奥美濃 明神洞の滝
明神洞の滝【岐阜県 本巣市 根尾上大須】
滝の記録
訪問日 2019年8月12日
活動の形態:3級下沢登り(ピストン) / 車
装備:7.3mm×40m(計2本), 沢タビ, 撮影機材
感動度:けっこう~かなり (全体的に)
①思考のリセット
朝、ラステン洞戸。
松谷洞の翌日。
ラステンとは、
大自然に囲まれて、
安らぎがある休憩地のような
場所を意味するドイツ語らしい。
起きて、鼻うがいを行う。
温泉が、体を流し、
ランドリーが、衣服を整え、
鼻うがいは、感情や思考のゴミを、
物理的にリセットする。
鼻腔の奥底には、
不必要な感情がこびりつき、
自身の判断を鈍らせてしまうことが多い。
②山の反対側へ
本日の目的地は、
昨日までの川浦谷から見て、
山の西の反対側。
揖斐川水系
根尾東谷川の
「明神洞(みょうじんぼら)」である。
WEBで見た、
5年前の駐車スペースと、
今とでは大きく変わっていた。
草はボーボーに生え、
落石も多く、変化の大きさに驚くばかり。
ゴーロを進んでいく。
F1の6m級の滝があり直登。
1m級の滝を過ぎると、
いよいよ主瀑の明神滝が現れた。
かつてこの地域がまだ、
根尾村であった頃、明神滝までは、
道が続いていた。
③「入口」であり「門番」
ここから始まる明神洞の世界は、
ここを越えないと見ることは叶わない。
直登と、高巻きの2ルートあるが、
高巻きとは名ばかりで、
直登ルートよりは、
やや遠い場所を登攀して、
落口トラバースする、
えげつないルートである。
僕らは迷っていたが、
滝ペーさんが、
「挑戦しなければ、何も変わらない!
まずはやってみましょう」
とのことで
空身で直登に挑戦する。
滝ペーさんは残置ハーケンに、
カラビナをかけてくれたが、
シャワーを思いっきり浴びて苦戦。
ロワーダウンで戻ってくる。
「全く足の置き場がなくて無理です!!!」
とのことであった。
④酸素の確保
しかし、冷静にみても、
高巻きルートの落ち口トラバースの方が、
よほどに危険であるので、
僕も挑戦をしてみる。
空身では初めての、
ロープをつけた登り。
シャワーを浴びながらになる、
後半の核心部前に、
ヌンチャクを1つセット。
そうして、降り注ぐ飛沫の中に入ったが、
予想よりも「ばっさばっさ」浴びていく展開。
空気が全く吸えなくて、
「んっ!!!」と、
すぐに胸が苦しくなる。
黄色いジャケットで、
一番上まで上げてしまっていたジッパーを、
少し下に戻して解除して少し楽に。
⑤ボルダームーブ
そうして少し冷静さを取り戻し、
この課題においては、
左足の外傾したスタンスが、
核心になると勘付く。
幸いなことに、
ガバホールドは多かったが、
問題は右足のスタンスが遠く、
一見して踏めるかわからないこと。
この時、心は、
少し宙に浮いた状態でもあったが、
先にスタンスを拾えることを信じられて、
流れ、勢いを生み出して、右上へ。
春からのボルダリング集中が活きたのか、
ダイナミックムーブが決まってくれた!
数手手を抜かずに、体が安定すると、
一気に心は落ち着いて行く。
僕以上に二人が、
喜んでくれていたのが嬉しかった。
パンダさんは、
大きな目をまん丸にして、
「めちゃめちゃカッコよかったで!」
と自分のことのようにはしゃいでくれた。
⑥意図的な水没には…
ザックを引き上げると、
例のハチミツ袋がもう、
空気を溜めこめなくなっていて、
中のアイフォンが、おかしい。
突如として電源が切れてしまった。
強いダメージを受けて、
お疲れモードに突入してしまったのだろうか?
後々確認したところ、水没だった。
アイフォンは8時間お風呂に、
沈めても大丈夫などというのは大嘘で、
特に小さな傷などがあったら、
そこから侵入し、一瞬で水没。
またアイフォンを身につけて泳ぐなど、
意図的に濡らすことは、避けるよう
規約に記載がされていたので
(アップルケアでも無償の修理対象外)
みなさん注意しましょう。
⑦異世界の側壁・祠・トンボ
明神滝を越えると、
すぐ上には 釜を持つ3m滝があり、
左から細かいスタンスを拾って突破。
左右、そして上下を見渡すと、
両岸の側壁が、
高く高く上まで続いている。
7m級の滝は、
異世界へようこそといった雰囲気で、
僕らを歓迎。
振り返った釜!
そしてそれが、
曲がりくねって続いてく。
修行僧が通っていたという祠!!
俗世間から隔絶されて、
悟りが開けそうだった。
エメラルドグリーンの体を持つ、
ミヤマカワトンボ!
⑧岩のラビリンス
苦手ムーブを練習したスラブ滝
圧倒的V字側壁1
圧倒的V字側壁2
少し屈曲すると、
【物凄い壁】
このあたりは、
岩の力の凄さを体感できる場所。
⑨釜滝とともに
時折現れる釜滝が良い感じ。
3段10m滝
振り返る!
2段8m滝
7m滝
どんどんと高度を上げていく。
⑩藻と安全と
少し残念だったのは
黄緑色の藻が大繁殖していたこと。
この藻は、一部がヘドロのようになり、
また大部分が、ゆらゆらと不気味に
水に漂って揺らめいていた。
※あえて、写真は載せないでおきます。
二俣を過ぎ、左へ入り、
最後の目的地として設定していた、
15m滝がなかなか見えない。
ここは滝ペーさんに
偵察をしてもらうこととした。
その間、パンダさんとは、
安全管理のお話。
「あわや悲劇」
という事案を最近も耳にしたが、
幾多もの危険をくぐり抜けて、
健在でいらっしゃる言葉の重みは違う。
そして滝ペーさんが戻ってくる。
15m滝は遠くて、
「しょぼい!」とのこと。
引き返します。
⑪下降
帰りは来たルートを引き返すが、
時に際どいムーブを強いられ、
ドボンする機会も複数回。
コンパクトデジカメに、
連写モードというのがあって、
飛び込みの瞬間を捉えやすいのがポイント。
しかし、連写したい間は、
押し続けなければいけないので、
そこは注意が必要。
明神滝上の支点スリングが、
多少切れかかっていたので、
パンダさんが再構築。
明神滝は途中空中懸垂となるが、
空中懸垂への切り替わりがポイント。
日帰り引き返しルートのグレードは
IV級のムーブがあり、
二俣ピストンの総合グレードは2級上~3級下
登攀系ということにしておきます。
そんなこんなで、
たった1日の滝巡りでも、
ありとあらゆる角度で学びが多過ぎて、
それらを1つ1つ昇華させるためには、
もっと時間が欲しい
というのが正直なところ。
⑫その後
この日も、宝泉、四季紅、
コインランドリーとつなぐ、
カオラースタイルを実践。
この日は初めて露天に進んだが、
そこはなかなか良いところだったし、
回鍋肉定食(おそらく)も、
満足がいくものであった。
この日は序盤と同じ、
運動公園に戻り、夜を過ごした。
(翌日は海ノ溝洞)
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