澗満滝
澗満滝―【長野県 下高井郡 山ノ内町 平穏】―
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沢遡行に敗退して、
王道のトラバースルートで到達した記録です。
帰りは途中に間違えて、
50mぐらいの絶壁隣の崖に迷い込み、
1分程かなり死に近づきました。
滝の記録
訪問日 2014年10月26日
活動の形態:中~上級滝巡り(単独)/レンタカー
装備:サワートレッカー, アプローチS, 7mm30m
感動度:異次元
①前夜
約1ヶ月ぶりに滝を見ようと思いたち、
気になったのが長野県の澗満滝。
長野県の滝は
あまり見れていないし、
衝撃をうけるクラスの滝に
対峙してみたくなりました。
ルートは展望台からの
下降・トラバースルートと
2キロ下流からの沢ルートの2種類。
今回は比較的安全と思われる
沢ルートで行くことにしました。
②山之内町・入渓点へ
行きは下道で向かいましたが、
距離にして270kmくらいあり、
ほとんど夜眠れなかったです。
とりあえず展望台に向かい、
2km下流の入渓点に向かいます。
沢装備で出発です。
③敗退
事前情報では
普通に沢登り2時間前後で
前衛の両門滝に着くとのことでしたが、
いきなり堰堤が連続します。
1つ越え、またもう1つ越え、
3つ目の上にフェンスのついた堰堤につきました。
左岸から巻きますが、
どうしても絶望的に危険な箇所があり回避。
反対の右岸に回ってみても
同じくルートは皆無で、
死ぬ気で突っ込んで
抜けること自体はできそうでしたが、
そもそもそんなことをするのでは、
比較的「簡単」なルートではないし、
戻ってくるのもとても困難なので
1時間以上粘った挙句リタイアしました。
堰堤をカットする道があったのか、
大高巻きをするのか、死ぬ気で突っ込むのか、
道が崩壊したのか、よくわからなかったです。
④滝マインド
じゃっかんもやもやしたまま
高山村の雷滝に行くプランに変更し、
とりあえず敗退の状況を
滝通のお二人に報告しました。
すると、BALさんから即、
無事が一番とのことと
展望台からも試してみたらとのお言葉が。
簡単、とされるルートに敗退したこと、
6mm×10mしかなかったこともあり、
諦め、想定からは外していた
展望台ルートですが、
突然滝マインドに火が付き、
挑戦してみることにしました。
⑤トラバースラインの確保
展望台ルートはアプローチ開始点の
不明瞭さが尋常ではないです。
この時は未熟だったので地形図がなく、
カンで斜面を下って行きました。
木々に捉まったり、
時にお助け紐を使用しながら
下降していきます。
しかし、この先には
滝壺につながる明瞭な道が待っているのか、
それが果てしなく不明な下降であり、
変なところを降りてしまえば、
二度と這い上がれなくなるのではないか?
さらには、単純に滑落の恐怖に襲われます。
しかししかし、
澗満滝をたまに遠望しながら降りて行ったら、
ピンクテープを発見!!
ついに滝壺につながっていくであろう
トラバースラインを確保しました。
この時の安堵感は言いようがなかったです。
展望台からのトラバースルートは
滑落せずに滝にたどり着きさえいい
という形なので、
訪れた人のとったルートは
皆少しずつ異なっていて、
自分自身で道を見出さないといけません。
⑥両門の小滝
ここからは
悪名高い澗満滝へのトラバース。
このコースは以前死者が出たようですが、
普通に滑落したら助かる高さではないです。
息をひそめながら、
小尾根とルンゼを交互に越えて行って滝に接近。
次第に川との距離が近づいていき、
両門の小滝に至ります。
この滝は正面の上から見下ろすと
秀逸なカッコよさであり、
結果的に右側から直登することになります。
靴の履き替えが面倒だったため
アプローチシューズで突っ込みました。
直登して多少ぬれつつも水場を突破。
いよいよ澗満滝がその姿を現します。
⑦秘境、KANMAN World
姿を現し始めた瞬間、
ここがまず最高にカッコ良いです。
少しずつ近づいて行きます。
たどり着いたのは
展望台からはけして伺い知れない
迫力満点の大滝と秘境感ある滝空間。
両門の小滝の突破というのが、
多少危険だからこそ、空間の価値が
増しているのではないかと思います。
規模感も水量も接近性も秘境感も
全てが申し分なかったです。
滝前のプールの、
開けた感じもとてもいいです。
奥に僕の青いリュックがあります。
即日でリベンジできたのは良かったです。
ただやはりルート自体は危険であり、
ルートに対してのイメージがわかない場合は
経験者などの同行が必要だと思います。
再び戻って展望台へ。
(戻る途中に変な崖に迷い込んで、
死にかけました)。
雷滝へはよらず、帰路へつきました。
アクセス
Step1 志賀高原へ
Step2 展望台から眺める
Step3 滝壺は経験値を積んでから