カロー大滝
小川谷 カロー大滝【東京都 西多摩郡 奥多摩町 日原】
滝の記録
訪問日 2017年10月7+8日
活動の形態:中~上級滝巡り+α / 電車+バス
装備:8mm20m, 沢タビ
感動度:けっこう~かなり
①雨が降った
今回はかなりお気軽な気分。
感覚を下げないことが一つの主目的。
前日夜から朝にかけて
結構な雨が降るとのことで、
普段は水量不足が問題の、
カロー大滝をチャンスと見る。
雨が10~11時ごろまで
小雨で降りそうだったので、
東日原11:25着でルートを組んだ。
鍾乳洞見物の人たちは、
街の格好とあんまり変わらない感も出て、
学生時代を思い出したバスのひととき。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Inemuraiwa_2017.jpg)
東日原から鍾乳洞手前まで歩く。
売店前にて沢靴に履き替える。
②タワ尾根
本来は日原川の小川谷は、
林道沿いに歩いていけて、カロー大滝も
そこまで大変な滝ではない。
しかし、東日本大震災によって、
林道脇の岩が崩落したのか、
長らく通行止になっていて、
小川谷支流に行くには、
「タワ尾根」と呼ばれる
急な尾根で迂回する必要がある。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Issekizan_temple.jpg)
一石山神社の看板があり、
階段を登って行く。
工事中でルートがわかりづらかったが、
とにかく裏山の方に進んでいけば良い。
急登との記載があったが、実際に急登。
ペースを落とさずに進めば、
やはり疲れてしまう。
キノコがたくさん生えてました。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_Akebonosakurashimeji.jpg)
個人的にキノコへの注目度は
最近増してます。
一石山の案内。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Issekizan_A.jpg)
③迂回す
迂回してる記録は2種類見てました。
小さく迂回するのは、
最初のピークを過ぎてから
降り始めてすぐに案内があるという
ウォーターウォーキング2の記述。
大きめの迂回は一石山を過ぎて、
次の山の手前から尾根を降りるという
宗像さんの記述です。
一石山までは特に降った箇所の記憶はなく、
むしろその少し手前に、工事中なので
小川谷林道へは降りれません。
という小看板がありました。
一石山を過ぎたら降りがあったものの、
逆にそこには案内がなく、怪しいので、
大きめに迂回するルートを選択。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_higashi_kinoko_kata.jpg)
と言っても、道はないので、
適当に東に伸びる尾根に横移動していって、
尾根とも谷とも言えない微妙な箇所を
一歩ずつ林道へ近づいてきました。
途中、一瞬黒い何かが、
遠目の目の前から
消える瞬間を目撃。
多分、クマでした。
マスタケ?
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_higashi_masutake.jpg)
白いキノコ
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_higashi_kinoko_shiro.jpg)
最後は今までの経験に基づく気合いで、
ひたすら降ります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_higashi_A.jpg)
林道が見えてきたところ、
なんと崩落防止の鉄柵が
林道への降りを阻んでました。。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tawa_higashi_saku.jpg)
しかし、わずかに水が流れる
支流の下だけは柵がなかったので、
そこに移動し、ハーネス装備して、
5m弱の懸垂で林道に着。
正解の尾根よりも
南側を降りてしまったので、
困難を強いられました。。
④カロー谷を駆ける
林道を少し歩いて
カロー谷出合まで進みます。
![](../wp-content/uploads/2023/10/nippara_Ogawa_rindo.jpg)
まさかまさか、迂回ルートに
これほど時間を取られるとはおもわず、
カロー谷は沢沿いを遡行予定だったのですが、
全く不可能な時間になってしまったので、
作業道は全て利用することにします。
カロー谷は下部に少しいい感じの
ゴルジュがあるそうだったので、
それを体験できなかったのは残念です。
ひたすら作業道を進むと、
突然道がなくなって、
沢沿いを少しで、
布状にかかる7mの滝があります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_7mnuno_A.jpg)
ここは、道があったかもですが、
右岸の急斜面を小さめに巻きました。
そしたら上に橋がかかっていて、左岸に移動。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_kinoko_oicho.jpg)
すぐに別の7m滝があります。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_7m_A.jpg)
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_river_A.jpg)
この先も出来る限り、作業道に乗りますが、
一部川の渡渉などは必要でした。
⑤カロー大滝
後半、刺がある植物が
密生するあたりで道は消滅。
沢沿いを進みます。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_togetoge.jpg)
2段5mの滝
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_2dan5m_A.jpg)
これを越えるとカローの大滝が待っている。。。
どん。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_F.jpg)
この滝としては納得できる水量。
少ないと上部は1本の筋になってしまうよう。
これが、翌日だったら多分、
結構減ってしまっていることが予想されます。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_B.jpg)
右岸側を少し岩が覆っているのもいい。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_A.jpg)
俯瞰をすると、
上段と下段のバランスが良く、
30mはある規模感なのがわかる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_E.jpg)
絶望的に時間はなかったですが、
いろんな角度から撮影をしてみました。
⑥登山道へ急げ
滝下から右岸側に山道が伸びているらしく、
そこの入り口が危ぶまれたが、
それはあっさりと発見。
参考にしたカロー谷のレポは、
この谷を詰めるコースだったので、
そうではなくうまいこと山道で
主要な登山道に出れないかと、
山道に乗り続けることを選択。
しかし、山道は延々とトラバースを続けて
登山道に行ってくれる気がしない。。。
これは、まさか隣の別の谷の、
小屋とかと繋げるための
生活的な道なのでは?と判断。
すぐさま近くの支流を登り始めるが、
この日の動き方が悪かったのか、
ももの前をつってしまい、
回復に時間を取られる。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Karo-_Yamabushitake.jpg)
そこから、何度も何度も
尾根を乗り継ぎながら、
北の主要登山道(天目山の西あたり)を目指す。
最終バスの時刻は18:52。
登山道に出てから
東日原のバス停までの参考記録は、
2時間と記載されていた。
(この辺りは当日、この時間ごろ把握。)
そしたら、何としても、
登山道に16:52までにつかないと、
いけないがそれはかなり厳しい状況。
つけても、季節的に早々の闇下山が確定。
バスを逃したら、
奥多摩駅まで闇の中3時間以上かけて歩くか、
高額なタクシー利用ができるのか?
東日原に宿はあるのか?
など不明事項が多数。
バスに間に合っても、
泥だらけでKKのまま、電車帰りルート。
ところどころ、クマの足跡があり、
兎にも角にも、登山道までの
尾根の間の緊急ビバークだけはありえない。
沢登りの詰めでは、
「あ、光が見えた!
あそこが登山道のある箇所に違いない!」
って思ったらそこは
目的の稜線から派生する、
尾根(もしくはそのさらに枝尾根)で、
反対側も下がってるからそう見えた
なんてのはザラで、
今回もそれを、
4回ぐらいやってようやく登山道。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Itagatanomine.jpg)
⑦一杯水
とにかくダッシュで下山を目指す。
そしたら小屋にたどり着く。
看板には「一杯水」と書いてある。
ちょうど水に不安があったし、
汲めるなら汲みたいと様子を見てみると、
人が現れた。。。
あるお方
「散らかしちゃってて、すんません。」
「(ん?)水って汲めるんでしょうか?」
あるお方
「汲めると思いますよ。3分ぐらい先で。泊まって行かれます??」
「いや、なんとか下山したいです。」
と、一旦お別れし、水を汲みに行く。
1リットルは汲めてこれは安心。
しかし、その間にもみるみる暗くなっていき、
最近、ヘッドライトの明かりが暗すぎて、
闇下山に不安を抱えていた。
(後に、電池の残量不足であることが判明)
こんな時のための避難小屋なわけだし、
明日も自由だから泊まるのはアリ
なことに気づく。
避難小屋に戻って、中に入ったら、
床がしっかりしていて、洗濯物のハンガーと、
かける場所まで用意されていた。
どうやら僕は本日3人目らしい。
ここでは、防寒着を
最低限は持ってきてたのが幸いし、
全体的に着替えて、そこそこあったかく変身。
⑧宴
靴も履き替えて、モコモコしてたら、
もう一人の方がやってきた。
荷物を置いたまま、天目山の山頂を
見に行っておられたとのこと。
帰りにいきなり暗くなって
焦ったとのことだった。
見知らぬ人と、
夜の山小屋で過ごすなんて、
奇妙な体験だったけど、
みんな山が、好きなんだろうな
という妙な安心感があって、
自然と色々話してしまう。
最初のお方(Aさん)は
登山歴30年のベテランで、
公共交通機関をベースの
近郊の単独行がメインの方。
天目山から帰ってきた方(Bさん)は、
猟師の免許も取っておられる、
30歳前後の神奈川の方。
宴が開かれて、Aさんには
ウイスキーやチーズをいただき、
Bさんにはリプトンのあったかいお茶や
バナナをいただいた。
それぞれの重層感ある
山のお話が聞けて単純に楽しい。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Ippaimizu_utage.jpg)
持っていた、ろうそくはなかなかいい感じの
雰囲気を醸し出すのに、貢献しました。
ただ、ビバーク装備は皆無。
唯一、
エマージェンシーシートを持っていたが、
ごわごわしていて、正直使いにくい。
バスタオルを床に引いて、
硬さの軽減を試みたが、それでも硬く、
しかもめちゃくちゃ寒い。。
起きては寝ての、ちょっと苦しい夜でした。
シュラフとマットさえあれば。。。
1日目 コースタイム
~のんびりと奥多摩に向けて移動~
10:58 奥多摩駅バス発
11:25 東日原
11:53 沢装備後階段の前に
12:41 一石山
13:13頃 クマ目撃
13:51 鉄柵に阻まれる
14:07 林道に降りる(迂回完了)
14:18 カロー谷に入る
14:45 7m布状の滝
15:36 カロー大滝着
15:46 カロー大滝発
~詰め上がりで苦戦~
17:03 登山道…
小屋→水汲み
17:25 再び小屋
18:13頃 既に真っ暗で宴中
→就寝
⑨山を降りる
翌朝。寒かったので一番早めに起きて、
荷物をまとめていく。
荷物を置いたまま、
天目山山頂を踏みに行くが、
ここでBさんとはお別れとなる。
しかし、誤って15分ほど
東日原に下る道を行ってしまい、
タイムロス。
天目山はひらけていて
かなり眺望が良かった。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Tenmoku_view.jpg)
急斜面の尾根を強引に降って、
ダッシュで小屋に戻るとAさんはまだおり、
天目山が拓けている真実をお聞きする。
僕はしばらく休んで
一人になってから出発した。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Ippaimizu_hinangoya.jpg)
たまに狭いところはあるけれど、
概ね非常に歩きやすい尾根で、
小屋から1時間足らずで降りてしまった。。。
(闇下山できた可能性大)
下りの尾根にあるなかなかの三本杉。
![](../wp-content/uploads/2023/10/Yokosuzu_3honsugi.jpg)
バス停で入念にストレッチ。
今回、もも前がつってしまったのも、
普段含めて滝の前後にもっと、
ストレッチをやっていこうと誓いました。
もえぎの湯は
早い時間からやっているのはいいです。
ただこの時間でも結構混み気味で、
7年ほど前の著しく湯船が汚れていた、
あまり良くない記憶を、
塗り替えてくれるものには
なりませんでした。
奥多摩駅周辺の大きめの温泉は、
残念ながら完全に、
需要と供給のバランスが取れてないです。
2日目 コースタイム
6:03頃 小屋出発
ルートミス…
6:47 天目山(三ツドッケ)
6:52 天目山発
7:02 小屋着
7:16 小屋発
8:16 登山道の入り口付近
9:07 バス出発
→氷川の三本杉→もえぎの湯→帰路へ…
⑩まとめ
雨後のカロー大滝は、
期待を裏切らないくらいの水はあり、
(めちゃくちゃではなかったですが)
訪れて良かったです。
天気の回復具合を待ったこと、
あとはタワ尾根東のルーファイ、
キノコ写真を撮りすぎてしまったこと、
そうしたことが、今回の遅れに繋がりました。
ストレッチと緊急ビバークを兼ねて、
マットは今後なるべく用意していきたいです。
避難小屋ビバークは、
お二人と色々お話できたこと含めて、
山屋としていい経験ができました。
小川谷林道は2018年にも開通しそうなので、
カロー大滝は開通後まで
待つことをお勧めします。