那須 阿武隈川 白水沢の滝
白水沢の滝【福島県 西白河郡 西郷村 小田倉】
コメント
最近、天気が悪い週末が多い。
ただ、それでバッドになったり
していたらエネルギー的に勿体無い。
天気というのは、
自分ではコントロールしようがないことで、
プロ野球の試合結果のようなもの。
この日、非常に天気は悪かったが、
わずかな隙間があり、活動は起こせると判断。
阿武隈川へ向かったのであった。
滝の記録
訪問日 2019年9月29日
活動の形態:1級上沢登り(3人)/ 車
装備:8.0mm×30m (1本), キャニオニア3, 撮影機材(三脚含む)
感動度:まあまあ~けっこう
①潜在意識の抵抗
朝、某町のレンタ屋で
メンバーを待っていると、
ルーキーの竹内くんから、
寝坊したので、今日は辞退したい
との連絡が入る。
なんとか説き伏せて、向かってもらい、
しばらく経つと、今度はリハビリ戦となる
Kくんからも電話が。
こちらも、寝坊したとのことだが、
説明して、向かってきてもらうことにした。
往往にして人というのは、
運命が激変する瞬間に、「変わりたくない!」
という潜在意識が働いて、
ブロックをかけることがある。
それが2人の寝坊という現象で、
共鳴を起こしたのだろう。
僕は近くのファミレスで、
優雅にモーニングを食すこととし、
気づきなどをメモしながら、
カフェラテを飲んでいたが、
予想よりも早く2人が来てしまい、
結果的に僕が一番遅れてしまった。。
②3度目の阿武隈川
阿武隈川流域は、
2015年の本谷と、一昨年の南沢。
2度訪れているが、
1度目:阿武隈川源流の滝
2度目:阿武隈川南沢の滝
東北道+インターを降りてからの近さの、
利便性がものすごく良く、
温泉もいいので、また来たいと思っていた。
しかしながら、2人の寝坊もあり、
入渓時刻は10時を越えてしまっていたのである。
しかも小雨が降っていた。
大黒屋さんの前を通らせていただき、
白水滝と堰堤を少し見にいく。
その後、小さめに高巻こうとしたが、
Kが持っていた、ヤマレコかヤマップの、
人の歩いた足跡みたいなので、
もっと大きくではないかと
道を進んでいくと、
それは衣紋滝へのルートとなっており、
何本か滝をスルーしてしまう結果となった。
(入渓時刻が遅れていたので結果的にはこの日は正解)
③衣紋滝と三点支持
河原に降り立ったら、
すぐに、滝が見えてくる。
このあたりで雨は止んでくれて安心。
竹内くんは沢足袋を履いていたが、
まずは、いろいろな岩場に足を置いてみて、
自分の靴と、岩との相性を知っていくことが大切。
衣紋滝
言われてみれば、
少し衣っぽい感じ。
今回、少し動画撮影を行ってみたが、
「水平線」や「ブレ」を意識していなくて、
悲惨な感じになってしまう。
滝に向かって左横に道があって進むが、
ここの岩場で、三点支持の学習。
三点支持は、
日常的な動作ではないので、
小滝や簡単な岩登りで、
動きを練習していく必要がある。
無事乗り越えるとができた。
④ロープの練習
その後そこそこの規模の滝が現れ、
ちょっとロープ出す練習もしたいよね
ということで、
僕が登って、
残り2人にはフリクションノットで
登ってきてもらうことに。
ちょっとしたロープワークが、
すぐに実践できる場が嬉しい。
次の5~6m滝は少し立っている。
しかし、繋がっているので、
僕は左から直登(III~III+)。
2人には左から巻いてもらう。
④激スリップ
しかしこの先で、
つるっと滑って、宙に浮き、
脇腹からダイレクトで岩に落ちてしまった。。。
激痛で、逆に笑いが出てしまいながら、
転げ回る。。。
折れた感じはしなかったが、
嫌な落ち方で、テンションが下がってしまう。
普段は決してはかないキャニオニア3を、
こういう日に履いてみるかと思っての発生。
こういう溪相
ゴム靴にはあまり詳しくはないが、
こういうあまりにも無力なフィールドでは、
生死に関わってしまうので、
沢登り初級者さんには、
これからもフェルトをお勧めしていきたい。
⑤穏やかな小溪
気を取り直して先へ
基本的にはナメと小滝が続く、
赤茶けた渓相で、
とりわけ素晴らしい感じでもないが、
柔らかい雰囲気をのんびりと味わえる。
二俣では少し休憩し、
その先の二俣が両門の滝。
ここは左俣に進路を取るが、
クライミングとなる。
⑥登攀と詰め上がり
2人とも絶望的な顔をしていたが、
ここは「余裕」と判断。
中間で一枚ハーケン支点を取り、
上部へと抜ける。
竹内くんのように、
滝初心者の場合、体が確保されていても、
斜面への信頼や筋力的な問題もあり、
かなりの難所であったと思う。
途中、止まってしまうシーンもあったが、
色々頑張って全員突破。
続く滝は右から巻いて、
トイ状から続く連瀑帯の前で、
尾根への移動を開始。
紫色のきのこ
約210m標高差があり、
想定した時間は53分ほど。
始めての沢や、久しぶりの沢の2人には
かなり険しい斜面ではあり、
しんどい思いをさせてしまったが、
40分台で、登山道に到達することができた。
竹内くん談
「しんどかったけど、登り切らないと、
帰ることはできないですから」
⑦下山
その後は一般登山道。
途中から葛折りで進んでる割には
なかなか降りれないゾーンを突破したら、
行きの道に合流して車まで。
完!!!
時間としては17時前で、大黒屋さんの
日帰り温泉の時間は終わってしまっていた。。
⑧温泉の効用
新甲子温泉 みやま荘さんにて入浴したが、
こちらも広々と入浴できて、
とてもあったまることが出来た。
滝の後の温泉というと、
「体の汚れを落とす」という意味合いを
僕は昔から一番に考えていたが、
それはごくごく一部の要素に過ぎないことを、
最近気づいてしまった。
「滝で冷えた体をあっためること」
「重力のストレスから体を解放すること」
この2点、
つまり「心身の健康」にとって、
大変に重要な行為であるので、
強く推奨していきたい。
⑨当たり前の水準を変えよう
いろんなお話をして、某町に帰還。
ルーキーの竹内くんには、
正直ハードすぎる内容で、
(なんだかんだの道や痕跡がなく、
直登やロープワーク、詰めありの滝体験)
こういう活動をたまーにやっておけば、
一般的に言われている「難関滝」が
余裕になっていることは間違い無いのだが、
トラウマになっていないかが心配です(苦笑)
Kくんにも
いいリハビリになったことでしょう。
沢靴に関しては、
「2度とゴム靴は履かない!」などと、
感情的になってしまいましたが、
ふと思い直して、
10時間ほどリサーチ。
モンベルさんにてラバー足袋も購入し、
だいぶ知識を深めることができました。
⑩人生を激変させる滝めぐり
たった一回の滝活動で人生は激変するし、
それには惰性でやらないことは結構重要。
今回はみんなでこういう感情を得たいなとか、
こういう化学反応を起こしたいなとか、
思い描いた未来を予定通り実現させるために、
「カメラを止めるな」じゃないけれども、
軌道修正を繰り返していきたいと
考えています。
今回の動画!