地域面でも長さでも活動領域を広げることになったのがこの東黒沢でした。
滝の記録
訪問日 2015年7月18日
活動の形態:沢登り(2名) / レンタカー
装備:沢タビ, 7mm×30m, 泊装備
感動度(ハナゲ):けっこう~かなり
所在地:群馬県 利根郡 みなかみ町 藤原
①谷川連峰へ
谷川連峰での初めての遡行とビバーク。その大きな目標に向けて、「東黒沢経由でナルミズ沢を登る」という計画を立てた。沢泊も初挑戦だったので、この日のために長い時間をかけて装備を揃えてきた。
谷川連峰は群馬と新潟に跨る厳しい山域で、これまで足を踏み入れたことがなかった。そんな舞台を前に、胸は高鳴る一方で不安もあった。
出発日は台風11号(ナンカー)が日本海に抜けた直後。直前まで雨が続き、初日の天気も芳しくない。鉄砲水のリスクもあり、計画がうまくいかない可能性が高かった。だからこそ「まずは現地で様子を見て判断する」という慎重さを残したスタートになった。
②東黒沢
ナルミズ沢へは東黒沢という
湯桧曽川の支流を詰めて行くルートが
現在主流になっているようです。
今回は僕らもそちらを選択。
さっそく沢に行ってみます。
しかし荷物がとんでもなく重い。
食料や泊まりの装備が
ずしんと体にのしかかります。
入渓点↓↓

これは、
いけるのでは?
進んでいくと最初の滝が現れました。

若干降る小雨に増水を喚起させられますが、
しばらく進むと沢の空気がガスってきました。
③雪渓

。。。
まだ序盤の「ハナゲの滝」
にもついてないタイミングでのまさかの雪渓
なんとか突破しても
この先終わってるのでは?
しばし呆然としましたが、
さすがにハナゲの滝を見ずに撤退をするのは
ありえないだろうと雪渓を突破。

雪渓はこの先現れず、
岩をよじ登ったりしながら、
続くナメ床を登っていきます。
④ハナゲの滝

ハナゲの滝は素晴らしいナメ滝で、
この日は水量が多かったです。
滝前も開放的で登ろうとすれば登れるし、
もっと滝めぐり的にも
訪れられてもいい滝だなと思いました。
ただ、沢登りだけでなく、
キャニオニング等でも訪れる方が多いので、
滝めぐり的には早朝アタックがいいと思います。
滝に向かって左側を登っていきます。

今回は水量が多く上部での対岸渡渉は困難。
よく踏まれた巻き道を利用して上へ抜けました。
⑤谷川の楽園
ここから先は東黒沢の真骨頂です。
滑床がひたすらに続き、
ほぼ全ての滝が登れます。
(とは言っても滝めぐりの初心者が
いきなりいけるレベルではないです。)
ところどころ支流が合わさるので
そこは気をつけないと迷いますが、
東京近郊では味わえないような
雰囲気が最高でした。
【白毛門沢との両門滝】

右が本流。左はより沢的には登られる、
支流の白毛門沢です。

登攀の一瞬一瞬が
感情を突き動かしてきます。
その先にある、
真ん中に釜を持つ5m滝。

左からはあと一歩が厳しく、
結局右から登りました。

滑床の途中少しゴルジュ帯があり、
水量的に少しお助け紐をだしました。

まだまだ続きます。

この滝は左から登りました。友人は右から。

2つ目の両門滝を左に進むと、
通称「スライド滝」と呼ばれる
複雑に流れが組み合わさった
規模の大きな滝が現れます。

この滝がそのように呼ばれていることは
知らなかったのですが、
たしかに素晴らしい形状で、
ここも目的地の1つに
なっていいのかなと思います。
上部↓↓

この先には一見8mくらいですが、
上部にナメが続く
長さ20m程度ある滝が待っています。

豆焼沢や竜喰谷も良かったですが、
この東黒沢のナメは1歩抜きん出ているなと感じました。

最近、後半の写真が壊滅的になっていたのは、防水デジカメをポケットに入れたまま移動していたのが原因でした。
服が水飛沫や汗で濡れ、その水分でレンズが曇り、拭くものもなくなる──という負のスパイラルに陥っており、同じ失敗を繰り返し過ぎたと痛感します。
⑥源流へ
支流との合流を過ぎるたびに
少しずつ水量は減っていき、
源流感が増していきます。
鞍部にまっすぐ北に伸びるのが本流なので、
コンパスをみてきちんと支流の判断をします。
卵みたいな岩と滝↓↓

こんな岩は沢の前半にも一個ありました。
源流部に入ると水量はまだ多く、やがて1:1に分かれる不明瞭な地点に出ました。とりあえず中央の尾根を藪こぎで進むと平坦地に着いたが、目印はなく、さらに北へ進んでも下りは現れず丘が続く。軽く迷子になった感覚に。
地形図を頼りに谷形を見つけて下降すると、やがて水流が現れる。
北へ伸びていたため「これはウツボギ沢だ」と確信。途中でコンパスを紛失するアクシデントはあったものの、無事に沢へ降り立てたときの安堵感は大きかったです。水量が多く、一瞬「もしや東黒沢を下降してしまったのでは」と疑ったほどで、もしそうであれば時間的にも非常に厳しい状況になっていました。
続きはナルミズ沢ページにて。
東黒沢は、詰め上がっても登山道が近くにないため下山に時間がかかり、一泊を前提とする必要があります。そのため「ここだけ」を目的に訪れる人は少ないもの、内容的には本当に素晴らしい沢であり、最後のルーファイを除けば初級者にも適したコースです。
アクセス
Step1 白毛門登山口駐車場へ
Step2 駐車場奥を自然に進む
Step3 登山ルートと別れ入渓
Step4 詰めた場合日帰りは難しい