雨棚+鬼石沢の滝
鬼石沢の滝【神奈川県 足柄上郡 山北町 中川】
SUMMARY
Kとの久々の活動の舞台は、西丹沢の鬼石沢。緩やかな舞台の沢で、時にアスレチックムーブを交え初級沢登りを堪能する。畦ヶ丸頂上にてほっこり休憩。
帰りに雨棚へ接近してまみえた、その衝撃の上段とは?過去との統合を果たし、無事に帰還するが、野鳥たちの姿を捉えるその道のりはまだまだ始まったばかりであった。
滝の記録
訪問日 2020年6月21日
活動の形態:1級上+α (2人) / 車
装備:8mm×50mm+7.5mm×50m, 沢タビ
感動度:かなり~限りなく (雨棚)
①再出発
僕とKとの出会いは、約9年前に、事を発する。
中国大陸での生活に向けて、同大学からのチームの顔合わせがあった時だ。
大陸でも、日本に帰国後も滝を中心に旅を続けてきて、お互いに紆余曲折があったが、再び2人で活動ができた。
②林道と自然歩道
対象は鬼石沢。
7年前に地獄棚と雨棚を見に行ったときに、車を止めた地点の直前が崩落していて、林道入口からどこかに停める必要がある。(7年前:地獄棚と雨棚)
前回はわりとすぐに大滝沢に入渓して、大滝も下から見て、堰堤も巻いたが、今回はずっと道を辿る。
大滝
マスキ嵐沢に出合ってからは、一気に高度を上げて、大滝沢本流と雨棚を高巻く。
この辺り常に中遠望を首にぶら下げ、野鳥撮影の機会を窺ったが叶わず。
避難小屋のところから入渓。
③鬼石沢 序盤の滝
最初の滝。
右からノーロープでトラバース気味に。
次の滝は13m程度。
茶色が綺麗で下部の岩も主張がある。
左から取り付く。
真ん中に残置のハーケンとボルトがある。
一本付け足して突破。
Kがハンマーを持っていなかったので、懸垂してハーケンを回収。
ここから先はロープを出すような箇所はない。
④鬼石沢 中盤の滝(鬼石)
中に突っ込んでのぼる。
「リハビリには良かった!」と、そう言っていた。
不思議な黒丸の岩。
鬼石がある滝!
ここは沢のちょっとした屈曲部になっていて、野鳥が集まる楽園的な場所であった。
しかし、野鳥の撮影には失敗。。。
岩の真ん中から抜けるルートはザックが重いと厳しい。
上に押しやってから空身で登った。
⑤鬼石沢 終盤の滝(CSと詰め)
乗っかった巨岩が凄い堰堤
お魚型の岩
その後、チョックストーン滝には苦戦。
右手に思いっきりガバがある。
ただ、あまりにもスタンスがなく、上半身にバランスがかかりすぎて怖い。
ここもザック有りでは無理で、押し上げてからの空身でぎりぎり突破。
右手の甲が少しダメージを受けた。
詰め地形が始まる。
そんなに長くもなく、キツくもなく、登山道に合流することができる。
⑥登頂して緩やかに
せっかくなので畦ヶ丸へ登頂!
畦ヶ丸では、 ホットコーヒーで温まりました。
今は、小屋は工事中でした。
この後、稜線を歩いたのち、東海自然歩道の捨太郎沢沿いの道を降っていく。
行きにも少し休んだ小屋の前に。
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⑦大きな滝の上
ここで、雨棚下降の準備をしていると、マスキ嵐沢を遡行し終えたカップルにお会いする。
なんだか雨棚を降りるのではなく、登った凄い人に、勘違いされてしまったようだった。
原因は僕の会話が下手くそだったためだろう。
しばらくは、自然歩道沿いに戻る。
自然歩道が上に伸びる地点で鬼石沢と、大滝沢の名前が曖昧なゾーンに侵入。
この沢で一番滝壺が美しいであろう滝。
大きな滝の上に出た。
⑧険しい地形
ここで衝撃的な事実が発覚。
雨棚は一枚岩の大滝ではなかった!
さらにその上に少なくとも2段15m級の滝が続いている!
2段の滝は、それぞれが壺を持っているため、上から簡単に懸垂で降りていけず、どちらかから巻くのが順当。
この風景は僕らの想定を越えたものだった。
復帰戦のKくんは戦意を喪失。
ここは無理をしてもらうわけにはいかず、僕だけ50mロープを2本持って、右岸から巻き降りることにした。
右岸の樹林帯を進み、急傾斜を慎重に下降。
最後は240cmスリングを木に巻き付けて降りた後、2段の滝の真正面に立てた。
⑨あまんたなの上段
おそらく今までに見た人は多少いるんだろうが、少なくとも僕の事前情報にはなく、なかなかに凄まじい場所になっていた。
見ると、下で合流予定のKが不安だったのか瀧上にいた。
僕が三脚を出すと安心したのか、手を振り動いていった。
⑩大滝の懸垂下降
さて、雨棚の地形は忘れてしまっており、あえてもう一度見ることはせず、企画しており、右岸の樹林帯から懸垂が始まることは確定。
河原を見下ろすと、過去の体験からニコニコより低い!と判断!
同様に50m2本を持っているので、降りれると確信。
降りていくと、樹林帯がずっと続いている。
これはロープが絡まる可能性を強く感じる。
なので当初の予定よりも少し降りてから、支点をとった。
50mロープ(8mmと7.5mm)を連結したが、径の差に大きな問題はなかったものの、なにぶん長いので絡まって絡まって大変。
そして、雨棚横の岩をカッコよく降りるつもりだったのに、外れの反対側の崖を選択してしまっていたことに気づく。
(しかし左岸から降り始めようとしたら、上段の滝前に立つことは多分できない。)
一度水流側に接近。
途中でピッチを切ろうか迷ったが、引いたらロープが動いたこと、意外とロープがピンと伸びていることから継続。
⑪過去との統合
無事降り立ち、引いて動いて安堵。
しかし100m分のロープを束ねるプロセスは、肩にダメージを与えた。。。
三脚を用いて撮影。
そしてそれをしまい終えようとすると、地獄棚の前あたりにKが来ているのを発見。
集合場所は、マスキ嵐と大滝沢の合流点あたり。
ロープの絡まりで下降が遅れていたため、「死んだ」と思ってここまで来てくれたそうだ。
崖滝5.5mのクライムダウンは、悪くなっている?のか、ギリギリ落ちずに戻る。
そこから下の地獄棚との両門のナメもよく滑る滝で慎重に。
地獄棚
いつか見た2本の滝に7年ぶりに再会。
Kにはご心配をおかけしたが、貫き通したかったルートを通せて満足。
あとは、来た道を辛抱して歩いて終了。
ありがとうございました。
⑫まとめ
POINT
① 林道:大滝沢は林道が崩れてしまったので、入口付近に停めて歩く。
② 鬼石沢:初級沢だけどアスレチックムーブも。
③ 雨棚:上段は痺れる世界だが危険。降りるなら反対の左岸がオススメ。40m 2本以上の長さ。不安な場合は50m 2本で。スキルの復習に。
Kは復帰戦として、良い動きをしてました。
野鳥の撮影は、めちゃくちゃ難しく、前途多難です。
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