば、
5mほどの深い淵を形成した滝がある。
僕は左岸の微妙な地形を渡って、
まき降りたが、滝ペーさんは滑り降りていった。
そうして橋の下には、
犬吊るしの滝と命名される、
2段S字9mほどの滝がある。
特に上から見下ろした時の、
左岸のえぐれ方が顕著。
川苔谷の見どころの1つである。
下からも。
2条6m滝
これもなかなか。
⑧2段22m滝
そうしたら、大きな滝の上に出た。
ここを下降していくのは、
しっかりとロープワークを
身につけていないといけないが、
水にまみれて、面白い。
途中で止まるシーンがあったので、
ATCアルパインガイドで初めて、
仮固定を行なったが、
ここでリズミカルに歌っていたら、
一回振られて右に落ちてしまうという
ポカをやってしまった。
今回は30mロープ2本の連結であったが、
この長さで下までは足りる。
(写真を撮っていただく)
しかし、最後の6m級の箇所は、
瀑水に突撃するような懸垂下降になり、
勇気が試されたが、滝裏に潜ると、
ほとんど水はこない場所があった。
ここは撮影。
さらに離れると、
左岸の突き出た岩塔が滝を極めて印象付け、
素晴らしかったのだが、
上部が白飛びしてしまい、
また構図的にも全くまとまらない形に。。。
⑨夫婦滝と逆川
その下がいよいよ、夫婦滝。
中央部分を下るが、滝壺は深い。
ぽちゃ!は確実なものの、
この日の水量では、この滝の登攀は
大変厳しいものになるだろう。
そこからは穏やかになって、
左岸からは3年前に遡行した逆川の合流を受ける。
⑩石灰岩
その下で1.5mの吹き出し滝、
2条の滝となりながら、
石灰岩の谷に姿を変える。
1.5mは右岸から巻き降り、
2条の滝は、ダイブはしないで、
左岸沿いに水流をまたいで越えた。
実はこの滝、
3年前に聖滝を見た後、
巻いて姿だけは確認していた。
ここからは物凄い景観で、
そして、すぐに聖滝ゴルジュの出口も確認。
一通り撮影した後、
残置ハーケンから伸びるスリングの先に
お助けを繋げて、3m級の滝下まで下降。
⑪聖滝ゴルジュの核心
この場所が異常だった。
川苔谷本谷の水の流れは、
この聖滝ゴルジュにて極まっている。
とにもかくにも白い。。。
美しい。
いままでの滝体験にない異質で、
水飛沫、場の力が異常に高く、
心を奪われてしまった。
水を浴びるごとに、
体内の水分バランスが、置き換えられ、
塗り替えられていくかのような感覚。
さらに2段分泳いで降っていけば、
聖滝ゴルジュは終了だが、
残り時間を惜しむようにゴルジュを堪能する。
聖滝
あとは、林道に這い上がり、
車まで戻って終了。
ありがとうございました。
⑫まとめ
川苔谷の聖滝~直滝+長滝を通したことで、
こんな世界が東京・奥多摩にあったのか、
と衝撃を受けました。
空間の高いエネルギー。
様々な場、水しぶき、光景、音。
それら全てのものが、まとわりついて、
バリア、ホールドされた48時間ぐらいを過ごしました。
と同時にがっつりと滝モードになりました。
しかし、滝めぐりは切り替えが重要。
良い体験を循環させるためには、
時にインターネット環境を遮断することが
非常に大切だと実感しています。
以下、滝の循環マップ(仮)
キャニオニングは、
通常の滝巡りの領域ではなく、
独自で行うには経験値が必要です。
体験には、ツアーを運営されている
会社さんにご連絡をしてみてください。