巳ノ戸谷の滝
巳ノ戸大滝 五平窪の滝—【東京都 西多摩郡 奥多摩町 日原】—
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奥多摩の谷へ向かった7月のこの日。
結果的に向かったこの谷は
険悪な要素を秘めており、
僕にはまだ早いステージでした。
出会いに救われた1日です。
↓八丁山の西の谷が巳ノ戸谷。
滝の記録
訪問日 2015年7月12日
活動の形態:沢登り(単独→3名) / レンタカー
装備:サワートレッカー, 7mm30m×1+α
感動度(大滝):まあまあ~けっこう
①くじかれた出鼻
本来の目的地は小川谷支流滝上谷。
からのカロー川谷下降でした。
しかし、いざついてみると、
期間限定の通行止め状態でした。
とりあえず日原鍾乳洞、
売店裏に見えた滝に接近してみました。
小川の大滝ではないみたいです。
巨岩が落ちまくる危険地帯でした。
②はてさて
大雲取谷や小雲取谷も考えたものの、
八丁橋からの林道歩きが長すぎて躊躇。
日が出てから大きな移動も避けたい。
といったところでリサーチしたら、
ありました。
現在地から近場で良さそうな沢が。
八丁橋からの歩行時間は10~15分。
ガレ場を下って日原の本流に降り立ちます。
③本流遡行からの
林道からは遥か下に感じ、
ただの川だと思っていた日原川。
しかし実際に目の前にしてみると、
水量豊富で渓相は良く、
イメージを覆されました。
5~10分で右岸から
巳ノ戸谷が合わさります。
(下降地点を間違えなければ、
本流遡行の必要はないです。)
④巳ノ戸大滝
読み方は「みのと」。
奥多摩の中では秘瀑度高めの滝で、
ごく一部の人しか訪れていません。
(沢屋釣り人を除く)
入渓から10分程度、
進んでいくと姿を現しました。
さらに近づくと…
巳ノ戸谷はなぜか先入観として、
もっと水量が少ないイメージでした。
しかし見ての通り普通に多く、
下流部に位置する大滝は豪快でした。
東京・奥多摩の滝の中でも、
見る価値がある一本に入ると思います。
直登は不可能と言われています。
⑤平穏を経て忌山へ
大滝を右から越えると、
20分ぐらいは、
極めて穏やかな流れとなります。
平穏さは突然終わりを迎え、
谷はゴルジュへと姿を変えます。
小滝が続きます。
それなりに悪場と感じました。
無事小滝を越えると、
2段の滝が現れ、ここからが、
忌山(いみやま)の悪場の核心部です。
ここで休憩し、
装備も強化しました。
⑥撤退覚悟
最初の取り付きは右から。
トラバースは渋くて諦めます。
右の直登は厳しめで左側へ移動。
左ももっと厳しく動けません。
これは右岸の高巻きか。。
ぱっと見、登りがそうとうシビア。
高巻きがダメだったら撤退か、
と思ったその時、
後ろから2人組の沢屋さんが現れ、
一瞬で右から登ってしまわれました。
唖然。ぽかーんとしていると、
取り付き部分の登攀を助けていただきました。
かつ、最大の難所も
確保していただきなんとか突破。
単独では困難だった領域に
足を踏み入れられて感謝です。
リーダーの方はシゲさんと言って、
沢歴が何十年もある達人の方でした。
⑦美しい滝々
忌山の悪場最後の6m滝を越えると、
その後は特別難しい場所はありません。
美しい滝々が待っています。
途中右岸から、
蛸(たこ)口窪・孫七窪・五平窪
と支流が滝で合わさりますが、
五平窪の滝はスダレ状で流れが美しく、
一見の価値があります。
ただし、沢沿いなら、
忌山の悪場を越えないとならないですが…
本流の2段滝…
⑧下山
巳ノ戸谷は下山が難所です。
左岸沿いの仕事道への目印、
空き缶と赤テープはもう、
失われてしまったようで、
山葵田の跡地の少し手前を目印に登ります。
すると仕事道(廃道気味)があり、
それで戻ります。
途中崩落箇所があり、
その先の分岐は右へ。
その後は不明瞭なところもあり、
高めに登って道を取り戻し、
2番目の分岐は右後ろ斜めに折れる道へ。
この先は途中で完全に道が消えるので、
もしシゲさんがいなかったら、
沢に向かって懸垂を繰り返してたことでしょう。
20~30m急傾斜を下ると再び仕事道があり、
しばらく進むと日原川にかかる橋でした。
そこから日原林道はまもなくです。
(巳ノ戸谷の的確な下山は入念な
地形図状での下調べと、経験が必要です。)
⑨その後&まとめ
お二人とはゲートで
写真をとってお別れし、
僕は小中沢の滝の探索に向かいました。
地元の方に
いろいろと聞き込み調査をして、
頑張ってみました。
それらしい場所から、
尾根を下ると、そこは不動滝の落ち口であり、
不動の上滝は人工物が酷いしと、
小中沢は苦々しかったです。
登攀のイメージ、
必要な装備と技術。教わることばかりで、
とても貴重な沢体験になりました。
(次は6日後に東黒沢に行きました。)
アクセス
Step1 日原川の八丁橋へ
Step2 車を停めて徒歩
Step3 しばらくして下降
Step4 出合から入渓し沢登り