万太郎本谷 下流部の滝
万太郎本谷下流部(井戸小屋沢含む)【新潟県 南魚沼郡 湯沢町 土樽】
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井戸小屋沢の右俣に向かいました。
もちろん本当に行きたかったのは、
3本の大滝がある本流の万太郎本谷。
しかしまだ、
実力不足なのは明らかなので、
新世界の空気感を味わうのが目的です。
滝の記録
訪問日 2017年8月5日
活動の形態:2級沢 遡下降(3人) / レンタ
装備:8mm20m, 沢タビ
感動度:まあまあ~けっこう(魚止等)
①新潟へ
僕は上里まで運転。
そこからはKに代わって湯沢町へ。
夜が明けてから、
万太郎本谷沿いの駐車スペースまで移動。
ちょっと荒れてましたが、
N-BOXでも行くことができました。
そこで問題だったのは、
アブや巨大な蜂がブンブンと飛び回っていて、
車のガラスに「ぽこん」とか、
「かつん」とかぶつかってくること。
蜂は黄色いし、
でかいしでレポを見てみたら、
「キイロスズメバチがいることがあるので注意」
と書かれてあった。。。
どうやって注意すればいいのかわからないけれども、
とにかく車の中ですべての装備を終わらせて
ザックも肩に半分背負って車を降りる。
不思議と降りた頃には
あまり気にならない数になっていました。
②入渓?魚止メ滝
林道をしばらく進んで、
適当なところで入渓すると、
間が空いている堰堤が2つ連続。
(2つ目)
でも実は林道は分岐を右に進めば、
1つ目の堰堤はスルーできます。
最初の方は、
両岸を深い樹林に包まれた中を流れる
癒しの渓相が続く。
ところどころ、
岩の形状が素晴らしくよく、
岩畳の上を流れるナメ滝も、
とても美しいところ。
そうこうして進んでいけば、
最初の滝らしい滝に至る。
【魚止メ滝 4m】
少し見えない状態の滝も格好良い。
この滝は今までの僕らなら、
ぱっと見ありえないと思うけれど、
右岸壁のルートが理解できた。
滝に向かって左側から壁沿いをヘツり、
最終的には一旦泳ぐ形になりながら、
懸命に隙間に取り付いて行く。
取り付きさえできれば登れる要素があり、
左側の溝から滝上に登れました。
③オキドウキョのゴルジュ
魚止メ滝すぐ上にも、
甌穴の空いた滝があって実に美しい。
しばらく進んでいったら、
写真でよく目にする「塔」が現れます。
これは関越自動車道の換気口だそうです。
3m 大釜がある滝
そうして小滝をこなしたりしながら、
オキドウキョ沢の出合滝を眺めると、
そこはもう
オキドウキョのゴルジュが待っています。
泳ぎの経験値は全く足りないですが、
さっきのちょい泳ぎがあったこと、
水温も冷たすぎはしないことから突撃開始。
まずはKが先に行ってくれました。
取り付いて、その滝を登る。
さらに険しい箇所がやってくるも、
左から壁沿いに進んで、
最後は懸命に泳いで滝近くに。
【オキドウキョ 4m滝】
最終パートは泳いでも跳ね返され、
水も一瞬飲んでしまい、戦意喪失に。
左側の段々をなんとか登って滝上に。
ザックが浮力になって
ぷかぷか浮いてくれる感覚は、
懸垂下降で簡単には落ちない感覚にも似ていて、
ちょっと泳げるかもって気分になりました。
④井戸小屋沢を進む
3mのナメ滝
この滝を左岸巻きで越えたら、
井戸小屋沢が右から落ちていました。
出合から振り返った部分。
滝は続きますが、
魂を揺さぶるようなものは出てきません。
4m滝
7m滝
3mヒョングリ
4段トイ状ナメ滝(上から)
しかし、開けてしばらくした
7mのナメ滝はなかなかの開放感!
休憩を挟みました。
⑤CS滝の苦闘と
進むといくつかナメ滝があります。
3mナメ滝
目の前に突如雪渓が出てきて焦ったら、
それは支流の小障子沢のものだったので一安心。
井戸小屋沢は3m滝をかけています。
この滝に苦戦。
バランス感覚的に足場の位置と、
手を掴む位置の関係性が悪く、
ひっくりかえって落ちるのが目に見えてます。
交互にトライし、
水の中からも突っ張り気味に試み、
さらには左岸巻きもしようとしましたが、
フェルトの沢タビでは厳しすぎる巻き…
Kがもう一回トライしたいとのことで、
見ていたら、なんと突破してしまった…
ホールドが取れることを信じて、
ルート読んで足を踏み出したらしい。
僕は20mザイルをあげてもらって、
それをダブルで掴んで滝上に。
これは左のざれを巻くが少し高度感あり。
沢に戻ってしばらくして冷気を感じ始める。
⑥地獄的な雪渓
なんでもない小滝の上に
今にも崩れそうな雪渓がかかっていました。
ぱっと見どうしようもない雰囲気。
それでもどうにかトライや、
大高巻きも不可能ではないと思うも、
やはりチームとして無理はいけない。
エスケープで登山道も狙ってみるも、
常に傾斜は変わらず引き返しました。
崖の左上に人が…
1時間弱降り続け、
井戸小屋沢出合に舞い戻りました。
⑦一ノ滝を目指そう
そこには本谷遡行予定で、
休憩中の「鈴蘭山の会」4名パーティが
いらっしゃいました。
一ノ滝まで30分ぐらいじゃない?
とのお言葉もいただき、目指して見ます。
いちようこの時点で13:20弱で14:15撤退開始、
15:00にこの場所に戻るルールにします。
1m滝
ゴルジュにかかる2段4m滝 下段
ぱっと見無理そうで、
山の会の4名は右岸巻きを選択。
僕らは左岸の壁沿いを泳いで取り付き、
上部をフリーで移り渡りました。
もうしばらく進んだら、
なんとスノーブリッジが出現。。。
下をダッシュで駆け抜けましたが、
反対から見たら、猛烈な亀裂が
中部に走ってました。
ナメ滝
2段のナメ滝
上の段にて引き返しを決意
もう少しだったかもですが、
当初のルールをおそらく過ぎてしまったこと、
やはり無理はよくないことから撤退へ。
⑧引き返し
スノーブリッジは右岸から巻いて、
ゴルジュも右岸から巻き降りる。
井戸小屋沢 出合付近
オキドウキョのゴルジュを上から眺める。
オキドウキョは左岸から巻きおりるも、
途中オキドウキョ沢を跨いだり、
最後の8m弱が懸垂下降になったり
悪いルートでした。
最後の方ちょっと夕立があり、
みるみる沢の水量が増水してきました。
そういう意味でも
早めの引き返しが効きました。
魚止メ滝ではまたどっぷりと水浸し。
下流から2つ目の堰堤を過ぎたら
すぐ左に行ったら林道到達。
帰ったらアブも蜂もいなかったので、
小雨の中のんびりと着替えて岩の湯へ。
Kは駒寄PAで力尽きて、
そこからは僕が代わらずに東京へ。
慌ただしい中でも美渓を楽しめた1日でした。
コースタイム
A 万太郎谷下流部
7:02 車発
7:19 2つ目の堰堤
7:58 魚止メ滝
8:28 関越道 換気口
8:44 オキドウキョのゴルジュ
9:11 ゴルジュの上
9:30頃 井戸小屋沢出合
B 井戸小屋沢遡行→下降
10:07 7m滝
10:38 3mCS滝 ~超苦戦~
11:13 2段7m滝
11:25 地獄の雪渓
しばらく待機→撤退開始
C 本谷を遡行→下降
12:52 井戸小屋沢出合
14:02 スノーブリッジ
14:18 2段ナメ滝途中(断念)
?D 本谷下流部を下降?
15:09 井戸小屋沢出合
16:59 2番目の堰堤
17:13 車着
⑨まとめ
井戸小屋沢の右俣遡行は
直接的には雪渓で弾き返されました。
けれど、雪渓がなかったとしても、
3mCSでも手こずり、突破できたかは不明です。
活動としては中途半端で、一ノ滝の訪瀑もならず。
井戸小屋沢出合から一ノ滝までは
2時間は見た方が良さそうです。
けれど泳ぎは格別に楽しく、
谷の景色の良さも素晴らしいものでした。
基礎的なクライミング、
スラブでの移動、体力、それらが必要な
中級よりの沢であり、体験できたことに感謝。
滝を長く続けていくにも、
無理せず楽しんでやっていきたいものです。