訪問日 2025年7月27日
活動の形態:2級下沢登り+α / Car Share / 2名
装備:フェルト足袋 / 8.0 mm × 30m + 8.0 × 20m
感動度:かなり~限りなく (御茶ノ水滝)
所在地:山梨県 大月市 七保町 瀬戸
① 小金沢へ
この週は日曜日に小金沢本谷を企画。
以前、2016年の年末に滝鍋企画の朝練で鶏淵の滝まで訪れている。timesが最近満車が多いため、2つ目のカーシェアを契約してみた。
出発前には談合坂SAにて軽く朝飯を食べ、エネルギー満タンで挑むことができた。
久しぶりに林道を歩く。

当時は退避所8番から斜面をロープを出して降りていっているが、今回は遡行記録に倣って、支流の沢を下降。途中3m級の滝があった。

本流に降り立つ。
脈々としたところ。


しばらくした後のエノマゴヤ沢を受ける流れ。

狭まる箇所
② 鶏淵の滝

8年7ヶ月ぶりに訪問。
空間が思いの外広く、立派な場を形成している。水流に入ると厳しいかなと思ったが、その外側でルートは完結している。取り付きとそこからの角を回るあたりの踏み込みが滑りそうな所だったが、そこを越えたら問題ない感じ (III+)

③ 穏やかな下流部

すぐ上の2条滝

穏やかな流れ
小金沢本谷は広い谷の中に光が差し、平坦ながらも時に深くなる様相となった。

泳げるところ

振り返って
この先で蒼翠の羽を持つ、ミヤマカラスアゲハを観察した。

低くゆっくり飛ぶ近くを飛んでいるのが印象的だったが、これは吸水や場所探しのための雄の行動として自然なもののようだ。年に2回、春と夏に発生するようだが7月下旬ということで、夏timeに遭遇したものと思われる。

深めに入るところ


横たわっている超巨大倒木。とても楽しいところ。
この倒木がいつからあったのか調べてみたが、少なくとも2021年07月15日には沢に1本は横たわっているのを確認した。(4年以上前から存在)

小段エリア

オレンジと吹き出す水
この噴き出してるところは、鉄分を多く含んだ地下水の湧き出し口と思われる。地下で鉄が溶けた水が岩の割れ目からにじみ出て空気に触れると、鉄が酸化してサビとなり、岩肌に水酸化鉄の粉が張り付くことで、このような色になっているようだ。
④ 2段滝とその上
2段7m滝に至り、とりついていく。

美しく待ち構える

左から
この上の部分を超える際に流れが強いのでもぐにロープを出した。

足を取られないように進む

美しく続く上段
上段は右から行ったほうが簡単だが、左から進んで少し際どいところを二人とも通過できた。

この先で2連の堰堤があるため、右岸から巻く。
⑤ 若芽から白緑のゴルジュ
堰堤を超えた先の世界

2段の小滝

双子岩があるところ

平坦なところ

若芽から白緑に輝く淵

ここは本当に美しいところだった。
小金沢は付加体の砂岩泥岩互層からなるが、特に底の砂岩率が高いと反射が効き白みが増してくる。水深は深すぎると濃い色になるが、浅すぎず、深すぎない30cm〜1.2m程度であること、薄曇りや樹間光が中心の柔らかい光があると、黄~橙の色味が抑えられて上記のような色合いに近づくと仮説づけた。

流れが強いところで左岸から巻く

歩けるところ

流れが強いところ

特徴的な倒木オブジェ
⑥ 前半ゴルジュの終焉

深いところ

浅いところ

いい感じ!と思えた場所

ここもまた良い
いよいよ右岸から大樺沢の大滝が合流し、一区切りの地点となる

我々は不動滝までを目指していたが、のんびりペースだったので、今日は困難と判断。
本谷の流れを挟んだ大樺沢の風景はかなり、気に入った。
右岸に脱出経路を確認し、御茶ノ水滝の観察に向かう。

⑦ 御茶ノ水滝へ
今回エスケープとなったため、脱出ルートは確証は事前になく、もぐは脱出のための体力温存のため、途中で待機となった。


ところどころアクロバティックに進んだ。
コーナーを曲がるとすぐに御茶ノ水滝の威容が見えてくる。

滝に接近するには、確実に泳ぎが必要でここは数m泳いで渡った。

これは素晴らしい滝!

奥の本体の滝前に前衛の泳いだ滝壺を含めて幾重もの岩が門番のように折り重なっており、格好良い。

あえて、この日この先に進む必要がなかったのも、純粋に滝に向き合えて良かったのかもしれない。

この滝が見れて良かった。
⑧ 脱渓、その後
戻ってもぐに合流し、先ほどの脱渓ポイントへ。
実はこのポイント踏まれており、尾根に上がる直前にはロープもあって完璧な脱渓ポイント。
次回はここから降りて、次を探っていこうと思う。
ちなみに、林道に出ると大樺沢の続きの流れが少し目に入るが、人工的なスライダー構成を水が流れ、サイドも人工化されている悲しい姿になっていた。林道はくねくね曲がっていくので、戻るのには時間がかかる。不動滝まで行けていれば2級だったかと思うが、この日は2級下と判断。

この日は3パーティいて、我々は真ん中に駐車場を出発したが、最後のパーティには終始会うことなく、上流部に向かわれたのかもしれない。
小金沢公園のトイレがすでに閉まっていたため、着替えたのちは深城ダムまで移動。

僅かに時間を過ぎていたが、新たなダムカードを入手することができた。
品川区の拠点まで戻って、この日は八宝菜で大量の野菜を摂取して、コンプリート。
今回は深い森の中で、水の力を大いに感じる美しいフィールドだった。
【今回のジオ】

陸から海へ土砂や石が流れ込み、それが何度も重なった砂岩と泥質砂岩。左は割れ目と酸化鉄汚れを伴う砂岩、右は全体に茶灰色をした泥っぽい岩で、表面にはうっすらとくすんだ緑が混じっている。