プロローグ 沢登りの始まり
執筆時 2019年
α 滝のトレンド
滝めぐりというのは、
ここ5~6年といった短い間でも、
急激に領域が変わってきています。
トレンド的なものもあるんですが、
1つは僕自身も意識的にやってきたこととして、
滝と沢の領域の融合というのがあります。
今までは滝に行くためのルートとして、
時に沢登りが必要というニュアンスだったのですが、
最近の僕の活動というのは、
一見、滝巡りをやっているのか、
それとも沢登りをやっているのか、
よくわからないように見えると思います。
でもそれには、
必然的な流れがあったのです。
β 滝めぐりの限界点
感動度が高い大きな滝というのは、
日本にたくさんあるわけなんですが、
クライミング技術や、ロープワークが
それほどなくても行ける滝というのが、
かつての滝めぐりの領域でした。
しかし、体力は必要だけれども、
クライミング・泳ぎ・ロープは
ほとんどなくていける場所の範囲内で、
良い滝に行き続けていると、
次第にその難易度の中で行ける
感動度の高い新規の滝が、
ほぼほぼなくなっていきます。
その時に
「目の前に反り立つあまりにも大きな壁」
を見上げ、
もう無理だと、
滝を引退してしまう人が
多くいたのです。
僕もそんな未来を感じました。
以下滝めぐりの持続性マップ
なので、あえて、すでに行けるであろうけど、
感動度の高くて、少し体力がいるような、
滝めぐりの世界では「難関滝」
と呼ばれるようなところを辿るのをやめて、
(当時でいえば、三沢大滝・百四丈滝・八町・火吹谷大滝など)
感動度は低めだとしても、
「自身の実力UP」を決意し、
沢登りの世界へと足を踏み入れたのです。
γ 美しさと厳しさ
沢登りの世界というのは、
数々の滝を谷を通して味わうことができます。
決して見栄えのする大きな滝が、
頻繁にあるわけではないんですが、
非常に美しい世界でした。
しかしながら、
とても険しい世界でもありました。
僕の場合ほぼほぼ一人で行ったので、
進退極まって、死に物狂いで抜け出したり、
登攀ができないので、高巻きを鍛えて、
トラバースに自信が持てる脚力がついたり、
かなり特殊なルートを辿りました。
本編 沢登りを今始めるなら
①候補地を多く持つ
僕のページの中で、
沢登りを始めるということは、
滝めぐりをやってきていて、
沢登りルートに挑戦したり、
初級の沢でトレーニングをしたい
といったところを課題に思っている方が
ほとんどなんではないかと思います。
そんな中で大切なのは、
沢登りのガイドブックを一通り揃えて、
自分の中で初級の沢リストを作ることです。
そしてその中でも
今の自分でも行けそうな場所から、
慎重に、慎重に、1本ずつ挑戦していきます。
ここで大切なのは、
どれだけ多くの候補を揃えられたかです。
②天気予報をより正確に読む
天気予報を正確に読めるツールというのに、
SCWというものがあります。
これは先輩方に教えてもらったのですが、
雨雲の動きをスーパーコンピューターで予測していていて、
より詳しく地域を見ていくことができます。
天気が悪いからいけないのではなくて、
天気が悪くても、どこかに行ける。
そのためのツールです。
③見極める目・ログ
下記に少しだけおすすめの沢を挙げていますが、
基本的にはガイドブック等で沢の総合グレードが1級
であれば、中級~上級滝巡りを行なっている人は、
挑戦することができる難易度です。
しばらくはガイドブックを見ていていいのですが、
慣れてくると、地形図や、簡単な遡行記録を見ただけで、
だいたい初級の沢だなとわかるようになります。
流石にそれは1日2日では難しいので、
後々の理想形の1つです。
後、ログは取っていくと良いです。
地形図を見ることに繋がるし、
GPSアプリの使用は近年のトレンドで、
頼りすぎはもちろんダメですが、
遭難防止の重要なツールの1つです。
i-phoneの場合は、
ジオグラフィカがおすすめ!
アイテムに関しては、
用語集のページ内の必要そうなものを
徐々に買い足していってください。
また、数はすくないですが、ウェアページにも、
一部お勧めを挙げているので、ご参照ください。
④おすすめ選
下記はどれも、
中~上級滝めぐりが問題なくできる方が対象です。
時間があれば、
データベースから読み込んでみてください。
1-首都圏起点 オススメの初級沢登り
東京・横浜・川崎・さいたま・千葉から
神奈川県。表丹沢。僕自身も最初の沢登り。簡単な滝登りが楽しめる。
神奈川県。西丹沢。大滝とその上の小滝群が綺麗。ルーファイには注意が必要。
東京都。奥多摩。ここはトレーニングになるし滝登りも楽しい。
2-関西起点 オススメの初級沢登り
大阪・神戸・京都から
奈良県。川上村。台高山地。水が恐ろしく綺麗。初級だが少し沢慣れは必要。
西川 洞谷川
京都府。季節によっては入渓できない時期もあるので注意。ごく短い区間だが楽しく遡行できる。
奈良県。川上村。台高山地。名前のある滝が連なる初級沢登り。